俺達三人兄弟は可愛い幼馴染みを狙っています~真ん中の俺は普通過ぎて自信はない~
俺は三人兄弟の真ん中の名前はカイト。
顔は普通。
頭の良さも普通。
全てが普通の高校生だ。
そして俺にはあと二人兄弟がいる。
一番上の兄の名前はアイト。
女の子の扱い方はアイトが一番上手いと思う。
顔もイケメンで頭もいいそして大人の色気もある。
有名な大学に行っている大学生だ。
一番下の弟の名前はナイト。
この弟は厄介だ。
女の子のように可愛い顔をして甘え上手だ。
女の子の気持ちが分かるかのように女の子に接する。
女の子は可愛いとチヤホヤする。
そんな弟は中学生だ。
この二人に勝てる要素が俺には一つもない。
本当に兄弟なのか? と思ってしまうほど似ていない。
そして俺達兄弟の隣の家に住んでいる女の子。
名前はセイラだ。
彼女は俺と同じ歳で高校生だ。
セイラは少し、おっちょこちょいのところがあり、俺達兄弟は彼女を守りながら今まで生きてきた。
だから俺達兄弟がセイラを好きになるのは当たり前だった。
「カイト。今日も遊びに行っていい?」
「また? 今日はアイトはいないぞ」
「えっ、そうなの? それならナイト君は?」
「あいつは暇だからいると思う」
「それなら行く」
「お前はアイトとナイトがいいのかよ」
「人数が多い方が楽しいでしょう?」
「そうか?」
「そうよ」
俺とセイラは一緒に家へ帰りながら話していた。
「キャッ」
いきなりセイラがつまずいた。
俺は咄嗟にセイラの体を支える。
「また何もないところでつまずいたのか?」
「そうみたい。ありがとう。カイト」
「気を付けろよ」
「うん」
セイラはいつも何もないところでつまずく。
だから俺はすぐに反応し、セイラを支えられるようになった。
これは誰にも負けない自信がある。
家に着くとナイトがいた。
「あっ、セイラちゃんだ」
「ナイト君。私の癒し」
そしてセイラはナイトに抱き付く。
ナイトは嬉しそうに笑っている。
何かムカつく。
「分かったから離れろ」
俺はそう言ってセイラをナイトから剥がす。
「カイト、何するのよ」
「そうだよ。柔らかくて良い香りのセイラちゃんを楽しんでたのに」
「えっ、ナイト君?」
「ん? セイラちゃんは柔らかくてプニプニしてるんだよ」
「それはどういう意味?」
「それはセイラちゃんの…………」
「ナイト、それ以上言うな」
俺はナイトの口を押さえ、ナイトが言おうとしたことを言わせないようにした。
「カイト?」
セイラは分かっていないようだからもう、この話は止めよう。
「セイラ、俺の部屋に来るか?」
「そうだね」
「セイラちゃんは僕の部屋に来ないの?」
ナイトのうるうる目のお願い攻撃が始まった。
「今度行くね」
セイラはそんなナイトの攻撃に気付いていない。
いつもそうだ。
セイラにはそんな攻撃が効く訳がない。
だってセイラには好きなやつがいるからだ。
俺とセイラは俺の部屋に入る。
「ナイト君はやっぱり私の癒しだよ。わんちゃんみたい」
「アイトは?」
「カイトは知ってるのに聞くの?」
「アイトのことはどうなんだよ?」
「私の理想の王子様」
「分かったよ」
「絶対に言わないでよ」
「分かってるよ」
そう、セイラはアイトが好きなんだ。
アイトに俺が勝てる訳がない。
でも、セイラを諦めることはできないんだ。
いつも一緒にいてセイラへの気持ちがなくなる訳がないんだ。
「カイト?」
いきなり俺は呼ばれ、俺の部屋のドアが開いた。
ドアから顔を出したのはアイトだった。
「あれ? セイラちゃん来てたんだね」
「はい。お邪魔してます」
「俺は邪魔かな?」
「そんなことないですよ」
セイラは必死に否定した。
俺からしたらアイトは邪魔だ。
しかしセイラからすれば俺が邪魔なのだろう。
「アイト、俺に用事?」
「あっ、カイトに用があったけどセイラちゃんにする」
「はあ?」
「私ですか?」
「ちょっとセイラちゃん。俺の部屋に来てくれる?」
「いいですよ」
セイラは嬉しそうに俺の部屋から出て行く。
「おい、アイト」
「何だよ」
「セイラを悲しませたら許さないからな」
「お前に言われたくないよ」
「どういう意味?」
「さあ?」
アイトはそう言って自分の部屋へ向かった。
アイトの言いたいことがよく分からなかった。
そしてしばらくしてセイラのお邪魔しましたの声がしてセイラが帰ったのが分かった。
アイトと何を話したんだろうか?
気になって仕方ない。
その日から毎日のようにセイラはアイトの部屋へ通うようになった。
そんな二人を見ていたらもしかしたら二人は付き合いだしたのかもしれないと思いだしてしまった。
「最近、アイトと仲がいいよな?」
「そう?」
セイラは嬉しそうにしている。
「アイトと付き合っているのか?」
「え?」
「おめでとう。気持ちが伝わったんだな」
「何でそうなるの?」
「何が?」
「もういいよ」
そしてセイラは走り出す。
「セイラ待て。転けるぞ」
「キャッ」
俺はセイラの体を支えようとセイラに手を出した。
しかし、その手をセイラは払った。
そしてセイラは地面に膝をついて転けた。
膝からは血が出ている。
「セイラ、大丈夫か?」
「私に触れないで」
「セイラ?」
「私はカイトのお荷物になりたくないの」
「セイラ、何を言ってるんだ?」
「アイト君が言ってたもん」
「アイトが?」
「だから私はカイトのお荷物にならないようにするの。だからカイトの手助けはいらない」
「でも、俺はセイラが心配なんだ」
「どうしてそんなに私が心配なの?」
「セイラはすぐ転けるし、おっちょこちょいだから」
「それだけ? 私が転けるから?」
セイラに好きだって言いたいけど言えない。
セイラはアイトが好きだから。
それなら俺はこの今の関係を壊したくない。
「そうだ」
「そっか。分かったよ」
そしてセイラは足が痛むのか、泣きそうになりながら保健室へと向かった。
俺はセイラが保健室へ入ったのを確認して教室へ戻った。
俺はセイラに言われた触れないでという言葉で立ち直れなくなっていた。
俺が今までしてきたことがセイラには嫌だったのか?
