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少女闘技場 2 戦わされる少女達。

 ジャンヌが暗黒時代を終わらせて平和な時代が訪れると、権力者たちは暇を持て余していた。

 

 金と権力にまみれた者達はかつて戦時中に使われた砦の地下へ降りていく。

 

「いやぁぁ!! ごのっ!! しねぇぇぇ!!」


「や、やめで、ごろざないでぇ!! ぐぇ…」


 地下の中心に檻に囲まれたバトルフィールドが設置され、ドレスや下着に近い少女達が武器を手に戦っていた。

 

 ここは地下闘技場。元々は戦争が終わり職を失った女性の兵士や傭兵たちがその日の暮らしのために戦っていた場所だった。どの女が勝つか大金を賭け、負けた女の悲惨な姿を見て加虐心を満たす欲望の掃き溜めだが、いつしか少女を戦わせる地獄と化していた。


 フィールドにいる少女達は家の都合で売られた子や、誘拐されてきた少女らばかりで傷つきボロボロになる姿が見たいがために、着たくもないドレスや下着に近い衣装を着て戦わされていた。


「いたぃ、いたいぃ…たすけぇ、姉さま…」


 フィールドの中に白い髪と白ドレスの少女が血だらけの顔を両手で抑えて倒れていた。

 

 少女の名前はアルと言い、とある貴族の令嬢だったが突如没落し家族とバラバラにされた。双子の姉と共にこの欲望にまみれた闘技場に連れてこられ闘いの見世物にさせられていた。


 戦った事のないアルはすぐに、他の少女達から標的にされ武器で切られ、顔を殴られ見世物にさせられているストレスを発散するためボロボロにされた。


「姉さま、姉さま…….ぐぇ!!」


「おらぁ!! じゃまなんだよ、このゴミ!!」


 下着に近く褐色肌のドワーフ少女がアルを蹴り飛ばし檻に激突した。

 アルのドレスの下は既に痣や内出血だらけで、ドワーフ少女の蹴りのせいで骨も折れてしまった。


(やだぁ、いだぃ、いだぃ…たすけて…ね、ろ…ねぇ、さま…)


 全身の痛みにアルは気絶してしまった。

 一方で、アルを蹴り飛ばしたドワーフ少女リキは愛用の巨大ハンマーで次々と少女達を蹴散らしていく。


「こ、こなでぇ!!」


 皮膚を大きく露出した衣装のエルフ少女らが突進してくるドワーフ少女に向け魔法を放つ。

 だが、放たれた魔法は小さくハンマーの一振りで消され、ハンマーを振る度に悲鳴が増えていく。


「はっはぁ!! 歯応えがねぇな…ちぃ!!」


 ドワーフ少女ことリキの頬をかまいたちが切り頬から血が出る。上を見ると檻に当たるギリギリまで飛んでいるハーピィの少女が上空からかまいたちを放ちリキをひたすら攻撃する。


「このぉ人殺し!! 死んじゃぇ!! 」


「くそぉ!! 鳥女がぁ!! 叩き落してやる!! おらぁ!!」


 殺害した少女達が使っていたナイフや手斧の武器を拾い、ハンマーで打ち上げた。


「ひぎぃ、ぎゃぁぁぁ!! つばさがぁ!! うぁぁぁぁ!!」


 勢いよくハンマーで打ち出された斧が翼を傷つけ地面に落下した。そこに、リキがハンマーを振り上げる。


「や、やめでぇ、ごめんな…ぐげえ!!」


「こいつで、ラストォ!!」


 リキの渾身の一撃が地面を揺らし、先ほどまで元気よく飛んでいたハーピィ少女の頭は完全に潰されてしまった


 闘技場には瀕死の少女や死体が転がり、闘いはリキの一方な虐殺で終わった。

 すぐに闘技場のスタッフたちが気絶した少女や死体を回収し、次の闘いの準備に入る。


「おいおい、またドワーフのあいつかよ…確か、傭兵のリキだっけ?」


「もう、ドワーフばかり勝ってつまんないじゃなぃ!! あいつのせいで、賭けてたエルフ殺されちゃったじゃない!!」


 観客達は一人勝ちするリキに文句を口にしていた。闘技場は魔法を放ち遠距離で攻撃を仕掛け るエルフやハーピィらもいるが、強固な体を持つドワーフが有利だった。


 白兵戦に持ち込めば、リキに右に出る者はおらず頭や骨を砕かれ再起不能になった少女は多い。観客や支配者の中にはドワーフ族だけハンデとして手足を一本切るか、重りをつけた方が良いのではと意見も出るほど、ドワーフの勝率が高かった。


「さぁて、次はマシなの来てくれよぉ!!」


 これまで戦場で共に駆けてきた巨大ハンマーを持ち上げ叫ぶリキ。幼い頃から戦争で闘い、傭兵として名を上げた。強い敵に出会い戦える喜びを得て戦闘中毒となり、退屈な平和よりも、この闘技場で戦えることの方がリキにとって幸せだった。



「ま~た、あのドワーフの一人勝ち…つまんない…」


 フィールドや観客を見渡せる特等席でワインを片手につぶやくヘル。

 ワインを一気に飲み干すと、隣で控えている眼鏡をかけた女マネがさっさとワインを注いだ。


「そ、そうですね…あのドワーフには手足を切ってハンデを考えております…そうだぁ、先日ヘル様が下さった薬。あの薬を投与した者をぶつけてみましょう」


 闘技場の支配人であるマネはひたすら主であるヘルの機嫌を取ろうと必死に説明するがヘルはあまり聞いていない。 


 それでもマネは戦わせる少女の数が増えたのはヘル様のおかげ。使えない少女はヘルから与えられた薬の実験に使えてますと告げる。


「ねぇ、それいつ見せてくれるの? 私、退屈なの大っ嫌いなんだけど?」


「ひぃ!! す、すぐに準備させますので、お、お待ちください!!」


 ヘルが「はいはい、わかったから」と手を振りシッシッと振り、マネは慌てて下がった。

 教会で聖女として君臨するヘル。行き場のない子供達を迎え、麻薬ポーション製作で手を組んでいるキーリスのところに売りさばくなど、邪悪な一面を知る者は少ない。


 もし知ってしまった場合、聖女の権力をフルに使い、社会的にもこの世からも消されるからだ。


「キーリスに頼んだ狂化薬…あれで良い悲鳴と絶望が効ければよいけど…ふぁ~~せっかく退屈な地獄から出てきたのに、また暇になったわね~~」


 ヘルが見下ろす地獄のフィールドに新たなに少女達が入っていた。

 傭兵で百選練磨のリキの前では戦闘経験のない少女達は蹂躙されるだけで、観客達はどうせさっきの試合と同じだろうと見ていた。


 しかし、少女達の中に先ほどリキに蹴られたアルと同じ顔の少女がいた。

 アルと違い黒の髪とドレスを着た姉のネロであり細剣を抜き試合が開始されて数分後、


「ぎゃぁぁぁ!! 腕がぁ、私の腕がぁぁ!!」


  ハンマーを持っていた両腕をネロに切られたリキの叫びが響いた。


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