地獄で出会う少女達 3 暴漢者たちの終わらぬ罰
リグと双子により集落を襲撃した暴漢の一団は壊滅した。
地獄の剣によりハーピィやウンディーネ。ドワーフ達は消滅した。残ったのはリグが首だけ残して放置したエルフ達と人質だった女性たちにリンチにされたボスドワーフ。そして、暴漢一味の中で荷物持ちをしていた男達だけだった。
集落の人間達は暴漢一味に対して容赦のない罰を与えた。
まずは荷物持ちをしていた人間の男達。同族に対し「裏切り者」と罵声を浴びせ作物を育てるのに使う農具で何度も殺した。
「や、やめでぇぐれぇ!! 俺たちもあのドワーフ達に脅されて仕方なかったんだぁ!!」
暴力を受け言い訳するが、暴漢一味の男達はこれまで何度もおこぼれをもらい、甘い汁を啜ってきた。今度は今までのツケが回り永遠に苦い汁を飲まされることになる。
貴重な畑を荒らされたため、作物を育てるため裏切り者どもは縄で厳重に縛られて地中深く埋められた。その上に畑が耕されて数日後には地中に埋まっている男達に栄養を吸い尽くし作物が育った。
地中にて作物に栄養を奪われ餓死する男達。地中の中で蘇るが縄で縛られ動くことができず、地上にある畑のために終わらない餓死地獄を受けていた。
そして首だけとなったエルフとボスドワーフは集落の中心に吊るされていた。
「くそぉ…なんで、なんで死んでも体が元に戻らねぇんだよ!!」
ボスドワーフは集落の人間の暴力を受け何度も死んだが体は戻ることはなかった。
地獄の剣により消された体は戻ることはなく、首だけの彼らは集落の人間達のはけ口として毎日暴力を受けていた。
「このクソドワーフがぁ!! よくも殺してくれたなぁ!!」
「エルフも魔法が使えるからって調子のんな!!」
集落を破壊され殺された怒りをぶつけられ、首だけのエルフ達は「ごめんなさい」「もうゆるしてぇ」「やめてぇ」と泣きわめくが暴力は止まらない。
吊るされた彼らは逃げることができず暴力の痛みと空腹による苦しみを襲う。
生前から暴力で他人の物を奪い欲を満たして、地獄に堕ちてからも同じことをしていた彼は逃げる事のできない報いを受けていた。
放置されて餓死しようが舌を噛みきり自殺しようが死んでも首だけの状態で蘇る。
数えきれないほどの死を繰り返したボスドワーフとエルフ達の目には生気がなく「からだ…かえしで…」「やめでぇ」「ころして」と不気味な声でつぶやいていた。
ボスドワーフ達の無惨な姿を見れば、先に体を消滅させられたハーピィ達の方がまだましだったかもしれない。
そして、集落を救い暴漢一味を壊滅させたリグと双子の3人は集落から離れた所にいた。
地獄の剣でドワーフ達を消滅させたことから集落の人間達に怯えられ、中には地獄の剣の剣を奪おうとする者もいたため3人は逃げてきた。
「そう…聖女様は私たちをあの糞溜の闘技場から救ってくださったのです!!」
「私とネロ姉様に地獄の剣を与えてくださって….だから、私たちはこの聖女様の創り出されたこの世界で必要ない汚物を消すことにしたんです!!」
天国への階段がよく見える丘にて双子の話にリグは頷くしかなかった。
双子は生前少女を集めた闘技場で見世物として戦わされていた。しかも妹のアルは薬で精神を壊されたまま姉のアルと戦わされて二人とも死んでしまった。
二人は死んだ後で地獄でジャンヌと出会い、復讐の機会を与えられ闘技場を支配していた者や好きで殺しをしていた闘士らの手足を消滅させた。今も戦うことができず支配者たちは灼熱の火山の中で檻ごと溶岩の中で沈んでいる。
リグの方も生前義賊をしていて、自分と仲間を殺した大臣に復讐し終えて仲間探しの旅をしていたのを話した。ネロとアルに仲間に会ってないか聞いてみるが、これまで消滅させてきた罪人多すぎてわからないと聞いてリグは考え込むが。
「まぁ、あいつらはいきなり人を襲うような事はしないから…大丈夫か…」
リグの仲間たちはいきなり子供を襲うような事をしない。むしろ、ネロとアルを見かけたらおそらく食料を分けたり助ける者ばかりだった。
ひとまず安心するリグだが、すぐにその場から離れることができなかった。
(仲間を探す前に、この二人の話が…)
目を輝かせながら自分達を救ってくれた聖女について熱く語る双子に相槌を打ち、リグはいつ終わるか分からない双子の話から逃げることができなかった。
(…あぁ、ある意味これは地獄だ…)




