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辺獄の元人間達5 ドワーフと豚 エルフと木の実

 更新遅くなりすみませんでした。地獄の罰アイディアをまとめてプロット書いてたら気づいたら年を越してまして...


 もう少しこの作品を進めてから、短編に出していた人形師の復讐も新しく出せたらと考えてます。


 どうか、よろしくお願いいたします。


 比較的罪の軽い者が集まる辺獄。辺獄は地獄の端にあり冷たく汚い沼の底に沈む事はなければ巨大な豚に調理され食われることはない。


 しかし、恨みが募り荒れた大地には草木も水もなく僅かな食料は非道な魔法使いのシスター達に奪われ終わりのない餓死と生き返りを繰り返していた。


「くいもの…はらへった…」


「くそ…エルフ…ドワーフども…」


 飢えで倒れた人々が目先にある二つの集落に恨みの言葉を吐いていた。

 辺獄ではかつて腐敗した貴族だった者が豚や実のなる木々に変えられ最初に見つめた人族は喜び集落を作った。しかし、魔法に長けたエルフと強靭な肉体を持つドワーフにより非力な人族は食料を奪われてしまった。


 この2つの種族たちは生前から対立しており、草食主義であるエルフは木の実のなる木々を中心に集落を作り、逆に肉食主義のドワーフは豚などの家畜を取り雑なテントを建てそれぞれ生活していた。


「あの貧弱どもぉ!! 今日こそ捻り潰してやるぅ!!」


 生前からドワーフはエルフのことを魔法しか使えない貧弱だと馬鹿にして、逆にエルフはドワーフを何も考えない脳筋だと見下し争いが絶えなかった。


「ふん!! 石しか投げるしか能のない無脳どもがぁ!!」


 ドワーフが太い腕を使って投げた石をエルフが魔法で粉砕。エルフの魔法を自慢の武器で受け止めるドワーフ。ジャンヌが神の命を受け終わらせたはずの異種同士の戦争は辺獄で繰り返されてしまった。


 この場にはいないが、水に済むウンディーネは地上から自分らを見下す他種族を嫌い、族長の息子であるデシは溺死遊戯をしてしまった。他にも空を駆けるハーピィの一部は上空から物を落とし地上に済む者にめがけて岩を落とし的当てまでし始めたがそれは別の話。


 暗黒時代に逆戻りした辺獄には恨み辛みが充満して人々の心はどんどん荒れていく。そして、エルフとドワーフらが所有している食料たちにある変化が起きようとしていた。


「おらおら!! この汚い豚がぁ!!」


「はははっっ!! び~び~~泣いてやんの!!」


 ドワーフの子供達が抵抗できない豚たちをいじめて楽しんでいた。まだ幼いからとエルフ達との闘いに参加できず、血の気の多いドワーフの子供たちは闘いに参加できない鬱憤を食料である豚たちにぶつけていた。そして、その豚たちは辺獄で彷徨っていた元貴族の人間達で、その中にかつて野菜を入れたメイドをクビにして傲慢なふるまいをしていたドッぺもいた。


(やめてぇ、いたぃ、なぐらないでぇ…)


 体中にあざや傷をつけたドッペがドワーフの子供達に力強く殴られていた。始めは人間達に捕まり解体され食べられ、次にドワーフらに暴力を受けた後に食われて終わりのない地獄を受けていた。


 ドワーフ達には聞こえないがドッペ達豚は「食べないで」「殴らないで」「助けて」と悲惨な声が上げるがドワーフには「ブー」と泣き声しか聞こえない。


「くそぉ!! 俺も戦ってエルフ達を捻り潰したいぜぇ!!」


「父ちゃんたちだけ武器を持ってるなんてずるぃ!! 早く俺も武器持って闘いたぃ!!

おらぁ!!」


 エルフ達と戦う父親たちの話をしながらも暴力は続いた。殺してしまっても死骸は食べれるし何度でも生き返る。大人達も子供の暇つぶしにと家畜たちの殺害は許可していた。

 

(いだぃ、ぐるじぃ…なにか、なにかたべさせ、てぇ…)


 ドッペは口から血を吐きながら空腹で腹の音が鳴る。何度でも蘇るからと水も食料も与えられず空腹で動けなくなる。

 ドワーフ達のテントで行われている家畜の虐待が行われている一方でエルフの集落では。


「あの脳筋どもがぁ…どうにか滅ぼすことはできないのかぁ!!」


「そうだぁ、奴らに毒入りの豚を差し向ければいい。何も考えない奴らのことだ、すぐに飛びついて毒に苦しむだろう」


「それだぁ!! よし、毒の調合を…」


 実のなる木の元、エルフ達の醜い話し合いが進む。いかにして肉しか食わない下品な奴らを苦しめるか方法を検討しながら枝から熟した実を引きちぎり口にした。実は何度でも再生でき、そのおかげでエルフ達は飢えることはなかった。


(やめろぉ、エルフども…いだぃ、私の体を、かえせ…)


 実も体の一部であり、引き裂かれる痛みに元貴族たちはエルフ達に恨みの言葉を吐き続けた。魔法が使える略奪者、醜き悪魔、人族から何もかも奪った外道など恨みが募っていった。


「それにしても、最初にここにいた人間どもはどうした? まだ近くにいるのか?」


「そう見たねぇ…私たちからおこぼれでももらえるとでも思ってるんじゃない? まぁ、倒れても魔法の的か、馬鹿ドワーフどもの囮ぐらいには使えるだろうけど…あははっっっ!! 」


 女エルフ達の醜い笑い声を聞き木々にされた人間達の中で巨大な恨みが動いた。


(こいつらを、生かしてはいけない…)


(やつらにもわたしたちと、おなじ、えいえんのじごくを…)


(うばってやる、すべてを…)


 ドワーフとエルフの食い物にされてきた人族の恨みが爆発して、ほんの少しだけ安全だった辺獄が地獄へと変貌していく。


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