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第20話 盗賊を捕らえた格ゲーマー

「ふぅ。とりあえずこれで身動きはとれないな」


 盗賊の頭も倒されシャルロットとトーヤが盗賊どもを牢屋に運んだ。その後はキャミーが持参したロープで縛り上げ牢の鍵を閉める。かなりキツく縛っているのでこれでもう抵抗は不可能だろう。


「随分と縛るのが上手いな。そういうのが好きなのか?」

「誤解を招くようなことを言うな! 冒険者ならこれぐらい当然なんだからな!」

 

 トーヤの問いかけに心外なとばかりにキャミーが叫んだ。そういう誤解は避けたいところなのだろう。


「どうかわかりませんわ。見るからに男にだらし無さそうですしトーヤ様も気をつけてください!」

「いやいや! 私は異性と付き合ったこともありませんから!」


 シャルロットがトーヤに寄り添うようにして注意を促したが、これもキャミーからしたら看過出来ない話なようですぐさま反論した。


「そうか、つまり女の子が好きなんだな」


 そんな反論に対してトーヤが斜め上の解釈をした。シャルロットが身じろぎして言い返す。


「え! ま、まさか私を!」

「ちっがぁああああう!」


 キャミーが叫び、そしてぜぇぜぇと息を切らした。そんな様子を見てトーヤがやれやれといった顔を見せる。


「なんだもう疲れたのか? 熟練の冒険者にしては情けないな」

「誰のせいだと思ってるんだ誰の!」


 キャミーは頭を抱えた。このままこんなペースに付き合っていたら身がもたないと考えたのか洞窟の外へ向けて歩き出した。


「とにかくここを出るぞ。ギルドに戻らないと」

「なんだこいつらはこのままでいいのか?」

「いいも何も全員なんて連れていけないだろう。だからこそわざわざ牢屋に入れたんだからな」


 つまり一旦ギルドに戻り、盗賊を捕まえたことを報告した後はギルドに任せるつもりなようだ。


「ま、おそらくは騎士団が動くだろうな」

「何か美味しいところだけもってかれる感じだな」

 

 キャミーの説明を聞いて率直な感想をトーヤが口にした。捕まえたのが自分たちであることを考えたならそう思っても仕方ないかもしれない。


「安心してくださいトーヤ様! トーヤ様の活躍ぶりは私からしっかりお父様にお伝えいたしますから!」


 トーヤの不満を解消しようとシャルロットが張り切っていた。その様子にキャミーが息を吐き出す。


「あまり無理なさらず。それにその分はしっかり報酬を頂いているのですから」

「誰も貴方のことは言ってませんわ。むしろ貴方の失礼な態度はしっかり報告させて頂きます!」

「えぇ!」


 シャルロットの返しにキャミーが声を張り上げた。


「まぁまぁそういうなよ。こいつもこいつなりに頑張ったんだからさ」

「トーヤ様がそう申されるなら。それにしても心がお広いですねそういうところも素敵です!」


 シャルロットが目を輝かせトーヤも満更でもない様子だ。キャミーだけが冷めた目で見ていた。


「はぁ、とにかくいくぞ」

 

 そしてシャルロットを救出し盗賊も退治した二人は洞窟をでることにしたのだった――

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