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65話 恋愛作戦再開

「ふふふ、ジュリエッタってば、二人の素敵な男性から愛の告白を受け続けてずいぶん楽しそうじゃないの?」


 今日のお嬢様はいたくご機嫌の様です。


「あれはバスティアンに女性の扱いを覚えてもらうための特訓です」


「そうかしら?それにしてはジュリエッタはずいぶんと楽しそうだったのではなくって?」


「そんな事ありません!」


「隠したって駄目よ?私にはジュリエッタが二人に告白される度にドキドキしていたのは分かっているのですから」


 ・・・そうでした・・・この嬢様にはわたしの考えている事は全部筒抜けだったのです。


「・・・それは・・・二人ともいい人ですから、あのようなセリフを面と向かって言われたら、そういう反応をしてしまうのは仕方ない事だと思います」


「ふふ、それもそうね。でもまさかジュリエッタがあの二人にあんな事までさせようとするなんて!」


「あれは!あの二人が勝手に始めようとした事でわたしがやらせたのではありません」


「でも本当は少し見たかったのではないかしら?」


「そんな事ありません!」


「まさかキスだけでなくあんな事までさせようとするなんてね!」


「あれは!・・・わたしもびっくりしました。だからやめさせたではありませんか」


「ふふ、あの時のジュリエッタの慌てっぷりたら!」


「あたりまえです!目の前であの二人にそんな事をされそうになったら・・・」


「私はちょっと興味がありましたけどね?ジュリエッタはあの二人ならどちらがどうなるのが良いと思いますか?」


「お嬢様!そんな下世話なお話をしないで下さい!」


 以前にお嬢様とその手のお話にはまってしまった事があったので何が言いたいのかは分かりますが・・・


「ふふっ、冗談よ。ジュリエッタはこの手の話はまだ慣れないみたいね?」




 慣れても困ります・・・




「そんな事より、お嬢様・・・お嬢様は本当にバスティアンの事が好きなのですか?」


 折角なのでこの際、直接聞いてみる事にしました。


「そうねえ?バスティアンの事は前から素敵だとは思っていたわね?クールで見た目も格好いいし」


 ・・・やっぱりそうみたいです。


「でも、最近はヴァーミリオンも悪くないと思っているわ」


「えっ、そうなのですか?」


「最初は悪印象だった相手に段々惹かれていくのは少女漫画の王道ですもの。そうでしょ?ジュリエッタ」


「えっ?わたしですか?」


「ジュリエッタはどちらのタイプが好みなのかしら?」


「わたしの事では無くてお嬢様の事です」


「ふふふっ、ジュリエッタが好きになった殿方なら間違いないもの。そうだ!どうせならジュリエッタが選んでくれないかしら?」


「わたしが?ですか?」


「ジュリエッタが良いと思った殿方とお付き合いするのも悪くないかもしれないわね?」




 ・・・・・その日はおかしな夢を見てしまいました。




 それから毎日バスティアンの特訓を続けました。

 そして、紆余曲折ありましたが何とかバスティアンにクロエ攻略のテクニックを習得させる事が出来ました。


「本当にこれで大丈夫なんだろうか?」


「はい、練習した通りに実践すれば間違いありません」


 実際のところ、まだ多少の不安はありますが、こういうのは自信が大事です。


 クロエには毎日バスティアンと共に行動する様にとだけ指示を出してあるのですが、それを忠実に守り、毎朝必ずバスティアンのところにやってきます。


 クロエは相変わらず表情の変化はありませんが、バスティアンの方は日に日にクロエのエスコートが上手くなっています。




「なかなかいい雰囲気じゃねえの?」


「そうですね、バスティアンの方から積極的にアプローチする様になったので、今までより恋人同士という雰囲気が出ています」


「俺たちも傍から見たら恋人同士って雰囲気になって来たんじゃねえの?」


「・・・いえ、どう見ても主を尾行している執事とメイドにしか見えないと思います」


 わたしは今日もヴァーミリオンと共に二人の様子を隠れながら観察しています。


 ・・・夢でお嬢様に言われたせいで、あれから微妙にヴァーミリオンの事を意識してしまいます。

 もちろん表には出さない用に気を付けていますが・・・


 でも確かに最近、毎日ずっとヴァーミリオンと一緒に行動している気がします。


 他の仕事をしなくて良いのかと言うと、お嬢様の復活という公国にとっての最重要案件に係わっているので、これも公務という扱いで他の仕事が免除されているのです。


 バスティアンも同様に、他の全ての仕事を全部レイチェル達が引き受けてくれているので、クロエの相手に専念できる事になっています。

 ただ、多少は仕事をしていないと落ち着かないという本人の希望で一部の公務を残しているのです。


 


「それにしても、あいつも随分と女の扱いが上手くなったじゃねえか?俺達の指導の賜物だな」


 ・・・そう、連日わたしはバスティアンとヴァーミリオンから愛を囁かれ続けるという生活を送っているのです。

 もう二人から愛の言葉を何千回ささやかれたかわかりません。


 そして回を追うごとにバスティアンの愛の言葉に感情がこもってきているので、つい本気にしてしまいそうになる時もあったのです。


 ・・・ヴァーミリオンの方は常にオーバー気味のセリフとアクションでしたが・・・


「これならクロエの奴も恋に落ちるんじゃないか?」


「そうですね・・・上手く行くといいです」




 ・・・これが上手くいけば、お嬢様が復活するかもしれないのです。


 それは大変嬉しい事なのですが、胸の奥に何かがつっかえている感じがどうしても拭えません。




 それに・・・夢でお嬢様に言われた事が、あれからどうしても気になって仕方ないのです。


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