地獄で出会う少女達 5 悪女に蹂躙される双子
ヘルに首をつかまれたネロとアルは聖女から与えられた地獄の剣が砕け絶望に染まる。
「あれ~~? もしかしてその程度の闇で私を殺せると思ったの~~? かわいいけど、私に刃を向けたお仕置きをしなきゃ♪ 頭ぐりぐりかな? それともお尻ペンペンにしようかな~~」
二人の少女の首を絞めながら余裕で話すヘル。今からこの双子でどう遊ぼうか考えているとネロがヘルの手にかみつく。
「ごのっ!! ごのぉ!!」
「黒い方は生意気ね。いいわ、白い方で遊びましょうか」
反抗的なネロを放り投げたヘル。地面に転がり絞められていた首をおさえてせき込むネロ。
「げほぉ!! げほぉ!! あ、ある…」
武器を失いそれでも妹のために立ち上がるネロ。だが、愛しい妹は邪悪な女の手により両腕をへし折られてしまった。
「ぐぎやぁぁぁ!! ぐぇぇぇぇ!! 」
「いい声ねぇ…次は足も折って…動けなくしたら私の椅子にしてあげる。私、疲れちゃったからいいよね」
アルを放したヘルは地面に倒れたアルの背中に乗る。そして、アルの両足をまるで木の棒を折るかのようにへし折ってしまった。
「うぎゃぁぁぁぁ!! あ、あぁぁぁ!! い、いだぁ!! あじっ!! あじがぁ!! ね、姉さまぁぁぁ!!」
「うん♪ やっぱり若くてかわいい子の椅子はいいわね~~地獄に来て久しぶりにいやされたわ~~」
両手足をへし折られて泣き叫ぶ少女を椅子代わりにするヘル。
妹を傷つけられ怒りと殺意にネロは武器もなしに突進した。
「やめろぉぉぉ!! アルから離れろぉぉぉ!!」
ヘルに向け拳を振るう。だが強力な斥力が起きて拳はヘル届くことはなかった。
「ざんね~ん。私にはねぇ、この聖なる衣があるからな~んにも攻撃が当たらないのよ。」
かつてジャンヌが神から与えられた聖なる衣。着ている者をあらゆる攻撃や毒から防ぐこの衣もせいで地獄の闇も魔法もヘルには届かない。
「それにしても地獄の闇を人間に渡すなんて…あの元聖女様は何考えてんのかな? 誰かを救えなかった罪亡ぼし? それとも自己満足? なんにしても、地獄を支配しきってると思いこんでる馬鹿ジャンヌは死んでも馬鹿のままねぇ。ははははっっっ!!」
ヘルは双子の前でジャンヌを侮辱した。自分達を救い復讐の機会を与えてくれた恩人の悪口を言われ、双子の表情が激しく歪みヘルを冷たい目で見る。
「なぁに、その目は? もっとお仕置きが必要みたいね?」
椅子にしているアルの頭をつかみ地面に叩きつける。顔中が傷と血だらけになり、目の前で妹が傷だらけになってネロが必死に手を伸ばすがヘルに近づけない。
「アル!! アル!! くっ…この悪魔っ!!」
「ねぇ、さま…」
既に虫の息のアルを見てヘルは楽しみ、妹のために必死になっているネロに向け、邪悪な提案をささやく。
「ねぇ? この椅子そろそろ壊れそうで座り心地が悪くなってきたわぁ。 これの代わりに、椅子になってくれない? 」
「なぁ!?」
無惨な姿で椅子にされている妹を見てネロは震えた。まるで、生前自分達を見世物として戦わせてきた汚い大人達以上に邪悪なヘルに恐怖を感じてしまっていた。
すぐにでも妹を助けたいとネロは返事を返そうとしたが、傷だらけで虚ろな目をしたアルと目が合った。
「ねぇ、さま…」
アルはわずかに首を横に振り助けを求めなかった。ジャンヌを侮辱したヘルを許してはいけない。双子の心は一つとなりネロはヘルに向け吐き捨てた。
「あなたの言う事なんて、聞いてたまるか…」
「ふぅん? そう? 私の遊び道具になれば楽に死ねたのに…」
ヘルの手に地獄の闇が生まれ、椅子にしていたアルに触れる。
「きゃぁぁぁぁ!!」
地獄の闇により体が消滅していくアル。
「私の言うことを聞かない子なんていらないわ、せめてかわいい悲鳴をあげて消えなさい」
地獄の闇をネロにもぶつけ、ネロの体も消滅していく。
先にアルの方が消滅してしまい、残ったネロは地面に這いつくばりヘルを最後まで睨み続けた。
「ゆるさない…あの方を…聖女、様をばかにした、あなた、は絶対に…」
「はははっ!! 最後に言うのがそれでいいの? 地獄の闇で消されたら生き返ることはできないのよ? 体も記憶も魔法も全て消えて無に還る。全て失うだけよ?」
ネロの言葉をあざ笑うヘル。ネロの顔は悔しさでいっぱいで涙が浮かび消滅する寸前に「聖女様、ごめんなさい」と心の中でつぶやき、消滅してしまった。
「あっははは!! どいつもこいつも聖女、聖女って!! おっかしいの!! あの小娘は所詮、天国の神に使われたパシリなのに!! あ~あ、地獄も久しぶりに帰ってきて堪能したけど…」
顔を上げた先には天国へと続く階段があった。
「天国でいっぱい楽しみたいわねぇ…」
リグと義賊達そして双子を消滅させた悪女は魔法で浮かび天国への階段へ向かった。




