─〔 参 〕─『Are you an entertainer ?<君はエンターテイナーか?>』#I
「朝だぞ〜! お〜き〜ろ〜ォ」
目覚まし時計から、●寛平風の声が聞こえ、俺は目が覚めた。ふとやかましい時計を見ると8時――――
「尭良ァ! もう8時20分だよ!! 学校おくれるよ〜ッ!」
一階から玖月さんの大声が聞こえてきた。はい? 何言ってんだァ? 今日は土曜じゃねェか?
「今日はまだ金曜だぞ〜。ねこけんなァ」
今度は紅壬の声が聞こえた。
……。……。
ギャぁ──ァああッ!? ベタだァッ! ゼッテェこの状況、漫画とかアニメとかに出てくるベタな遅刻だァッ!
ちっくしょう!どこだっ?! ネクタイネクタイネクタイ……あああった! でも冬服じゃねぇよッ。シャツシャツシャツシャツ……。
ああああったあった! 昨日ハンガーにかけてたのすっかり忘れてた。
俺は服を着替え、かばんに教科書を詰め込み、急いで下に降り玄関にたどり着いた。
「いってきまぁーすッ」
「尭良! お弁当忘れてる」
玖月さんの言葉で、キッチンにリターンダッシュ。机の上にあった3つの弁当箱をかばんにつめる。大中小……よし! 全部そろってる。
「いってきまぁーっす」
再び玄関に行き、ドアを勢いよく開ける。朝の太陽の光が路地にも入っていて、まぶしかった。
でも、今の俺に暖かな光によいしれている余裕はナシ!
「お〜く〜れ〜る〜ッ!」
俺は本当に情けない叫び声をあげながら走った。




