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時は就職氷河期。中原洋昌は、教員採用試験に失敗し、次なる進路に悩んでいた。
アルバイトですら、なかなかうまく行かず、派遣会社に登録したものの、来る仕事は給与的に満足いくものではなかった。
それでも、奨学金返済のため、少しでも稼ぐ必要があるから、辛いながらも勤め上げていた。
そんなある日、動画サイトを見ていた洋昌はとある求人動画が目に止まった。
「女性ばかりの職場でしたが、今回男性募集します。興味のある方はWEBにて登録して下さい。後日面接日時をお伝えします。」
仕事内容は商業科目を中心とした家庭及び通信教育らしい。
洋昌の持っている教育免許は「商業」だったので、武器となるものはあった。
「今回は男性募集」というのはどういう事なのかというのが気にはなるが、何か惹かれるものがあったので、応募してみることにした。
数日後、応募した会社、RFアカデミーからメールが届いた。
「この度は、当社採用面接にご応募いただきありがとうございます。
さて、さっそくではありますが、面接日時を8月13日10時より当社にてさせていただきます。今回は至急の採用面接であり、他の日時による面接については対応いたしかねますので、ご容赦ください。当社の場所については添付の地図にてご確認ください。
当日は写真ありの履歴書及び筆記具をご持参ください。では、当日お待ちしております。
採用担当 上崎」
13日なら都合はつくので、洋昌は面接に行くことに決めた。