★登場人物(番外編最後までのネタバレあり)★
※結婚などによって所属国が変わったキャラは、移住先の所属に入れます。
※()内の年齢は、「首刎ね騎士」終了時のもので表記します。
よって、「廃品王子」のキャラは本編より+2歳です。
死亡済みのキャラは享年で表記します。
○エンフィールド王国
【王族・元王族】
マリーアンナ・アナスタージア・アディンセル(38)
エンフィールド王国女王。ボブカットにした赤茶色の髪に、緑の目。
母はアディンセル公爵家に降嫁した元王女で、両親は前国王への反逆の罪を着せられて処刑された。以後、公爵家の遠縁の者に匿われて育つ。
叔父の暴虐っぷりに耐えかね、革命軍を結成。自ら剣を取り、戦場に立った。
美しくもたくましい女戦士で、敵には容赦しないが味方には甘いところがあるので、夫のテレンスがうまくサポートしている。
カミラを含めた三児の母。
テレンス・アディンセル(40)
エンフィールド王国王配。少しくたっとした黒髪に、灰色の目。
マリーアンナの夫で、魔道士。元はアディンセル公爵家の家庭教師の息子で、エレンの母の弟。公爵家没落の際にマリーアンナと共に逃げた。
マリーアンナの即位により王配になり、苛烈な女王の横でにこにこ笑っていることが多いが、妻に逆らう者は彼によって消される。
エレンやシェリルたちにとっての魔法の師匠。
ハロルド・マーティン・ストックデイル(没・50歳くらい)
エンフィールド王国先代王。
ウォーレスとエグバートの父で、マリーアンナの叔父。
ろくでもない暴君だったが、エグバートが生まれる前後くらいはまだましな時期があった。
フィオレッラ・ストックデイル(没・30歳くらい)
エンフィールド王国先代王妃。
ベルニ王国の公爵家出身で、エグバートの母親。
儚く美しい佳人だったが、辛い結婚生活を送る。息子に魔力がないと分かっても愛情をもって育て、エグバート5歳の頃に病没した。
墓は、夫たちとは少し離れたところに建っている。
マーガレット・ストックデイル(ミルワード)(40代後半くらい)
エンフィールド王国先代妾妃。青みがかった黒髪に、茶色の目。
下級侍女だったがハロルドのお手つきになり、ウォーレスを生んだ。王妃フィオレッラに長らく子が生まれなかったので、妾妃として優遇される。
朗らかで愛らしいことでハロルドに愛されたが、実際は意地が悪い。エグバートにとってのトラウマ。外面がとてもいいので、取り巻きが多い。
国王と息子の戦死後は、療養ということで王都の隅で暮らすが、エグバートが男爵令嬢と結婚したと聞き、擦り寄ってきた。旧王国派と手を組み、エグバートの王家復帰を狙ったが失敗し、投獄された。
ウォーレス・レナード・ストックデイル(没・26)
エンフィールド王国元第一王子。
エグバートの3つ上の腹違いの兄で、母は妾妃マーガレット。自分には魔法の素質があったので、王妃の子であるが魔道士になれないエグバートを馬鹿にしていた。
革命軍の前に破れ、父もろとも戦死した。
【キャラハン侯爵家】
オズワルド・ニコラス・キャラハン(没・50代半ばくらい)
キャラハン侯爵。茶色の髪に青の目。
寡黙で冷静な人間だったが、アデーレとの結婚生活を送るにつれて優しくなり、妻を心から愛するようになった。
三男ジャレッドには複雑な思いがあり、妻の死をきっかけに豹変してしまい、革命の際に処刑された。
アデーレ・キャラハン(没・30歳くらい)
キャラハン侯爵夫人。赤金色の髪にハシバミの目。
元はフィオレッラと同じベルニ王国出身で、主君と一緒にエンフィールドに渡り、ハロルドの命令でオズワルドと結婚させられる。
最初のうちは夫に冷たくされたが、次第に愛情を育むようになる。三男ジャレッドの出産後、死亡する。
夫や息子たちの行く末を知らない彼女は、幸せだった。
レイモンド(没・30歳くらい)
