差別と理不尽な魔法学院 学園から逃げたゲハは全てを奪われて強酸の雨に溶かされる 5
皆さま、いつも「平和を築いた聖女が貶められ処刑された。 しかし、地獄の主となり平和を貪った者達に永遠の地獄を与える」を読んでいただきありがとうございます。
更新速度は遅いですが、なるべく早く投稿していきますので皆さまよろしくお願いします。
「ガエル様…いつも学園へのご配慮、誠にありがとうございます」
まだ世界が地獄に変わる前の教会にて。魔法学院の校長であるゲハが膝をついて金品と高級ワインを教会の長であるガエルに謙譲していた。
「あぁ」
一方のガエルはジャンヌから奪った白い魔法の杖を磨き、ゲハには興味を示していない。
それでもゲハは自身が教会やガエルに一番利益をもたらす有能者と認められるために、学園の金で献上品を用意し、さらには魔法の血を持つ生徒の名簿まで渡した。
ガエルが魔法の血を持つ者を集めているのは噂程度に知ってはいたが、それがガエルの非道な実験の材料までは知らない。ゲハは満足な顔を浮かべ教会から去る。
「…うるさい虫けらだ…」
ゲハの置いて行った金品やワインをにらみつぶやくガエル。自身の魔法の探求にしか興味がなく、高級な献上品には触れようともしない。そこに、青髪のヘルが来てワインを飲み始めてしまった。
「んっ!! ふぅ~~これ中々の物よぉ? いらないなら私が貰っていいかしら?」
「好きにしろ。それよりも、信者どもの中から血を持つ者の…」
「選別は終わってるわよ~もう、研究室に運んだから後は解剖するなり血を抜くなりお好きにどうぞ~~あっ、そうだ。血を持ってない子は私にくれない? 闘技場で生贄が欲しくてさぁ」
ガエルは勝手にしろとだけ言い、秘密の通路から研究室へ降りていく。
「…ふぅ、愛想がないわね…けど、何も取り柄のない人族があがく姿は美味ねぇ...もう少し私を楽しませてよね、教王さまぁ~?」
ガエルのいないくなった部屋でヘルはワインを飲み干しゲハが持ってきた金品をつかみどこかに行く。そして、地下の研究所にて。
「きょ、教王様!! いだぃ、やめてでぇ!!」
魔法の杖で次々と子供達から魔法の血を抜き取り、干からびた死体の山が築かれていく。
血を全身から抜かれ干からびた肉親や友人の姿を見てガエルにやめるよう声を上げる子供達。戦争で孤児となり教会で引き取って、ガエルの魔法探求の生贄となった哀れな子羊たちだった。
「血だ…もっと血をよこせ…」
右腕に鎖ごと巻き付けている魔法の杖をなで、老年のガエルはどんどん若返っていく。
生者の血を吸い若返り魔法の力を手にするガエルは邪悪な吸血鬼そのものだった。
やがて、ヘルによって用意された子供達から血を奪い青年の姿になったガエルは杖を振るうと、天変地異が起きた。
王国中に地震が起き津波や近くの火山が噴火して大陸中に混乱が巻き起こる。
「ふははは…これだ、エルフですら起こせない天変地異を簡単に起こせるこの力があれば…エルフなど、恐れることはない…」
魔法主義で社会に魔法使い優遇する差別社会を作ったガエルが高笑いし杖を振るい大陸で災害が起きたことで何も関係がない人々に被害が及び、家族や友人を失った者が教会へ足を運ぶ。
そして、ガエルやヘルに利用されて多くの命が弄ばれる悪循環が生まれてしまった。
△
時が変わり、地獄へと堕ちた学園にて。
「き、貴様ら!! 離せぇ!! 私をどこへ連れて行くつもりだぁ!! 私を学園に入れろぉ!! あそこには宝石が、ワインがぁ!!」
白い裸体の亡者達に荷物のように運ばれるゲハ。連れてこられたのはグラウンドで亡者たちはゲハを雑に下ろす。
「ぐぇ!! く、くそぉ!! 貴様ら、私にこんなことして…しねぇ!! 貴様ら全員しねぇ!! しねぇぇ!!」
目の前にいる亡者たちに向け叫びながら魔法を放つ。ファイヤボールやウィンドカッターを亡者にぶつけるも倒れるどころか傷すらつかずゲハは唖然とした。
「ゲ~ハ、ゲ~ハは剥げてる」
「小さく臭い、女の子を奴隷にしてる最低クズ」
「賄賂を渡して教王へ媚びてる~~」
亡者達は口々にゲハの体の悪口からこれまでの悪事を暴露していく。
誰かが聞いていたらまずいと亡者の一人の口をふさごうとして、誰かに頭をつかまれた。
「私があんなに尽くしたのに、生徒への待遇を改善してくれなかった…嘘つきのクズ男」
「ひ、ひぃ!?」
