差別と理不尽な魔法学園 電気椅子と永久のテスト地獄 3
「もう、いや…」
学園の屋上で一人涙を流す少女。教師と貴族の子女にテストを0点に改ざんされた彼女だった。習っていない箇所を出されテストで頑張っても全て最低の評価にされ周囲から馬鹿にされて心が限界だった。
同じ平民の子たちは自分達が標的にならないように彼女を助けず、いじめに加担して完全に孤立させられてしまった。
「…」
彼女の手元から本来高得点だった0点のテスト用紙が風で飛び、彼女の体が屋上から下に落ちた。
彼女の自殺はすぐに噂になるが、成績で妬みを持った生徒はざまぁみろと笑い、彼女を助けずにいた平民のクラスメイトは次は自分が標的になるんじゃないかと自分のことしか考えず生贄になった彼女の死を悲しまなかった。
「テストの点数ごとこきで自殺か、ずいぶん貧弱だったな…」
「いやぁ、あいつの死に顔見たかったのに…これからもよろしくお願いしますよ、先生?」
成績やテストを改善した男教師と彼女を自殺に追い込んだ貴族生徒の間に大金が積まれていた。ゴミだらけの職員室で他の教師がいるのに堂々と賄賂のやりとりをしてり、もはやまともな倫理など存在しなかった。
「まぁ、生意気な小娘には立場をわからせる必要があったからな…」
男教師は笑みを浮かべ大金を受け取る。
貴族の馬鹿どもと教師の癒着により自殺した彼女はただ勉強したかっただけだった。
学ぶ事を忘れた愚か者どもの地獄は教室で行われていた。
△
「くそぉ!! なんだこれは!?」
「鎖が外れねぇ!!」
自殺した少女の成績やテストを改善した生徒や教師。さらに、普段から差別していた教師や不真面目な生徒らが勉強机と椅子に鎖で繋がれていた。
鎖は魔法で壊れることもなく繋がれた彼らに白く全裸の亡者達がテスト用紙を配っていた。生前、学園の腐敗で苦しんだ生徒たちの記憶から生まれた亡者達を見て彼らは。
「おい!! 平民!! こんな事してタダですむなぉ!!」
「父様に言ってお前の家族を…ぐぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!」
勉強机と椅子から高圧電流が流れ暴言を吐いた生徒たちが黒こげになった。他の教室からも同様の悲鳴や電流の音が流れ、肉が焼けた音と臭いが学園中に流れて何人かが胃の中の物を全て吐き出し全ての教室に恐怖が充満した。
「なん、なんだ…なんなんだ、これは…ひぃ!?」
男教師は黒板に注意事を記入している亡者を見て失禁していた。その亡者は賄賂を受けてテストを台無しにされ絶望して自殺した少女の亡者だった。そして、彼女が書いた黒板には
1 騒いだり不正行為をしたら感電死。
2 テスト中に居眠りした場合も感電死。
3 点数が90以下の場合も感電死で始めから再テスト。
4 テストで全て90点以上取れば解放される
(な、なんであの女が!?)
自殺した少女を見て男教師だけでなく、彼女を妬んでいたクラスメイトたちの顔が青ざめた。
「おい、ふざけんぁ!! この平民女!!」
「ふ、ふざけないでよぉ!! あんた、こんなこと、絶対に、ぎゃぁぁぁっっっ!!」
我を忘れて怒鳴った生徒たちが電気を流され苦痛の声を上げて死んだ。
しばらくして叫べば死ぬと理解し教室内が静まり帰ったところで次々と机の上に用紙が配られる。
(な、あんであの女が生きてるんだ!? そ、そうだこれは夢だぁ…悪い夢だぁ…)
股間を濡らした男教師。これは夢だと思い何度も深呼吸する。心の中で早く目を覚ませ、起きろと唱えていると。
「これは夢じゃないですよ、先生」
「ひぃ!? っ!!」
突如、少女の亡者に声をかけられたが両手で口を押え何とか耐えることができた。
少女の亡者は「これは夢ではない」と忠告した後、全員の机の上に答案用紙を配り回った。
途中、少女に向け罵倒や命乞いをする声が上がるが全員感電死した。
体内から血液が沸騰し、筋肉の全てが針で刺された逃れようもない痛みを受けて、一度死んだ者はこれが悪夢でないと身をもって知り黙るようになった。
10枚以上の答案用紙が全員に配られた頃で地獄のテストが開始された。テストの内容は学院で習う内容で生徒ならともかく、教師なら簡単に解ける問題なのだが。
「はぁ、はぁ…か、かけない…ふぅ、てがふるえてぇ…」
「あっ…ぺ、ペンが…だれか、ペンを拾ってくれぇ…」
電気椅子に座られた状態でまともに問題を解くことができず、死の恐怖に震えて過呼吸になり、ペンを落として一時間以上経っても一問も解けていない者が多かった。
(くそぉ!! こんなのわかるわけねぇだろぅ!!)
