お前らだけでやってくれ!(後)
京介は真っ白な光の中にいた。
身を焦がしていた痛みはなくなっている。
「なんだ?」
先ほど光を発した手を開いたり握ったりして感触を確かめてみる。
「やあ、京介。」
「うわ!」
背後から唐突にかけられた声に驚く京介。
「てっめ。くそ神。今度は何しやがった!」
背後に立つ神の姿を確認し、掴みかかる。
しかしその手はなにも掴むことなくすり抜けてしまう。
「くっそ!」
「京介。きっと君は怒っているだろうね。この私は君に分け与えた力が発現した時に再生する、いわばビデオみたいなものだ。与えた力・・・創造魔法とでもいうのかな?それは君の願いを形にする力だ。君が今何を願ったのかこの私に知ることはできないが君にとって、世界にとってそれが良いことであればと祈るばかりだよ。ああ、神が祈るっていうのもおかしな話だね。」
ハハハと神が自虐的にわらう。
「お前・・・」
いつもと違うその様子に京介が戸惑う。
「あ。でも君の力は私のと違って万能じゃないから。」
「え?」
一転。イタズラっこのような笑顔を浮かべて神が続ける。
「足りない部分は自分の力でなんとかしてくれよ?」
「っつ!やっぱり丸ブリか~~~~!!!」
「ぎゃあああああああああ!」
自分のではない悲鳴に京介の意識が覚醒する。
ぼやけていた視界がはっきりすると目の前では騎士の二人が痛みにのたうちまわっているのがわかる。
「ど、どうしたのです!?」
側では急な出来事にユニが何もできずただうろたえている。
≪なんかあの娘、今日ずっとあんな役回りだな~≫
痛みから解放された頭で京介は思う。
≪それにしても創造魔法か・・・。おれはさっき相手にも俺と同じ痛みを与えたいと思った。その現実が創造されたってことか?しかし・・・≫
「うるさい!」
言葉とともに跳ね起きる京介。
「ゆ・勇者様!?」
「大の男がちょっと痛いくらいでわめくな!」
棚上げである。
京介は大股で二人の騎士に近づくと鳩尾に蹴りを入れ昏倒させた。
次いで騎士の腰から鞘ごと剣を外す。
「さてと。どうしてくれようかな~。こいつら・・・。ふふふ。はしゃいでくれちゃったからなー。」
邪悪な笑みをうかべ独りゴチながらユニに向き直る。
たまらず後ずさる。
「っひ。」
「あれれ?俺勇者じゃなかったけ?そんなに怖がらないでよ。傷ついちゃうなー。」
「こ、来ないでください。」
「さっきまで無理やり連れて行こうとしたのに?お前、俺に何してくれたかわかってるよな。」
祭壇の壁を背に逃げ場を失ったユニの頭に手をかざす。
「や、やめて・・・。」
「彼の者の身心を戒める茨の鎖、ギアス!!」
「きゃああああああああああああ!!」
「おお。効いた効いた。しかし・・・これは見てるほうもつらいな。」
痛みにあえぐユニは顔じゅうから体液を垂れ流し、耐えられなかったのか失禁すらしていた。
「俺にアブナイ趣味はないからなっと。」
京介がパチンと指を鳴らすとユニをむしばんでいた痛み消え、その場で崩れ落ちる。
「はあはあ、ゲホ、ケホ!」
汚れた顔を袖で拭う。
「はあはあ・・・なんで・・・こんな?」
「なんだ?まだわかんないの?そうだ、さっき言ったみたいにあんたには俺と同じメに会ってもらおう!」
良い言を思いついたとばかりに手を打つ京介。
そして、ユニの汚れ引き寄せ、聞き逃しのないように一言ひとこと丁寧に呪いの言葉を告げる。
「これからあんたはその命が終わるまで俺の奴隷だ。逆らうことは許されない。そして・・・。」
京介がまたパチンと指を鳴らす。
「今、この世界からあんたは忘れられた。」
次回は京介の能力を詰めて行く回です。お約束の錬金とかもやっちゃう予定です。
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