ゲハの残り少ない髪を握っていたのは生前、平民の生徒への待遇改善を訴えていたセレだった。病死して死んだはずなのになぜ…と言葉に出す前にブチッと嫌な音が聞こえた。
「ぎゃぁぁぁ!! か、髪がぁ、私の髪がぁ!!」
「学園に入りたかったらグランド10週しろ」
死ぬ直前まで使い捨てられた恨みや憎しみから生まれたセレの亡者に一切の容赦はなかった。ブチ抜いたゲハの髪を払い、これまで学園で地獄を味わった子供達の記憶から生まれた亡者達がゲハをあざ笑う。
「ねぇ、あのハゲ10週できると思う?」
「無理、無理。あの腹じゃ1週もできないって」
「それに、もうすぐ雨が降るから溶けてなくなるよ」
口々に侮辱の言葉を受けゲハの顔が真っ赤になる。懲りずに魔法を亡者達に放つが「学習能力ないねぇ~~」とさらに笑われるのであった。
「くそぉ!! こ、このクソガキどもがぁ!! フライ!!」
ゲハは飛行魔法で飛び学園から逃げた。魔法が一切効かない亡者達相手に勝てないと判断して当てもなく空を飛んでいると紅蓮の空から雨が降ってきた。
雨はゲハのかすかに残った髪を溶かし、無駄に高級な衣類を溶かしていく。
「な、なんだこれは、ひりひりして…ひぃ!?」
皮膚が解けていき顔や指先の爪がはがれ血が止まらない。
「いだぃ、あ、雨が、この雨のせいかぁ…」
強力な酸性雨により顔の半分が焼かれ、地上に降りたゲハは自身の頭上に魔法の壁を張る。だが、見えない魔法の壁も雨に打たれ続けてボロボロになる。
「くそぉ、この、このっ!!」
壁を何度も張り直すが、死の雨の勢いは強くなりついには張りなおした壁が10秒も持たずに溶けてしまった。
「いだぃ、あづぃ!! 誰が、誰が私をたすけろぉ!!」
衣類も装飾も全て溶けて全裸のまま溶けていく。そこに、空から人が降りてきた。
「なんだ、学園の方から何か来たと思えば…」
白い魔法の杖を鎖で右腕ごと縛った青年。ゲハよりも何十も魔法の壁を張り雨から身を守っている青年はこれまで魔法の血を杖に啜らせ若返った教王ガエルだった。
「な、なんだ、きさま…わ、私をたすけろ…私、は教王、ガエル様の一番の、はいか…だぞぉ…」
「貴様など知らん」
魔法の杖をゲハの頭に突き刺し魔法の血と記憶を奪う。
「ぎゃぁぁぁぁ!!!!!」
「…学園にもあの白い化け物どもがいたか、しかも魔法が効かぬとは…」
ゲハの記憶から亡者達の情報を取り、体内の血を絞りとりどこかへと去っていく。
そして、残されたゲハはそのまま強酸の雨の中皮膚や骨など全て溶かされ死亡するも、学園で生き返る。
「ほらぁ、走れ、走れ!!」
「まだ一周もできてないわよぉ!! 雨でまた溶けて死にたいのかしらぁ!!」
グランドを全裸でトロトロと走るゲハ。周りの亡者達からヤジを飛ばされながらも太った体を揺らして走る。
「ひぃ、はぁはぁ…こ、ここはどこ…? なんで私はこんなところで…ひぃ、あ、雨が、いやだぁぁぁ!! お願いします、あの建物に入れてくださぃ!!」
ガエルにより血を抜かれ魔法を使えなくなったばかりか記憶を失い、自身が魔法学園の校長だった事すら分かってなかった。唯一覚えているのは、強酸の中体の全てが侵された痛みと恐怖のみでぽつぽつと振り出した雨に恐怖して亡者達にしがみつく。
「さわんじゃないわよ、このハゲがぁ!!」
「ぐげぇ!!」
生前一番犠牲になったセレが手にしていたワイン瓶でゲハの頭を殴った。
校長室にあったゲハのお気に入りのワインで、既に髪の毛がない頭部に瓶の破片が刺さる。
「ご、ごめんなさい…ひぃ!! 雨が、雨ががぁぁぁ!! うわぁぁぁぁ!!!!!!」
強酸の雨が降り始め、魔法も記憶も失ったゲハが溶かされてしまった。
その後も学園や体育館で地獄を受けている者は誰一人も解放されることはなかった。
△
「やはり私の杖を使っていたのですね、ガエル」
地獄の底にいたジャンヌが飛んで移動しているガエルをにらむ。
ガエルはこれまで魔法の杖を使い、亡者から姿を隠し地獄の罰を魔法で防ぎ次々と魔法の血を人々から奪っていた。
自分が未だに地獄にいる事など知らず、魔法の探求のため血を欲するガエルにジャンヌは怒りを露わにしていた。
「よくもシーマをあんな目に…ガエル、あなたには必ず裁きを下します…」
国王ガエルの次に裁きの対象となったガエル。ジャンヌの瞳はガエルと、かつてガエルの実験により強化されたシスター達の一人がいた魔法封じの間が映しだされていた。