キャラハン侯爵家子息。赤金色の髪に青の目。
弟思いの優しい少年だったが、父親に引きずられてしまい、革命の際に処刑される。
エドガー(没・20代後半くらい)
キャラハン侯爵家子息。茶色の髪にハシバミの目。
無邪気な少年だったが、父親に引きずられてしまい、革命の際に処刑される。
ジャレッド・エマニュエル・キャラハン(25)
キャラハン侯爵家子息。粋に整えた茶色の髪に青の目。
エグバートの学友で、騎士。王子であるエグバートにも気さくに接していた数少ない人。
誕生時に母アデーレが死んだため、父や兄たちから嫌われて育つ。母の侍女からエグバートのことを聞いており、会えることを楽しみにしていた。
革命時に実家から離れてエグバート個人に付き従う。その後、再編された騎士団に勧誘されてディーンの部下になった。
エグバートとシェリルを守るためにシェリルを誘拐しており、王都から追放された。
その後の行方は、明らかになっていない。
【ウォルフェンデン男爵家】
ディーン・ウォルフェンデン(35)
ウォルフェンデン男爵。硬質な癖のある黒髪に、緑の目。
シェリルの父方の叔父で、シェリルの両親の死後は姪を引き取り、妹のように面倒を見てきた。
革命軍でも随一の剣の使い手で、戦績を称えて女王マリーアンナから騎士団長の位とウォルフェンデン男爵の名誉を授かり、シェリルを正式に養女とした。
寡黙でかなり顔が怖い。
娘婿のエグバートのことを最初は警戒していたが結局波長が合い、よい関係を築いている。
シェリル・ウォルフェンデン(22)
ウォルフェンデン男爵令嬢。腰までの長さの豊かな濃い茶色の髪に、ヘーゼルの目。
エンフィールド王国の地方出身で、19歳の時、叔父のディーンと幼なじみのアリソンと共に革命軍に加わる。革命後、ディーンの養女に迎えられて男爵令嬢となる。
20歳の時、投獄されていた「廃品王子」と呼ばれるエグバートとの結婚を命じられる。
優秀な魔道士だが、攻撃魔法を使うよりも魔法理論を研究して様々な魔法を編み出す方が好き。
エグバート・ウォルフェンデン(ブレンドン・ストックデイル)(26)
ウォルフェンデン男爵令嬢の婿。少し癖のある鮮やかな赤金髪に、青の目。
王妃・フィオレッラの子だが魔道士の才能がないこともあり、父王から冷遇されて育つ。本人はひたすら武術を習い、廃嫡されても騎士としてやっていけるように鍛錬してきた。
繊細な顔つきだが体は鍛え上げられている。父王と兄ウォーレスが死に、従姉にあたる王女マリーアンナの即位により廃嫡された。
実直で紳士な、騎士の鑑のような青年だが、真面目すぎてかえって滑稽になるところも。恋愛事には不慣れで、一生懸命勉強しようとする可愛い面もある。
シェリルのことが大好き。
【市民階級】
リンジー(25)
ウォルフェンデン男爵家に仕えるメイド。
主にシェリルの身の回りの世話を担当する。男爵令嬢夫妻の恋愛がらみについてもサポートする、頼りになるお姉さん。
○リュドミラ王国
【王族】
ローベルト・アドロフ(36)
リュドミラ王国国王。
アドリアンの父。息子の妃になったカミラだけでなく、エレンたちの将来のことも考えてくれる寛大な人物。
甥のボリスの死で心を痛めているが、自分を責めるミハイルのことも気に掛けてくれていた。
アドリアン・アドルフ(14)
リュドミラ王国王太子。短い銀髪。
ローベルトの息子で、ボリスの従弟。政略結婚としてカミラを妃にすることになり、ツンデレを発動させつつも周りの協力を得ながら、少しずつ関係を築いている。
自ら頼んで、ミハイルに剣を教わっている。早く身長を伸ばしたいらしい。
カミラ・アドルフ(レジーナ・アディンセル)(15)
リュドミラ王国王太子妃。赤茶色の巻き毛に、灰色の目。
エンフィールド女王マリーアンナと王配テレンスの第一子で、エレンの従妹にあたる。物心付いたときから地方住まいだが、王族としての教養は叩き込まれていた。
