あっという間に…
触りたいって聞かれたら触りたいって答えていいの?
どうなの⁉︎
でもさ、オレって一応伝説の人なわけじゃん?
やっぱり…やめとけってオレが脳内で指令を出している。
…仕方ない。
ここは、せっかくのチャンスだったが諦めよう‼︎
目の前にご馳走があるのに待てをくらっているかのような辛さ…。
「あ、大丈夫です。」
と力なく答えるとジェーンは、
「ふふ」
と笑い部屋を後にした。
わ、笑い方も上品なんですけどーー‼︎
そんな次の日からオレは様々なスキルを手に入れてどんどん邪悪な奴らと戦った。
そうそう、オレは手だけ青であとはほぼ人間だった。
ほぼってのは、耳とかヒゲがちょいちょいねこ化していたからだ。
そんなねこ化してるオレが帰ると毎日のようにオレの手当てをしてくれるジェーンがいた。
召使いの方々もいるがジェーンがとにかく率先してオレの介抱をしてくれた。
大丈夫っすと丁寧にお断りするも、わたしには、こんなことしかできませんので。と渾身的に看病をしてくれた。
薬湯なんかも用意してくれた。
このお屋敷って、動物多いよなー…。
めっちゃかわいいからいいけどさ。
そんな日々を過ごして三年が過ぎた。
かなりオレとジェーンは、仲良くなった。
といいますか…す、すきになりかけている…といいますか…すき。
そして、オレのお供のポヨンポヨンは、水の精霊だったらしい。
なのでオレは水を使った技が備わっていた。
最近は、イッヌサマあんまり見かけないなー。
なんて思ったらイッヌサマ…お庭を元気に走り回っていた。
すっかり平和を取り戻し、ホッとしてテラスのバイトパンダに寄りかかりイッヌサマをみながら、すやすやと寝ていた…んだけど、、、、、
なんか…なんか頭ナデナデされている⁇
「ん…ジェーン…?」
「あ、起こしてしまいましたね。」
「ううん。大丈夫だよ」
「ゴキさま…あなたの戦いには皆のもの感謝しております。そしてわたしも…」
わたしもといいながらどんどんオレに顔が近づいてくる。
これは…このまま…キス…する…
よ…ね?
…
あれ?
オレは二度寝してしまったのだろうか?
これからジェーンとの大事なキスが待ち受けているというのに、まさかの二度寝してしまった⁉︎
微妙に意識はあるのに重いまぶたが開かない…。
えっとー…
なんかピーピー聞こえるな…
ん?
よく耳を澄ますとピー、ピーと一定のリズムを保っているように感じる。
んーーっ…
ピーピーとかよりも、キ、キス…やっとできるんだから寝落ちしてる場合じゃない‼︎
「き…き…」
きすと言いたいのにうまく言葉が話せない…
「しんじ⁉︎しんじーっ‼︎」
えっ?
たしかにオレは人間の時はシンジって名前だったけどさ。この声もききおぼえのある母さんの声だけどさ…。
なんだろう…由衣夏かな…。
でもさー、なんかからだをめっちゃ揺らされてる気がするんだよなー。
シンジシンジ呼ばれながらさ…。
夢にしては…リアル…。
…
ええとー…。
やっとのおもいで目が開いたかと思えば…ここどこ⁇
すべてが真っ白じゃね?
んっ⁉︎
「シンジーっ‼︎」
「うわっ…か、母さん⁉︎」
いきなり大粒の涙をぼろぼろ流した母さんのドアップが現れた。
…
え?
てことは…オレは…
「あの…母さん…」
「なに?頭痛い?ん?どこか他にも痛いの?なんでも言いなさい。あなた三日も眠り続けていたんだから。」
⁉︎
…三日
待って⁉︎三年が過ぎたよね⁉︎
三日って…
続く。