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詩のようなものたち

遠くへ

作者: 暮 勇

 いつも言う言葉

「遠くへ、行こうね」

 それはきっと

 叶わない願い


 私の世界は、狭い

 例えば、職場の周辺

 駅から家へと続く道

 本棚だらけの部屋の中

 液晶画面や本の頁

 情報は限られ

 選び取られる

 世界は、狭い


 まだ見ぬ地は

 いくらでも、ある

 それでも液晶画面は

 現実よりも鮮明に

 世界を映し出す

 私は、知らない世界を

 知ることができる


 ”行く”ことは、億劫だ

 顔を整え

 衣服を選び

 荷物を纏める

 家から出るだけで

 なんと億劫か


 ”遠く”へ行きたい

 人も

 物も

 情報も

 空気さえも、届かぬ場所

 きっと何もなく

 何も出来ない

 あっという間に

 命は絶えるだろう


 そんな場所に

「行きたい」

 と言っている

 君に向かって

 真意を伝えず

 何気なく

 何度も


 なんと

 残酷なことだろうか

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