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少女闘技場 9 復讐の始まり

「はぁ、はぁ…」


「大丈夫、アル?」


 マネに止めを刺して息を荒げるアルに抱き付くネロ。


「大丈夫、まだ闘いは終わってないから…」


「アル…」


 本当はアルには天国にいて欲しのだが、先ほどマネが短銃をネロに向けた時は危なかった。とっさにアルが剣を投げマネの足を傷つけ注意をそらしてくれなかったら返り討ちになっていたかもしれない。


これから先、火山とジャングルを抜けてきた多くの罪人がやってくる。

地獄の剣があるとは言え、ネロ一人だけでは返り討ちに合う危険があった。


二人はしばらく見つめ合い、覚悟を決めた。


ネロは蹂躙され見世物にされた復讐するため、アルはそんなネロを支えるため。

双子の長い復讐の闘いは、火山の殺し合いを勝ち抜き、ジャングルの植物たちの襲撃を運よく抜けた者達を何度も返り討ちにした。



「ひゃっひゃ、うっひややや!!」


 双子に殺され火山の檻の戻ったマネに待っていたのは地獄より過酷だった。

 まず、マネに殺された者や復讐心を抱いていた者達による暴力による報復。両手両足のないマネは逃げることもできずなぶり殺される。


 薬のせいで正気を失い、生き返っても常に激しい激痛で叫び続けることしかできない。


「ヘルさま~へるさまどこぉ。いたいのぉ、みんないじめでぇ、いだぃのぉ!!」


頭の中にヘルのことが残って心の中で助けを求めるが、当の本人は一度もマネの前に姿を現すことはなかった。


「うっせんだよぉ!! この女!!」


「ぐげぇ!!」


 かつて戦場で手柄を立て貴族に成り上がった、見た目10代の少女がマネを蹴り、他の中身が男や年をとった女性らもマネを殺害した後、殺し合いを開始した。


「く、くそぉ!!! お、檻が!! うぁぁぁぁ!!」


 戦闘経験のある者同士で決着がつかず、マネの入った檻は溶岩の中に沈んだ。体を焼かれても、次の瞬間には檻と共に復活し何度も生き残りをかけたバトルが火山で繰り返されるのであった。



「うぉぉぉぉ!!!!!」


 闘技場でハンマーを持ったドワーフ少女リキがネロに襲いかかる。

 火山の生き残り戦とジャングルのサバイバルを乗り越えたリキ。

ネロに生前両腕を切り落とされた恨みを晴らすべく殺意がむき出しだった。


「ねぇ、なんであなたはここにいるの? あなたも、彼らに囚われて戦わされてたのに?」


「はぁ!! んなもん、決まってんだろうが!! 戦場が私の生き場なんだよぉ!! 」


 ドワーフの傭兵として生きてきたリキにとって闘いは生活の一部であり、戦うこと以外の生き方などできなかった。


「私が人間の!! おまえみたいなひ弱な奴に負けたなんて!! 屈辱なんだよぉ!!」


 ネロをハンマーで潰そうとし、ネロはひらひらドレスを揺らしながら回避する。


「そう、あなた…自分の意思で戦っていたのね…」


「何をごちゃごちゃと!! とっとと死ねぇ!!」


リキも自分と同じ被害者だと思い、もしかしたら救えるかもしれないと期待していたが、

ネロは残念な表情になり、折れた細剣を収め地獄の剣を取り出す。


「武器を変えたぐらいで」と嗤うリキだが、次の瞬間


「うがぁぁぁ!! うでがぁぁぁ!! くそぉ!!」


地獄の剣でハンマーごと両腕を切られ、痛みに油断したところで、


「さようなら」


 ネロが短く伝え地獄の剣でリキの首を切り落とし、闘い好きのドワーフ少女の魂は消滅して二度とよみがえることはなかった。 


「はぁ!!」


「ぎやぁぁ!!」


「くそぉ!! このガキがぁ!!」

 

ネロがリキと戦っている間、他にも闘技場にたどりついた少女達と戦っていた。

妹であるアルも始めはネロと共に長い地獄の中戦闘経験を積んで、地獄の剣で次々と罪人たちの魂を消していた。


「あの剣だ、あの剣を奪え!!」


ネロとアルの持つ地獄の剣が危険だと察した中身男の少女らは距離を離し魔法で攻撃する。双子の剣を奪い後は数で責めれば勝てると判断したが、次の瞬間、腕や足が地面に落ちていた。


「へ、えぇ…?」


「ぎゃぁぁぁぁ!!!」


 アルの手にある地獄の剣の刃が伸び、少女達の魔法をかき消しながら体の一部を切り落とし消滅させた。


「ふぅ!!」


アルを囲っていた少女にネロも地獄の剣の刃を鞭のように伸ばし、アルが切り残した首以外の部位を切って、マネのように手足を失った少女達が地面に転がった。


手足を失い抵抗する手段を失った元観客や好んで殺し合いをしていた少女らは痛みや絶望に叫ぶしかできなかった。


「あなたたちにも」


「永遠に逃れられない苦痛を」


 マネと同じように狂化薬を飲まされ最後には細剣で止めをさされる。生き返り手足のない状態で蘇った彼女達は火山の殺し合いで生き残ることはできず、未来永劫殺されるか焼かれるかしかなかった。


 アルとマネは自分達を見世物にした貴族や闘技場関係者の手足を切り、薬漬けをひたすら繰り返した。生前、マネが大量に量産させた狂化薬が残っていたおかげで、火山とジャングルを抜けて来た罪人全員に飲ませることができた。


 そして、火山の中にある檻の中には、双子により殺され生き返った両手足を失い精神が壊れた罪人の少女達の無残な姿があった。


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