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やり直せるなら  作者: 塩野雅実
新たな職場
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奇妙な面接

8月13日、洋昌は15分前くらいに会社に着いた。


受付で面接に来た旨を伝えると控室に案内されたのだが、控室のロッカーが空いており、その中にはスーツやら制服らしきものが掛けてあった。


「申し訳ありません。誰かが開けっ放しにしたままにしていました。」

案内の人はロッカーを閉じると、

「履歴書をお預かりします。時間が来ましたら、呼びに参りますので、もう少しお待ちください。」


(女性が多い職場だと、こういうこともあるのかな…)

洋昌はロッカーが気になり、落ち着かない。

しばらくして、受付してくれた人が呼び出しに来た。


面接会場の入口には、女子高生と思われる人が先にいた。どうやら一緒に受けるようである。求人広告には今回は男性募集とあったが、違ったのか。しかも、個人面接かと勝手に思っていたので、さらに緊張してきた。


「今回面接を担当します、上崎と申します。中原さん、まず最初にお伺いしますが、求人広告にあった“今回は男性募集”というのに何か感じられましたか?」


「少し引っ掛かりはありましたが、特に何かを感じたと言われるとありません。」


「そうですか…。では、中原さんは当社の事をSNSとかでお調べにはならなかったのですね。それでは、次の質問に移りますね。では、今不思議に感じられている事はありますか?」


「先ほどおっしゃられた様に今回は男性募集のはずなのに、女性がいることが不思議です。お伺いしてもよろしいでしょうか?」


「隣にいる人が女性というのは、制服を見て判断されたのでしょうね。でも、そう判断するのは早いと思いませんか?中原さんも中性的な顔立ちをされてます。同じ制服を着て、ウィッグとメイクしたら、女性と錯覚するかもしれません。」


失礼な人だなあと思いつつ、

「という事は、隣の方は男性なのですか?」


「中原さんは当社の事を事前に詳しくお調べにならなかったので、ご存じなかったんだと思いますが、前提として当社で採用している男性というのは、女性として働きたい若しくは興味のある方なのです。ということで、隣の方は男性です。ただし、少々年齢をごまかした格好はされてますが…」


(そんな会社だったとは…普通なら辞退するけど、自分の場合は...)


「中原さんは悩まれているようですね。本来であれば、ここで説明すべき話でもないのですが、特別にこの場で説明することにしましょうか。」







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