ジャンヌ孤児院 7 戦争ごっこ
「「せんそうごっこ~~」」
「「せんそうだぁ~~」」
「「みんなで、ころしあいだぁ~~」」
5つの種族たちが亡者から与えられた武器を手にして別れていた。
亡者達が次に考えた遊びは「戦争」だった。各種族同士で戦争し、最後に残った種族を孤児院から出し自由にすると条件をつけてきた。
「「いきのこるのはどれかな~~?」」
「「ドワーフがつよいから、ドワーフだよぉ~~」」
「「エルフだって「まほう」つかえるよぉ~~」」
亡者達はどの種族が勝つが話し合う。
一方で戦争に勝てば自由と聞いて大人達は信じていなかった。
だが大人達は所詮亡者にとっては「玩具」であり、玩具はただ遊ばれるしかない。
「「それじゃ、せんそうかいしぃ~~」」
亡者の合図と共に戦争ごっこが開始された。
最初に魔法も筋力も平均である人族が狙われた。人族のほとんどは精神は崩壊し廃人と化しているため、魔法や石。飛んできた硬いおもちゃの餌食になり死体が増えていく。
暗黒時代でも弱い人族は他種族から見下される傾向が強く、ジャンヌはこの差別を無くそうと命をかけて闘い続けたが、最終的には人族に裏切られ処刑された。
「いやだぁ!! たたかいたくなぃ!! せ、聖女様!! 聖女さま、たすげでぇぇぇ!!」
「あぁ…どうか、神様…ジャンヌ様…我らをお助けください…」
まだ人族の中にはまだ精神が壊れていない者もおり、ドワーフやエルフの暴力を受けて助けを請う。
だが、その神が選んだ聖女に対し石を投げた罵声を浴びせた彼らに救いの手は現れなかった。
人族の大半は滅ぼされ、次はエルフとドワーフ同士の戦争が起きる。
「この馬鹿筋肉のドワーフがぁ!! 生き残るのはわれら優れたエルフだぁ!!」
「この貧弱エルフどもがぁ!! 今日こそ俺らの手で骨も肉も引き裂いてやる!!」
多彩な魔法と剛腕により投げられた石やおもちゃが飛ぶ。
実は暗黒時代が始まる前はこの2つの種族は仲がよかった。ドワーフはエルフのために生活用品を作り、エルフはドワーフのために魔法で助けていた。
だが、誰が言いだしたのか「エルフはひ弱」「ドワーフは馬鹿筋肉」と悪口が広まり種族間の中が悪くなった。
一方でハーピィ達は残った人族をいたぶりながら脳筋肉と頭でっかち(エルフ)が共倒れするのを待っていたがウンディーネの奇襲を受け水と風がぶつかり合う。
「この魚が!! 私たちの狩を邪魔してんじゃないわよ!!」
「鳥どもがぁ!! 俺たちを見下してんじゃねぇよぉ!!」
空からいつも自分たちを見下して「魚」と呼んでくるハーピィに対しウンディーネらは怒っていた。逆にハーピィもウンディーネに「鳥」と呼ばれ激怒していた。
差別や殺戮が横行し戦争が続いた暗黒時代が始まる前までは5種族達はお互いを憎むほど嫌ってはいなかった。
だが、ドワーフを奴隷にして兵器の開発やハーピィの乱獲。ウンディーネの住処の水が汚されたなどあらゆる事件が起き怒りや憎しみが爆発して暗黒時代が始まった。
「「あぁ~~にんげん、しんじゃった…」」
「「ん~~なんだか、ものたりない…そうだ!! いんちょうせんせいをだそう!!」」
亡者達が戦争ごっこを盛り上げるため何かを思いつく。
数秒後、戦場に2つの首を持つ肉の塊が降臨した。
「ぎっひゃははは!! おれの魔法の的になりたいやつはどいつだぁ!!」
「うひゅぁぁぁ!! ひぃぃぃぃ!!」
肉塊の正体は亡者達により改造されたジンバイとその相棒であるマザーだった。
肉の塊にはあらゆる種族の手足や羽と尾などついており、異形な化け物を見て絶望の声が上がる。
「に、にげろぉ!! あの化け物だぁ!!」
「くそぉ!! あんなの出すなんて聞いてねえぞ!! この悪魔ども!!」
「う、うぁぁぁぁ!! ま、また殺されるぅぅぅ!!」
戦争ごっこはたった一体の化け物の登場で虐殺へと変わった。
肉の塊から発せられた強力な魔法はエルフの体を一撃で消し炭にしてドワーフの強固な体皮や貫通した。さらに、肉の塊につけられた無数の羽により高速で動くことができ、逃げるウンディーネやハーピィに追いついて捕獲する。
捕獲された者は肉の塊についてあるドワーフの腕にて無惨にも体を引き裂かれ殺されてしまった。
「「すごぃ!! さすが、ボク達のりきさく…ん?」」
ジンバイの虐殺中に亡者達が周辺をキョロキョロし始めた。次の瞬間、強力な地震が起きジャンヌ孤児院は倒壊した。




