星降る夜に
とりあえず、普段あまり執筆をしないので、至らない、不自然な部分が多々あるやもしれません。
(いや、むしろ必ずあると思います)
そんなこんなで情けないですが、どうぞ広い心で読んで頂けるとありがたいです。
漆黒の闇を司る夜空、そしてその闇の中に散りばめられた星達と、微笑むように優しく光る月。
疲れたり、嫌な事があった日も、そんな星空を見上げると自然と頬が緩んだものだ。
そんな生き物達の母のような夜空が、今日はいつもと違った表情を見せるらしい。
「ほら優君、早く早く!」
そう言って階段を駆け上がりながら、急かすように僕を見つめる女の子。
彼女は優香。
お隣さんであり、僕の幼馴染である。
普段はのんびりマイペースな彼女なのだが、今日は朝から妙にテンションが高かった。
一緒に学校へ行くときもスキップのような軽い足取りだったし、お昼の時も窓から外を見ては、笑ったり、ソワソワしたり。
あ、でも授業中はいつも通り夢の中に行ってたっけ。
まあ、今日に限っては仕方がない事だろう。
なぜなら……――――
屋上のドアを開けると、そこはもう、別世界だった。
幾千、幾万……いや、それ以上の星という子供達が、月という母を中心に踊り回り、駆け抜け、笑っている。
それはもう、幻想的というよりはむしろ、圧巻というべきものだ。
恐らく、世界中全ての光を集めて照らしても、この夜空の明るさと美しさには適わないだろう、僕はぽかんと口を開けたまま、そんな事を考えていた。
「……ねえねえ、優君。 願い事しなきゃ! 沢山流れ星が流れているんだから、沢山お願いしないと損だよ!」
優香が思い出したように言った。
その口元が少し濡れている。
成る程、彼女も僕と同じように今まで見惚れていたのか。
得意気に口元を拭ってあげると、彼女は恥ずかしそうに、「優君もね」と、僕の口元を拭った。
おあいこか、得意気にやった手先、ちょっと恥ずかしくなる。
「……んー、願い事かあ」
恥ずかしさを隠す為に声を上げてみたが、いざ願い事といわれると、あまり頭に浮かんでこない。
将来の夢? まだ霞がかったような感じなのに。
お金? 願い事としては一番無難だけど、これほどの星空にこんな下心みえみえな願い事はしたくない。
老後の事? 今から心配することかなあ。
結局どれもイマイチだ、これだって願いが浮かばない。
……そういえば、優香はどんな願い事をしているのかな。
―猫が飼えますように。
―お金持ちになれますように。
―頭が良くなりますように。
―胸が大きくなりますように。
……………。
いや、僕は何も言わないよ。
だって女の子なんだから。
悩み多き、願い事多きな乙女なんだから、うん。
そう勝手に納得していると、優香が急に手をつかんできた。
驚いて顔を向けると、優香はいつの間にか僕の方に顔を向けている。
その顔は少し緊張していて、そして気のせいか、頬が紅い。
なんかこう……妙に色っぽいような……。
「ど、どうしたの?」
なんとか平常心を保って言葉を呟いたつもりだが、果たしてどうなのだろう。
心なしか声のトーンが普段じゃ出せないほど高くなっていたような気がする。
「……あのね、最後の願い事は、優君の手を繋がないと駄目なの」
そう僕に対してか、それとも自分に対してか、よく分からないが強く言いあげると、再び星空に顔を向けなおした。
流れ星が走り出す。
優香は、小さく、でもしっかりと、呟いた。
―この繋いだ手と手が、いつまでも離れませんように。
今日はいつもと違う夜空。
人と同じく星達も嬉しいのか、僕達の願いをいたずらに何処かへと持ち去っていく。
願わくば、その願いを成就の元へ運んでくれますように。
いや……なんていうか、読み直してみると「これはひどい」の一言しか浮かびませんね。
ただ、恋愛モノは好みというか、自分に合う気がするので、これからもちょこちょこ書いていこうと思います。
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それでは、拙い文章を最後までお読み頂きありがとうございました。
どうぞこれからもご贔屓に(ぉ