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閑話 天国の日常

場所は変わり、綺麗な青空に穢れのない湖。白く一切の穢れのない純白の建物や花畑があるここは天国。


 生前、国王ブオウや教王ガエル。そして、今も地獄のどこかにいる悪女ヘルの3人により理不尽で苦痛を受けたまま死んだ者の魂が集まる場所。


 辱めや絶望など悲惨な記憶は亡者となり彼らの中には生前の記憶はない。傲慢な貴族や麻薬ポーションを売るエルフなど平和を乱す者はおらず、皆穏やかに過ごしていた。


 教会で料理を用意するシスター達。彼女達はブオウや権力者達に体を良いように遊ばれたが今は一切の穢れもなく、笑顔に挨拶し合いパンや野菜などを皿に盛りつける黄色髪の少女がいた。


「シーマ、外にいるハーピィさん用のお皿持って行っていい?」


「ありがとうございます。湖にいるウンディーネさんたちの分も持っていきたいので私も行きますね」


 ジャンヌの親友で堕ちたシスターらに殺されたシーマ。教会から次々と料理を運び、全ての種族たちが仲良く食事を楽しんでいた。

 

 地位や権力を振るう者や力で支配する者が一切いないこの世界では戦争は一度も起きたことはない。一切の病や理不尽のない地獄とは真逆の世界で人々は悠久の時を平和に過ごす。


 料理を運び終え、子供エルフやドワーフらの遊び相手になる。シーマは心優しい姉的な

存在で子共から大人まで人気があった。鬼ごっこで逃げる子供達を追いかける内に足を止め空を見上げた。


「…」


「姉ちゃん~~?」


「あぁ、ごめんなさい…えと…今いくわ」


 考えごとをしていたシーマは急いで子供たちを追いかける。小走りで向かう途中シーマは「ジャンヌ」とつぶやき、生前の記憶がない彼女は知らないはずの誰かの名前に子供達が笑顔で遊ぶ中、シーマはずっと浮かない顔だった。


 ジャンヌと言う名の者はどの種族にも者はいない。気のせいだと最初は思っていたが時間が経つにつれてシーマは落ち着かなかった。


(ジャンヌ…あなたはどこの誰なのですか…どうしてこんなにも心が苦しいのですか…)

 

 シーマの視線は足元に向けられていた。地面の遥か下、一切の希望もない地獄の世界では亡者を引き連れたジャンヌが復讐のため進軍していた。


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