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─〔 壱 〕─『Be ambitious , BOY???<少年よ、大志抱いてる?>』#I




「ねぇ、そこのモグモグ魔くん」

 壱花<イチカ>ちゃんが俺に話しかける。

「ふぁ? あふたふぉ?」

「何言ってんのかわかんないっつーの。だいたい飛ばさないでよ…汚いなぁ」

 俺は急いで中に入っているブツを飲み込んだ。

「あ〜ん! ごめんよぉ、壱花ちゃぁん!! で、俺に何か用?俺、壱花ちゃんの頼みなら何でもするよぉッ」

「…あんた本当に何でもしそうで怖いわよ。頼みとかじゃなくて、先生きたっていいたかっ」

「あぁ!! ありがとぉ壱花ちゅぁんッ! ホント壱花ちゃんって優しいんだ!! お礼に俺のキッスをうけとってく」

「いるかボケぇッ」

 かわりに壱花ちゃんの投げたパンにキス。

「弓瀬のこと、ホント好きだよな」

「告っちゃえば? 尭良くん」

 うへへ〜。それもいいかなァ〜…


 俺は沢森 尭良<サワモリ アキラ>、中学三年生。俺は今 弓瀬 壱花って女の子に夢中……。可愛くて、優しくて、頭良くて、性格も良し! 俺にとって彼女は、理想のレディ。

 ま、そんなんで今は学校の放課中。


  キーン コーン

  カーン コーン


「うわっ!! やっべぇ」

 俺はとにかく目の前の食料を口に詰め込んだ。

「あんた……よくまぁそんないっぱい口にいれられるわね。感動越して呆れるわ……」

「ほふぉめとこちょ」

「飛ばすな! ほめてない!! さっさと喰えッ」

「どなるな、弓瀬〜。先生はもう着いてるぞ。まぁどうせ常習犯のやるこったからな、そろそろ俺も慣れたわ」

 ドアにもたれかけた先生の言葉にみんなが笑う。

 しゃーねぇだろ? 俺は元気な少年よ? 腹減らねぇわけないっつーの。

「あ、そうだ。沢森、お前この授業終わったら、早退な」

「え? 何でっすか?」

「お前の親父さんが、急用でどっか行くからついて来いだとよ」

クラス中から ええ〜 という声がもれる。ちなみに俺も賛同した。

「何だ、沢森。早退できんだぞ? 俺なんか今からでも帰る用意するけど」

「だって……壱花ちゃんとちょっとでも長くいたいんだも〜ん」

「じゃぁ弓瀬をセットで早退させるか」

「お!!先生、気が利きますねぇ」

「ちょっと! やめてよッ」

 今度は笑いが響きわたる。

「まぁそんなわけだ。わかったな、沢森」

「ラジャ」

「じゃぁ授業に入るぞ。現代日本の32ページあけろぉ」

 俺はカラの弁当をしまい、ノートをひらいた。 仕事がはいったか……

 親父?そんなもん俺にはいない。物心ついた時から……――



  俺は一人だった。






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