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ジャンヌ孤児院 8 聖女の傲慢


 突然強力な地震により倒壊してしまったジャンヌ孤児院。


「「う、うぁぁぁぁ!! ゆれるぅぅ!!」」


「「きゃぁぁぁぁ!! おもちゃが、つぶれちゃぅぅ!!」」


「「うぁぁぁん!! おうち、こわれちゃった!!」」


 亡者達は孤児院の残骸を泣きながら集めていた。

 そんな亡者達を空から眺めている人物がいた。


「うぁ!! 何? 子供? 気持ちわるっ…」


 白い衣を着た青い髪の女。かつて国王ガエルと教王ブオウと共謀しジャンヌを陥れたヘルだった。


 ヘルは倒壊した孤児院を見て何かを思いだす。


「あぁ、そういえば…ここでも奴隷を買ってたわね…あの眼鏡から…げっ」


 ヘルが嫌な顔をすると、倒壊した孤児院の中から改造ジンバイが出てきた。


「「ぎゃっははは!! まほうだぁ、まほうでそらとんでるぅ!! おれ以外に魔法を使うやつは、ブチころしだぁ!!」」


「「ひっひひ、ぶちころしぃ。ぶちころしぃ!!」」


 ジンバイとマザーが狂った声を出す。改造されて理性を失っても魔法が使えなかった頃のコンプレックスが残っていたジンバイ。翼を広げ高速で飛びヘルに向け火水風土などあらゆる魔法が襲いかかる。


「「ぐへへへ!! どうだぁ!! おれさまのまほうはぁぁぁぁ!!」」


「「どうだぁ、どうだぁ!!」」


 大量の魔法を受けるがヘルは無傷だった。

 

 彼女の着ている純白の衣。「聖なる衣」はかつてジャンヌが神より与えられた道具であり、衣を着ている者をあらゆる攻撃から守ってくれる。


 「きもいんだよ!! 私に触れるな!!」


 ヘルは怒声を上げ改造ジンバイに向け手を向ける。ヘルの手から漆黒の闇が生まれた。闇は改造ジンバイを覆い、醜い肉塊が消滅していく。


「「きゃっははは!! きえてるぅ!! おれのからだが、きえていくっぅ!! きえで、ぐぅ、おで、のからだ…」」


「「あっははは!! くろいの、こわぃ!! こわぃ、こわ…ぃ」」


 闇により改造ジンバイは消滅した。


「くそぉ!! くそぉ!! 気持ち悪い!! かわいい女の子がいると思ったら不細工な亡者と肉塊しかいなかったじゃなぃ!! 」


 悪態をつくヘル。生前、教会で少女を奴隷のように扱ってきた彼女は地獄でもお気に入りの少女を探していた。


 倒壊した孤児院から戦争ごっこをしていた大人達が出てきて、改造ジンバイを消滅させたヘル見て「聖女様だぁ!!」と叫んだ。


「へ、ヘル様!! どうか俺たちを助けてくださぃ!!」


「怪物どもに、私たち何度も殺されてきたんです!!」


「ど、どうか!! 我らをお救いくださぃ!!」


 大人達は皆聖女であるヘルに対し、救いを求めた。

 人族を見下していた他の種族達も地面に膝をついて涙を流しながら救済を求めた。


 だが、ジャンヌを陥れた偽りの聖女であるヘルは無表情で、


「はぁ、なんであんたらみたいなゴミを助けなきゃいけないの? そいつらと遊んでればいいじゃない」


 と言い放ち手を軽く振るう。すると、泣き叫んでいた亡者達がピタリと泣き止んで、大人達を見る。


「「あそぼぉ!! あそぼぉ!!」」


「「うわぁ~い。バラバラのぐちゃぐちゃにしちゃぇ~~」」


 先ほどまで戦争ごっこを楽しいでいた亡者達は大人達を蹂躙し遊び始めた。

 

「あ~あ、だめね。ここ、大人しかいないわ」


 少女がいないとわかるとその場から去っていくヘル。

 ヘルの背後から「助けて聖女様!!」「見捨てないでぇ」と声が聞こえたが、数秒後には断末魔へと変わった。


「はぁ~~天国にいくついでに可愛い女の子も持っていこうと思ったけど…なかなか見つからないわね~~」


 お目当ての物が見つからずため息をつきながらヘルは地獄をさまようのであった。



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