男教師に賄賂を贈り少女のテストをダメにした男子生徒が舌打ちをした。普段から真面目に授業を受けていない彼が進級できたのは親の金と地位のおかげで勉強がまったくできない。
男子生徒はポケットからカンニング用のメモを出し答えを写そうとしたところで、
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!!」
不正をしたことで感電死した。答えを書いた答案用紙とメモが灰になり、黒炭になった彼の死体の前に新しい用紙が配られる。
(あ、あぁ、いやだぁ、死にたくないっ!!)
男子教師は目の前でカンニングをした男子生徒の末路を見て必死に問題を解いていく。一枚、二枚と答案用紙を埋めていき、腐っても教師であったため半日以上時間をかけて用紙の問題全てを解くことができた。
(こ、これで大丈夫…これで解放されるんだ…)
地獄から解放されると自信に満ちた表情を浮かべた。だがテストを採点したのは自身が自殺に追い込んだ少女の亡者で男教師が必死で解いた全部の答案用紙に0点をつけた。
「は? え…な、なんでだよぉ!! おかしいだろう!! 俺は全部解いたんだぞぉ!?」
「あたり前だろうが、君のテスト用紙には名前が書かれていない。名前の書かれていないテストは0点だと5歳児でもわかる事だぞ」
死にたくない一心で必死に解いた答案用紙には名前が書いておらず0点だった。少女が生前男教師に吐かれた言葉を彼の声を真似して告げた。
「あ、あぁ…やめて、ごめんなさい、許してください…いやだ、いやだぁぁぁぁ!!!!!」
少女に向け許しの声をあげるがすぐに男教師は黒焦げにされた。
その後も学園中の教室で次々と黒焦げにされていく罪人たち。
真面目に勉強してなかった馬鹿貴族の子供や自殺した少女のいじめに加担したクラスメイトたちは少女のように努力してなかった。そのため全ての教科で90点以上を取れる学力はなく、何度も何度も感電死した。
貴族に加担して不正に手を染めていた教師達はテストを解き90点以上とっても次のテストが待ち受けていた。
テストの内容はエルフやドワーフなど他種族で使われる言葉や歴史。同族でも知られていない民話など学校の授業では習わない内容の問題が出された。
適当に答えても90点以上に届くはずもなく理不尽な問題に教師達は電気椅子に永遠に縛られ続ける。
「こ、こんなもの分かるわけないだろうが…ぎぃぎゃぁぁぁぁ!!!!!」
「た、たのむ。私だけでも点数を…あがぁぁぁぁ!!!!!!」
口答えや自分だけ助かろうと亡者たちに交渉した教師らは黒焦げになった。
そして、少女を自殺に追いやり賄賂を受けったクズの男教師は何度も感電死した。理不尽なテストで全て90点以上取るまで終わらないテスト地獄。何時間も何日も何年もずっと座り続けた疲労やストレスで居眠りして感電死してしまい、誰一人もこの地獄から出れた生徒も教師もいない。
(やだぁ、ねむい…たすけて…あぁ…ぎゃぁぁぁぁ!! いだぃ、ビリビリやめでぇ、もうねせでぐれぇ…)
どんなに頑張っても権力や金で何もかも無駄にさせられた、ただ勉強がしたかった被害者の亡者に監視されながら、勉学に堕落した彼らのテスト地獄は永遠に続くのであった。




