ジャンヌ孤児院 5 道連れの火種
これは、アーナが地獄に堕ちる前の話。
若いハーピィ達の間で流行った「的あて」遊びで地上を歩く人間に向け石を投げ楽しんでいた。
「やった!! 私の落とした石が人間に当たった!!」
アーナが落とした石が人間の女性の頭にぶつかり倒れる。
そばにいたまだ幼い少女が「お、おかあさん、い、いやぁぁぁ!!」と母親の遺体を抱いて泣き叫んだ。
「おまけもいるかぁ!! そいやぁ!! ビィーさんたちに自慢できそう!!」
泣き叫んでいる少女に向け思いっきり石を落とした。頭から血を流し少女は倒れ、上空にいたアーナと目が合う。
「や、やめて…おねがい…」
「ちっ!! まだ生きてたかぁ!! けど、これでとどめぇ!!」
少女の泣きながらの命乞いの言葉を無視し石が落とされ少女にとどめを刺す。
「ふぅ~~一発で殺せなかったなんて知られたら、笑われちゃうところだった…」
始めは的あてで殺人を犯し後悔と恐怖を感じていたアーナだった。しかし、周りのハーピィ達が殺した数を競い合うようになった。周囲の流れに乗ってしまい10人殺した頃には感覚が麻痺して罪悪感なくなっていた。
△
話は現代へ戻り、アーナはドワーフ達に蹂躙されていた。
「あ…がぁ…」
「へっ!! もうくたばったのかよ…まぁ、そこそこ楽しめか」
全裸で翼を引きちぎられボロボロになり捨てられたアーナ。
ドワーフ達はアーナで遊んだ後、赤いビー玉を見つけるため火薬を掘る。
「「はぁ~~ドワーフすごかった!!」」
「「エルフもウンディーネもひきちぎっちってて、とてもちからがつよい!!」」
「「ほかのあそびは、もうあきたから」」
「「せんそうしよう!! せんそう!!」」
「「せんそう!! せんそう!!」」
ドワーフの虐殺が気に入ったのか亡者達が次の遊びについて話あっていた。
「へぇ、戦争かぁ…」
「この化け物どもに殺されるぐらいなら、他の奴らを殺した方がマシだなぁ…」
血の気の多いドワーフ達は亡者達の言葉に同意しつつ、次々と青いビー玉を掘り出していく。邪魔者がいなくなりしばらく掘り進んでいると赤いビー玉を見つけた。
「あった!! あったぞぉぉ!!」
ドワーフ達は赤いビー玉を見つけ盛大に喜んだ。これで自分達だけが助かるとお互いに抱き合う中、半死のアーナは恨みの目を込めてドワーフを睨んだ。
(ぐぞぉ…ごいづら…)
身も心も弄ばれボロボロにさせられ悔し涙を流した。
(ごいずらだげは、ぜっだぃ、ゆるざない…)
ドワーフ達だけは絶対にゆるさない。このままあいつらだけ助かってたまるか。
心の中で恨みの言葉をはきながらアーナは這いずって、人間の男の死体へと手を伸ばす。その死体はアーナの前でマッチに火をつけ脅しディーネにより溺死させられた男の死体だった。
(こいずらだけ、楽にさせでだまるがぁ…ゆるざさい、ゆるさない…わたしと同じ、苦しみをこいつらに…)
男の死体のそばに落ちていたマッチの箱を取りドワーフ達を道連れにすべく折れた腕に力入れて弱々しくマッチをこする。
「あぁ? ちっ!! まだ生きてたかぁ!! お前はもう飽きたから、これでとどめぇさしてやるよ」
マッチをこするアーナに気づいたハンマーを持ったドワーフが近づく。
「馬鹿だなぁ、火薬は湿ってんだ。そんな火をつけても意味ねぇんだよ…ん?」
ドワーフの一人が火薬に触れ震えた。湿っていたはずの火薬がいつの間にか乾いていた。
先ほど、亡者が飛んでいたハーピィを落とすために近づけたマッチの火のせいで火薬が乾いてしまっていた。
普通一度濡れた火薬は使い物にはならないが、地獄の火薬は水に濡れた程度ではダメにはならない。
「お、おぃ!! そいつを早くころせぇ!! 火薬が、火薬がぁぁぁ!!」
ドワーフの誰かが叫ぶ中、アーナの頭にハンマーが落ち頭蓋骨をつぶした。
だが、死の寸前でアーナの願いが届いたのかマッチに火種が生まれて次の瞬間。
ドォォォォン!!
バケツの中にあった火薬が全て爆発しビー玉や網も全て粉々に吹き飛ばしてしまった。
「「うぁぁぁ!! すごぃ!! はぜちゃった!!」」
亡者達がアーナの起こした道連れの大爆発に大喜びした。




