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ジャンヌ孤児院 3 命がけの宝さがしゲーム 

 双六に飽きた亡者達はコマである大人達を殺した後外に出る。 

 

「「つぎはどんなあそびする~~?」」


「「~~ふつうのばくさつごっこは~~あきたな~~」」


「「だったら、たからさがしゲームしよぉ!!」」


 孤児院の外には自由は存在しない。

 敷地内には大人と昆虫を戦わせる「たたかいごっこ」の砂場。さらに、爆殺用や花火で使う火薬が置かれた火薬庫があった。

 

「「わくわく、どきどきの死のたからさがし~~」」


 亡者の一人が巨大なビー玉を取り出した。大量の火薬を入れた底の浅い巨大バケツに真ん中が赤いビー玉を入れその上に火薬をかぶせる。さらに、他にも真ん中が青いビー玉も入れ同じように火薬をかぶせた。

 

「「は~い、じゃ、あそぼうぁ~~」」


 おもちゃ箱を持った亡者がバケツの上で箱をひっくり返す。おもちゃ箱の中には各種族の大人達が入っていた。

 バケツに大人達が入れられすぐに逃亡防止用の網がバケツの上に置かれた。


「あ…いやだぁ…どうして、わたしが、こんな…」


 バケツに張られた網を見て柄の悪いハーピィの女が膝を折り泣き出した。彼女の名前はアーナと言い、今も剣山地獄で苦しんでいるハーピィのビィーの子分の一人だった。

 

 ビィーが始めた「的あて」で上空から硬い物など落とし笑いながら子供を傷つけてきた罪で今度は自分が遊びの玩具になってしまった。


 他にもアーナの隣で泣き崩れている年を取ったウンディーネの女性がいた。

 名前はディーネ。他種族を溺死させる遊びをしていた族長デシの母親だった。


「たすけでぇ、デシ…母はここにいるぞよぉ…」


 既に息子は泥の底に沈められているとは知らず、いつか息子デシが助けてくれると信じていた。何も聞かされず連れてこられた大人達はどんな苦痛と死が待ち受けているのか恐怖で震えていた。


「「は~い、たからさがしだよ~~」」


「「わくわく、ドキドキ!!」」


「「このビー玉をみつけた、しゅぞくだけが」」


「「たすかる、しのたからさがしゲーム!!」」


「「もし、みつけられなかったら~~」」


 バケツに埋めたのと同じ真ん中が赤いビー玉を大人達に見せた。


「「どぉん!! はぜろぉ~~」」


 奴隷商のお頭が口にしていたのと同じことを言い、バケツに閉じ込められた大人達はやっと自分たちの足元にある黒い砂が火薬だと気づいた。


「う、うぁぁぁ!!」


「ばっ!! やめろぉ!! うごくなぁ!!」


 火薬だと気づいて騒ぎ出す者や、火薬に刺激を与えないように暴れた者を取り押さえた宝さがしどころではなかった。


「あぁ、やだぁぁぁ!! だしでぇぇぇ!! もう、死にたくないぃ!!」


 アーナは泣き叫びながら網にしがみつく。鋼鉄の網はハーピィの鋭い爪や風の魔法では破れない。他の大人達もいつ爆発するかわからない火薬の砂場から逃げようと網を破ろうとした。


 だが、亡者の一人が火のついたマッチを網に寄せ警告し始める。


「「はやく、たからさがししてぇぇぇ!! でないと、もうばくはつさせるよぉ!!」」


「「あかいビー玉をみつけた、しゅぞくだけがたすかるよぉ!!」」


「ひぃ、ひぃぃぃ!! わ、わった!! わかったから!! 火をこっちに近づけないでくれぇぇぇ!!」


 亡者の脅しが効いて網にしがみついていた大人達は慎重に火薬を掘り始めた。

 

 がさつで力自慢のドワーフや魔法頼みのエルフたちもいつ爆発するかわからない恐怖で手でゆっくり、ゆっくりと掘る。


 逃走をあきらめたアーナも足を動かし火薬を掘り出すが、彼女の目の前にいた人間達は顔を蒼くして目が正気ではなかった。


「あぁぁ、はぁ、あっはははは!! どうせ、みんなしぬんだぁ!!」

 

「こんなことしても無意味さぁ!! どうせ私たちは、あの化け物のおもちゃなんだから!!」


「うひやぁぁぁ!! あっははは!!」


 これまでの死の遊戯で精神が壊れた人間達が笑い、泣き叫び狂いながら火薬の上で暴れた。


 彼らは既に自分たちにはもう助けも希望もないと悟っていた。彼らの中には唯一自分だけこんな悲惨な目にあっている。周りの者にも地獄を与えてやると「恨み」と「道連れ」しかなかった。


「お、おいぃ!!やめろぉ!!爆発するぞぉ!!」


「く、くそぉぉ!! 脆弱な人間どもがぁ!!」


 人間以外の種族たちが悪態をつきながら、狂った者達を止めに入る。


 最初は言葉での説得をしていたが、火薬の上にいていつ爆発するかわからない状況で止める側も余裕などなく、狂った者達を殺し黙らせていく。


「あ、あぁぁ…」

 

 目の前で行われている殺戮をみてアーナは腰が抜けた。


「いっ!! ひっひひひ!! これ、みろよ…これで、みんな、しぬんだぞぉぉ…」


 アーナの目の前にいた人間の男がマッチを取り出し火をつけた。

 マッチ棒をつまみいつでも足元に落とせるぞ。とアーナを脅し始める


「ひぃ!? や、やめろぉ!! そんなことしたら、あんたも死ぬんだぞぉ!!」


「ひっやははは!! どうせ、死んでも生き返るんだろ? おまえらハーピィはいいよなぁ? ぴゅ~てとんでにげれんだからよぉぉぉ!!」


 非力な人間は基本的の他の4種族から「脆弱」と見下されていた。魔法の血がない男は見下された鬱憤を他種族の子供に向け石を投げて晴らしていた弱者だった。

 

 そして、地獄に堕ちても男ができることは自分を見下している者達を道ずれにすることだった。


「おとすぞぉ~~みんな、しぬぞぉ…ごぼぉ!! げぼぉ!!」


 男に向け強烈な水が襲いかかり男はそのまま大量の水を飲んで溺死した。


「はぁ、はぁ…この、人間ごときが…」


 手から水をたらすディーネ。

 アーナは溺死した人間とディーネを見て恐怖で震えた。


「あ、あぁぁ…ひ、ひと、ころし…」


 アーナは思わずつぶやき、ディーネに睨まれる。


「小娘が、そのような目で、わらわをみるな!!」


「ひぃぃ!!」


 プライドの高いディーネの怒りを買い、ディーネが水魔法で攻撃しようとした瞬間。


「あ、あったぞ!! たからだぁ!!」


「くそぉ!! そいつをよこせぇ!!」


 宝さがしをしていた者たちの声と殺し合いの音が聞こえた。

 


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