表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/103

ジャンヌ孤児院 2 絶望の双六

 地獄のどこかにあるジャンヌ孤児院。

 

 生前、子供に危害を加えた者が集められ巨大な子供の亡者に「遊戯」の玩具とされ終わらない責めが与えられる。


 今も死の双六でコマにされている大人達。

 子供の亡者がサイコロを振り、コマは言われたとうにマスに進む。


「「え~と次は、ドワーフのコマ~~」」


「ちぃ、この化け物ども…」


 反抗的な目で亡者を睨みながらドワーフの女は5マス進む。

 すると、鉄砲のおもちゃを持った亡者が引き金を引いた。


「「じぶんでつくったぶきでやられる。いっかいやすみ~~」」


「はっ?」


 パンッ


 グチャ


 名前も知らないドワーフの女はおもちゃの銃から出た鉄球に当たり肉塊と化した。

 ドワーフの女は戦時中に自分で制作した武器の試しのため、捕虜の子供を傷つけ殺してきた罪人だった。


 次のサイコロが振られ最初に一回休みで亡者に手で潰され蘇った人間の女性の番だった。


「「え~と、ぬすみをはたらき、うでをうしなう」」


「は?」 


 亡者が人間の女性をつかみ左手をちぎり始める。


「いやぁぁ!! やめでぇぇ!! ぎゃぁぁぁ!!」


 ブチッ ブチッと嫌な音を立てて女性の左腕が引きちぎられマスの上に無造作に置かれた。その後も双六は続き、高温度の窯の中に入れられたり、床に叩きつけられ生前子供を傷つけた罪人たちを痛めつける


「「ね~なんだか、すごろくあきちゃった…」」


「「え~あといっかいでおわりだよ?」」


 ゲームは進み左手を失った人間の女はゴールの近くにいた。後、サイコロを2、3回振ればゴールできる距離までおり、人間の女は左腕を失った痛みでマスの上に這いつくばっている。


「あと、すこし…わ、わたし、自由になれる…」


 開かれた孤児院の玄関口とそこから見える光を見て女の顔に希望の表情が生まれた。

 あの扉まで行けば自由になれる…そう思っていたら背後から死の苦痛に叫ぶウンディーネの声が聞こえた。


「「そらからやりがふってきた~~」」


「「くしざし、くしざし~~」」


「ごぶぇ、げぶぅ…」


 頭から背びれの先まで槍が貫通し、女ウンディーネはそのまま死んだ。


「あ、あぁぁ…」


 人間の女は恐怖で震えた。ゴールのまであと7マス。サイコロを最低2回は振らないとゴールまで辿りつけず、その前に悲惨な死か苦痛が待ち受けていた。


「おねがい、もういたいのはいや...」


 自分の番が来て亡者がサイコロを振る。出た目は6。


「「あ~~6だぁ~~」」


 亡者が動かない人間の女をつかみ6マス進めた。


 ゴールまであと1マス。次にサイコロを振れば確実に上がれ、女はこの孤児院に堕ちてから初めての笑顔になった。


(や、やった…あと一回、あと一回で私は自由になれる…)


 目の前にあるゴールマスと開かれた扉を見て、残された右腕を伸ばす。


「「え~と、さいしょのマスにもどる~~」」


「「あ~~!! せっかくゴールまできたのに~~」」


「「ざんね~ん」」


 亡者の言葉に女は僅か希望から地獄の底へ叩き落とされた。


「へ? は…?」


 女は亡者の言っていることがわからず呆然としていると、亡者につかまれた。


「い、いやぁぁ!! なんでぇ? なんでぇぇ? いやよぉぉぉ!!! もう

ゴールなんでしょぉ? 私、自由なんでしょぉぉぉ? いやぁぁぁぁ!!」


 せっかく苦痛と死を繰り返し自由まであと一歩の所まできたのに、一番最初のマスに戻され女は赤子のように泣きわめいた。


「いやぁぁぁぁあ!!! 私は自由になりたいのぉぉぉ!! こんなのいやぁぁぁ!!」


 希望を打ち消され錯乱した女は玄関に向け走った。しかし、玄関の扉は閉ざされてしまった。


「「おばさんうるさぃ~~」」


「「もう、すごろくあきたから、や~めた~~」」


「そ、そんなぁぁ!! お、お願い、私を外にだしでぇぇぇ!! もう、ここはいやだぁぁぁあ!!」


「「もう、うるさ~い!!」」


 人間の女は亡者の足に踏まれて死んだ。他のコマの大人達も「飽きた」の一言で踏みつぶされて死亡する。


「きゃははは!! そと!! おそとぉ!! おそとがいぃぃ!!!! 」


 踏まれて死んだ人間の女は生き返るが精神は崩壊していた。

 

 生前、自分が面倒だからと遺棄して最後まで泣き叫んでいた赤ん坊のように泣き叫ぶことしかできなくなった。


「「つぎはなにしてあそぶ?~~」」


「「じゃあ、またばくはつであそぼう~~」」


 双六に飽きた亡者達は新しい遊びを思いつき、大人達が入ったおもちゃ箱を持ち施設の外に出た。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