表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/28

【第6章】剣の真名と“声” 【第7章】目覚める運命

【第6章】剣の真名と“声”


 それは、漆黒の刀身を持つ、優美な長剣だった。


 刃には古代語のような文様が浮かび、柄には紅い宝玉が埋め込まれている。


 「封印は解いた。あとは、お前が“真名”を問うだけだ」


 「……どうすれば?」


 「その剣を手に取り、心の奥で名を問え。お前が認められれば、答えてくれる」


 レオンは静かに剣を握る。


 冷たいはずの金属が、まるで脈打つように温かさを宿していた。


 目を閉じ、意識を沈める。


 ——誰だ。お前は、誰だ。


 心の奥底で、レオンは問いかけた。


 沈黙の中、ふと、柔らかくも荘厳な声が響いた。


 『——我が名は《アスカリア》。かつて万象を断ち、十二の魔神を封じし《封滅の刃》なり』


 その瞬間、紅い宝玉が淡く光を放ち、剣とレオンの間に、確かな絆が結ばれた。



---


【第7章】目覚める運命


 ロスト鍛冶工房を出たレオンの背には、世界が少しだけ違って見えた。


 騒がしい王都の喧騒も、遠く聞こえる鳥の声も、何かが“始まった”ように感じる。


 だがそのとき、背後にふとした気配。


 振り返ると、フードを被った黒衣の人物が立っていた。


 「……ようやく《封滅の刃》が目覚めたか」


 「誰だ!?」


 その人物は一歩前に進むと、静かに言った。


 「“器”の目覚めは、すでに始まっている。お前の力も、それに巻き込まれる運命だ」


 次の瞬間、黒衣の者は煙のように姿を消した。


 レオンは剣の柄を強く握る。


 「器……? 魔神と、この剣……関係があるってことか……?」


 運命の歯車が、静かに、そして確かに動き始めていた。



---

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