少女闘技場 5 姉妹の最後
「ひやっはは!! エルフのおねぇさん、すごっくささりやすぃ!! えぃ、えぃ!!」
狂化薬でおかしくなったアルはエルフの少女を刺し殺した後、魔法で浮いているウンディーネやドワーフ少女の頭や胸を剣で刺して遊んだ。
新たにフィールドに入れられた少女達の中で薬を投与されたのはアルだけで、他の少女達は死体に怖がり逃げた。
「あ、る…なんで? やめて、やめさぃ!!」
逃げる少女達を追いかけるアルに声をかけ止めに入るネロ。だが、アルはネロに剣を向け、双子の剣が交差する。
「アル私よ!! ネロよ!! もう戦わなくていいから、お姉と一緒に帰ろ!!」
「えぇ? お姉ちゃ~ん? アルと戦おう!! えぃ、えぃ!!」
強化された肉体から繰り出される剣にネロのドレスや体に傷ができる。
可愛らしかったアルの無残な姿に観客と特等席にいるヘルらをにらんだ。
「やめてぇアル!! 私達が戦う必要なんてないのぉ!! お願い、やめてぇ!!」
ネロの悲痛な叫びは観客やヘルの刺激をそそるだけだった。妹のために戦う健気な姉の姿にマネは心の中で成功したと確信した。
(さぁどうする? 自分の命を守るために最愛の妹を殺すか? それとも、妹のために殺されるか…どっちにしても、これでヘル様を満足させることができる)
フィールド内で説得しながら防戦する姉と精神が壊れ闘う妹。
既に剣にヒビが入り強力なアルの攻撃を受け続け剣が折れて、体力が限界に来ていたネロの方が膝をつき、そこにアルの剣先が迫り。
「ぐぅ…ある…」
剣先が胸を貫いて血を吐くネロ。
「あ、ネロ、姉さま…?」
「だいじょう、ぶ…こんなところで、戦わなくて良いから、お姉ちゃんと、いっしょにかえ、ろ…」
ネロはアルを抱きしめ、血を吐きながら話す。
先ほどまで狂い笑いしていたアルは静かになり、倒れて息絶えた姉の姿を見て
「いやぁぁぁぁぁ!!!!!! ネロ姉さまぁぁぁ!!」
薬の効果で理性を失っていたはずのアルがネロの名前を叫んだ。
既に息絶えてしまった姉の体をゆするが返事がない。
フィールドではネロが殺され、双子の良い闘いに満足する者がいればこれからアルが残りの少女達を殺戮する姿を楽しみにしていた。
「お姉、さま…」
アルは涙を流しながらネロを刺した剣を自分の胸に刺した。
アルはそのままネロの隣に倒れ双子の姉妹は地獄から解放されぬまま命を落とした。
「あれ? せっかく姉の方を殺したに自害しちゃった…ねぇ、ちゃんと薬使ったの? もしかして、薄めてずるとかした?」
途中まで楽しんでいたのに、アルが正気に戻り自殺したことでマネに非難の目を向ける。
マネは必至にちゃんと投与した事を告げ、次の闘いも薬で投与した少女達がいますのでと告げ、フィールドに狂った少女達が入り、残った少女達を蹂躙した。
「ふぁ~~まぁ、いっか…飽きたら別の世界で暇潰しを探せばいいし」
ヘルはつぶやきくがマネはその言葉の意味が理解できなかった。
双子が死んだ後もこの地獄の闘技場で犠牲になる少女は増え続けた。中にはネロとアルのように肉親同士で戦わせて観客達を盛り上げるなど悲劇が行われた。
そして、世界が地獄に飲まれ観客達とマネの地獄が始まろうとしていた。