頭の中で色々考えてしまう。
セイラを必要以上に避けていたある日、俺はアイトに言われた。
「お前ってバカだよな?」
「はあ?」
「お前は何にも分かってないよ」
「何の話だよ」
「ほら、バカじゃん」
「何なんだよ。自分は何でもできて、俺みたいに欠点なんてなくて、何でも手に入れているアイトに何が分かるんだよ」
「お前に俺の何が分かるって言うんだ? 誰からも期待されて、その期待に応えるように必死に頑張っている俺の何が分かるって言うんだよ」
初めてアイトの本音を聞いた気がする。
「何の努力もしようとしないお前に腹が立つ。本当に可哀想で仕方ないよ」
「俺だって努力はしてる。でもどんなに努力しても手に入らないものはあるんだ」
「本当に努力したのか?」
「えっ」
「本当に手に入れたいなら死ぬ気で努力したのか?」
俺は何も答えられない。
だって努力なんてしていない。
俺なんて勝てる要素はない。
そう。
諦めていたんだ。
「僕もアイトお兄ちゃんと一緒だよ」
「ナイト?」
ナイトがいきなりリビングへ入ってきて、俺は言った。
「僕だってこの顔でいじめられたこともあったけどこの顔を逆に長所にしようって決めたんだ。女の子の気持ちを勉強して、女の子の気持ちになって話すようにしたんだ」
「ナイトもなのか?」
「僕もちゃんと努力したよ。カイトお兄ちゃんは?」
「俺は何もしていない。俺、二人は努力なんてしていないって思ってた」
「努力しているから俺もナイトも今の幸せがあるんだよ」
「俺も幸せになれるのか?」
「カイトもなれるさ。カイトは何を手に入れたいんだ?」
「言えない」
「俺が言ってやろうか?」
「はあ?」
「セイラちゃんだろ?」
「何で?」
「見てれば分かるさ」
「セイラには言わないでくれ」
「それは無理な話かも」
「アイト?」
「出ておいで」
アイトが言うと玄関の方からセイラが目に涙を溜めて出てきた。
「セイラ!」
「カイト。すごく嬉しいよ」
「嬉しい? セイラはアイトの事が好きなんだろう?」
「私、そんなこと言った?」
「だって、理想の王子様だって言ってただろう?」
「理想の王子様と好きは違うよ」
「なんだよそれ」
「私、カイトに気付いて貰えるようにカイトだけ呼び捨てにしてたんだよ」
「えっ、俺もセイラに気付いてほしくて俺だけ呼び捨てにしたんだ」
「嘘でしょう? 同じ気持ちだったの?」
「近くにいすぎて分からなかったんだな」
「そうみたい」
そして俺達は笑い合った。
「それで? 二人はどうするんだい?」
アイトが俺達に聞いてくる。
「セイラ。俺と付き合って下さい」
「カイト。喜んで」
「やった。お姉ちゃんができた」
「ナイト君?」
「ナイト、いい加減にしろよ」
俺はナイトをセイラから剥がす。
そしてセイラを抱き寄せて言う。
「セイラは俺のだ」
「カイト」
セイラは俺を見上げた。
俺はセイラの手を引いて俺の部屋に入る。
そして鍵を閉めた。
「カイト?」
「あいつらには邪魔をされたくない」
「うん。そうだね」
「セイラ」
「カイト」
俺達は見つめ合う。
顔が近づく。
『ドンドン』
「カイト。兄からのアドバイス。そんなに早く手を出したらダメだよ」
「カイトお兄ちゃん。弟からのアドバイス。女の子は強引なのも好きだよ」
二人の言葉に俺達のムードはぶち壊し。
二人で大笑いをしてしまった。
そんな俺達の声を聞いて二人は俺の部屋から離れた。
チャンスだ。
「セイラ」
「何?」
「静かに」
「どうしたの?」
「好きだ。セイラ」
「好きだよ。カイト」
そして二人の兄弟には気付かれないように静かにキスをした。
すごく幸せだ。
これがずっと続けばいいのに。
俺はそう願いました。
「ねえ、セイラ?」
「何?」
「何でアイトの部屋に通った訳?」
「カイトの攻略法を教えてくれるって言うから」
「俺?」
「そうだよ」
「セイラ」
「何?」
「俺の部屋以外はもう入ったらダメだ」
「何で?」
「あいつらはセイラに何をするか分からないからな」
「理由はそれだけ?」
「俺が嫌なんだ」
俺がそう言うとセイラは俺の耳元で、
「カイトの部屋しか入らないよ。だってカイトの部屋でしかこんなことできないもん」
と言って俺の頬にキスをした。
そんな可愛いセイラに俺は本物のキスのお返しをした。
読んで頂きありがとうございます。
中身も見た目も全然違う三兄弟はどうでしたか?
一人一人違うのはそれぞれの努力があったからで、もし努力なんてしなかったら三兄弟はみんな同じで彼女に魅力的に見えていなかったでしょうね。
大変そうですが努力をして自分を変えるのもいいかもしれませんね。