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異世界転生編 プロローグ

昔々、あるところに鬼の子供が産まれた。


鬼の子は、人間が好きで沢山のことを勉強した。

歴史に文化、現代技術に観光名所、性格、血液型、女に男。

至る所まで知り尽くした鬼の子も生まれて六年がたったこの日、初めて人間の世界の学校へ入学する。


ドキドキさせる気持ちを抑え込み、不安と緊張の中で鬼の子は憧れていた人間の世界へ。


年月が過ぎるのは早いもので、入学してから早くも六年。

思い返してみれば、脳裏に浮かぶ学友達との思い出。

卒業式を終えた鬼の子の周りには沢山のお友達で一杯で、なんて、有意義な六年間だったのだろうかと鬼の子は華ように笑った。


そのような世界もあったのだろうか。鬼の子は涙を流しながらそう思った。


鬼の子はいじめを受けた。いや、差別と言っても間違ってはいないと言える扱いであった。

角と牙の生えていた鬼の子は周りの子達から気持ち悪がられていたが、現実を知った鬼の子は悲しくなった。


それでも鬼の子はめげず、諦めなかった。そんな鬼の子を見ていた両親もまた、鬼の子を応援していた。


中等部になってからは、マスクや帽子などといったもので隠してはいたが、結局見つかってしまい、大勢の前で晒されてしまい、また孤独になった。


しかし、鬼の子は絶望とも言える三年間もの長い間、耐えきって見せた。

中等部を卒業したら、次は高等部に移り、国の将来のための軍事演習を教わる。


人間たちの非道な行動を見てきた鬼の子にとって高等部はとてもよいところだった。

大人になれば、そんなことをする人たちはいなくなると、両親の言った通りで、鬼の子をいじめる人たちはいなくなった。


十六歳の春、鬼の子に初めての女の子のお友達ができた。角を見ても牙を見ても気持ち悪がらづに、「一つのチャームポイントだよ」って言ってくれ、鬼の子がその子のことが好きになったとしても何も不思議なことではなかった。


しかし、そのことをよく思わない人達がもいたようで、その子達は鬼の子に友達だと嘘をいい呼びつけると、魔物狩りの代わりだと言って暴力をふるった。


人間と同じ色をするなと、肌を炎で焼かれ、角を折られ、牙を抜かれ、人権など無かった。

だけど、鬼の子にはお友達である女の子がいる。それだけでも、鬼の子が学校に行く理由になっていた。


いつものように、学校に行き女の子と話す鬼の子。移動教室、授業のグループも同じ、そうこうしているうちに鬼の子は女の子に自分の気持ちを伝える決心をする。


大きなものだと、奴等に見つかりかねないと思った鬼の子は一輪の花を片手に女の子のいる放課後の教室に行き、鳴りやまぬ胸を握りしめて深呼吸を一つ。覚悟を決めた鬼の子は教室の扉を開けようとした時だった。

教室の中であの子の声が聞こえました。そっと耳をあて、聞いてみると、


「ねぇ、あんたマジで鬼と友達なわけ?」


聞き覚えの無い知らない子の声まで拾った。。


そして、その子達の話の話題は学校に一人しかいない鬼のことだからすぐに自分だと分かった。

だけど、どこか昔の嫌な記憶が甦ってくるような話し方に鬼の子は嫌な予感しかしなかった。


「は?そんなわけないじゃん。八方美人だと男受けいいでしょ?鬼でもなんでも私は優しいですよーってアピってるだけじゃん。なのにあの鬼、勘違いしているかしらないけどさずっと付いてくんの。正直うざいのよね。」


鬼の子は何が自分を襲ったのか分からなかった。知らない感情によって体が冷たくなっていき目から涙がこぼれ、頭が真っ白になる。


「もうこんな時間だからさ、帰ろ帰ろ。」


女の子達が廊下に出てきた瞬間に扉の側にいた鬼の子と目が合う。女の子は気まずそうに苦笑いをしながらなにか言おうとあたふたし、吹っ切れたのかいつも見せてくれる笑顔で、


「本当キモい」


鬼の子は人間が嫌いになった。

学校に行く理由を失った鬼の子は、荷物をまとめ逃げるように鬼の里へ帰り、全てを聞いた両親は、なにも言わず抱き締めた。


しかし、鬼の子の不幸は終わらなかった。

里の鬼たちは牙と角の無い鬼の子を忌み子として村から追い出そうとし、今まで味方だった両親でさえも見捨てた。


その時。

鬼の子の頭の中で何かが途切れた音がなった。

そこから先は鬼の子でさえ覚えていない。気がついてから目の前に広がっていたのは、血を流し倒れこんでいた両親の姿であった。

鬼の子は、フっと笑うと憎き人間界へ歩みを進めた。


あれから、時がすぎて鬼の子も立派な大人になりもう一人前の鬼として過ごしている。仕事も始め生活も充実し趣味もできた。それは、人殺しだった。


いつしか、それは快感となり鬼の心を侵していった。

学校帰りの学生、一家団欒の子供、鬼は人を誘拐し2桁は越えるくらいの数を殺した。いつしか噂がたっていき誰の仕業か分かっていない人間たちはその人殺しのことを恐れの気持ちも含めこう名付けた。


『殺人オニ』

と。

はじめまして。

本作の作者のJKGです。

ラノベデビューとして書かせてもらうことになった『鬼人』は僕がたまたま思い付いただけの作品になっています笑。

昔から本を書きたいとは思ってはいましたが、なんせ頭が悪く、シナリオを思い付いては混乱してしまうオチが幾度となく続きました。それを繰り返していくうちにこの『鬼人』にたどり着いたというわけです。

さて、この『鬼人』を書くにいたっての投稿頻度は一週間に2~3回にさせてもらおうと思います。社会人として働きながらですので、あまり早すぎると自分が追い付かなくなりそうだったからです(情けない)。

では、頑張りますので、応援よろしくお願いします!


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