優秀な魔道士だがそもそもの体はあまり強くなくて魔力も不安定になり気味なので、エレンの作る薬を愛用している。しっかり者だが、少々夢見がちなところもある。
【王族兄妹】
ボリス・アドロフ(没・20代前半くらい)
リュドミラ王家の縁者で、カヴェーリン公。
かつて祖国がエンフィールド王国の圧政のあおりを受けていたため、ローベルトの命を受けて革命軍に協力。ミハイルたちを連れて軍に加わった。
その後国に戻るが、旧エンフィールド王国軍の残党の攻撃を受けて死亡する。
とても気さくで部下想いの人物。ミハイルとは立場を越えた友人の間柄で、彼の忠誠心を一身に受けていた。
エレオノーラ・アドロフ(18)
リュドミラ王国の縁者。美しい白金色の髪。
ボリスの妹で、敬虔で大人しい姫。兄の死後はカヴェーリン公の継承権を放棄し、リュドミラ教会に身を寄せていた。一時期カミラの魔法の先生になっていた。
兄のことを心から慕っており、兄の腹心の部下だったミハイルのことも認め、最初はエレンとの結婚も祝福した。だが兄のために剣を振るうミハイルを快く思っていたので、エレンと結婚したことで死を恐れるようになった彼に落胆し、精神魔法で「自分の理想とする、ボリスの忠実な部下」であるミハイルに戻らせようとした。
事件の後、辺境の修道院に入れられた。
ミハイルへの恋愛感情はない。略称は、エーリャ。
【グストフ家】
ミハイル・グストフ(22)
リュドミラ王国の騎士。少しだけふわっとした灰色の髪に、赤茶色の目。
3年前の王位継承革命にも革命軍に協力して参戦した際に、エレンと知り合っている。当時の彼は少々気難しいところがあり偉そうな感じがしたが、根が真っ直ぐで忠誠心に溢れた好青年だった。
剣を捧げていた主君・ボリスが旧エンフィールド軍の残党の手に掛かって死亡してからは生きる意味を失い、前線部隊の切り込み隊長として激しい戦いに身を投じていたため身も心も荒び、誰にも心を許さない手負いの獣のような性格になってしまった。
再会したエレンとひょんなことから結婚し、彼女に叱咤されたりビンタされたりした末、過去や死者の声から解放され、前を向けるようになった。
わりと俺様だが、エレンには精神的に頼っている。愛情表現がすごいらしい。
略称は、ミーシャ。愛称であるミーシェニカは、本当に大切な人にだけ呼ばれたいらしい。
エレン・グストフ(オールディス)(19)
リュドミラ王国の魔法薬師。艶やかな黒髪に、濃い紫の目。
母は高名な魔女だったがあまりその才能は受け継がず、従妹カミラの魔法薬師として仕えている。
地方都市で両親やマリーアンナたちと一緒に暮らしていたが、父は革命軍結成前に国王軍に殺され、敵討ちに行った母もその後戻ってこなかったので、叔父一家に育てられた。
エンフィールド王位継承革命で女王マリーアンナの部下として参戦しているが、非戦闘員なので後方支援に努めた際、ミハイルと知り合っている。
しっかり者で、聞き分けの悪い子には拳で教育する。
ミハイルの妻として、リュドミラを自分の生きる場所に定めた。
【市民階級】
アリソン(ラトリッジ)(23)
リュドミラ王国の女性騎士。波打つ金髪。
カミラの輿入れに伴ってリュドミラに渡った従者の一人で、シェリルとは幼なじみ、エレンとは革命戦争時代からの仲間。
男口調で話す、凛とした美女。カミラの従者の中でも年長で、恋愛に関する知識は豊富。
自分よりも強い男と結婚することを夢見ていたが、リュドミラ騎士団部隊長にぼこぼこに伸されたことをきっかけに、交際するようになる。
フェドーシャ(17)
グストフ家で住み込みで働くメイド。黒みがかった銀髪に緑の目。
エレンのためにミハイルが雇った。ぎこちない感じの夫妻をサポートする、よき理解者。




