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プロローグ

よろしくおねがいします、ガバガバ見切り発車です

 本は良い、自分だけを現実から別の世界に連れ去ってくれるから、現実のことを考えなくていいし、新しい知識も手に入るし、なにより楽しいから。

 

 私、栗林綾はなんちゃって文学少女だ。なぜなんちゃってかっていうと、本はかなり読むけれど最近はライトノベルや漫画ばかり読んでいるから。もちろんいわゆる文豪だったり古典のようなものも少しは読むけど正直知識だってそこまでないしにわか文学少女もいいところだ。


けれどぱっつん黒髪ロングに特別低くも高くもないけど少し細めの体、そして二年生になってずいぶんと着こなせるようになった高校の制服に袖を通せば見た目は落ち着いた感じの文学少女っぽいオタクっぽい感じになるのだ。


それで図書館や書店なんていけばもう完全に文学少女もしくはオタクだ。というか実際ライトノベルや漫画が大好きなので本物のオタクだ。


文学少女…うん文学少女だから本を読むことは好きだ、今も…また…やってしまった……徹夜で本を読んでしまったのだ…カーテンも扉も締め切って光が外にもれないようにして、ベットで本をだらしない体勢で読む。


これが私の癒やしの時間。金曜日の帰り道に書店に寄り道をして新刊を物色して買って帰る、そして翌日が休みだからって徹夜キメるのだ。


実家、父の経営する栗林歯科の一人娘、母は早くに亡くなってしまったが父はそれなりに大切にそだててくれた、ただ、愛というものを感じたことはない。


父は兄弟みな医者というエリートっぽい人間で私にも勉強はさせた。まあ私はそこのへんはそつなくこなせたので特に何も言われなかった。

 そして読書家の父は誕生日には常に大量の図書カードをくれた。なのでこんだけ本を買えるのだ。おかげさまで私の部屋はちょっとした図書館みたいなすごい量の本で溢れてる。…はあ…電子書籍、ほしいなあ…。


 あ、頭が、ふらふらしてきた。頭がぽわぽわと軽いような重いような…変な感じになるのだ徹夜をすると。でもそんななかで本を読むとよりトリップできて本の世界に没入できるそれがたまらい、もはや読書ドラッグみたいなかんじだ。ああ…読了したし…もうねよ……はひ…〜…そして私は意識を手放した、バイバーイ…





 ハハハ、私め、なかなか今日はトんだ夢をみるじゃないか。眼下には地球?っぽいなんか惑星。緑と青で覆われてるけど知ってる大陸の形がないのでたぶんしらん惑星、知らんけど。

 

 で、私は宇宙空間?っぽいところにいる、体はあるしちゃんと二本の足で立てる。不思議空間だ。と、しばらくボケーっと夢の宇宙の世界を観察していたら目の前の空間がグニャッと曲がった。


 空間が曲がった?そう形容するしかない、なんというか空間がフワァグニャアみたいな感じなのだ。そこから足が出てきた。脚だ、ふとももだ!いいふとももをしてる。流石私の夢。


 出てきたのは女神っぽい人だった、まさに女神っぽいのだ、パツキン白肌ビッグおっぱいの薄い布をまとったTHE女神なのだ。

薄い布の大きく膨らんだところをとりあえず鷲掴みにした。だって私のゆめだし、そこにおっぱいがあるし。


 「アヒンッ」

 ほほう、女神さま意外といい声でなくじゃないか、やはり自分のおっぱいより他人のおっぱいだ。いい、すごくやわらかい、指がしずむ。たのしい、もみもみ。

 

 「貴女はアヒンッ、ここがンッ、どこかアッ」


 うむ、いい感触だ、モミモミモミモモミモミ


 「ちょっといい加減にしてくださいよ!」

 

 怒った、手をはじきとばされた。怒ったといってもかわいくプンプン!って感じでかわいい、はあ女神様いいわあ、ナイスな夢だなまったく。


 「貴女…まさかここが夢だと思ってませんか…?」

 

 ほうほう、これはあれだな異世界物のライトノベルで徹夜キメたからこういうこれから異世界転移がはじまりそうなかんじなんだな。徹夜で読んだ小説もそんな感じだった。


 「うん、夢だと思ってるよ。」


 そう言っておっぱいに手をそっとのばしたら優しく手のひらを握られた、女神様の手、超スベスベ。


 「貴女には謝らなきゃいけないの、結論から言うと貴女死んじゃったわ。」

 

 ハハー女神様、そして私の夢も甘いな、どうせならトラックに轢かれるとこから夢を始めたまえ。


 「あれ?女神様の不注意で的なやつで?私死んじゃった?」


 そういうことでしょう?とりあえずノッてみよう。

 

 「そう、飲み込みがはやいわねさすが、簡単に言うと神様の会合みたいなところで私が地球の神様にぶつかっちゃってそのはずみで…ごめんなさい…」

 

 ははーおっちょこちょいめ。ぶつかって地球だけに被害が出るってことはこっちの神様の方がかなり力がつよいんだろう。交通事故とかもエネルギーの大きいほうが被害小さいっていうしね。


 まあ地球に神がいたとしても現世利益もなにもないからその辺その程度の力だよね、私の夢、なかなかに整合性がとれてるじゃないか。


 「まあいいよ、現世にそこまで未練はないし。それで?転生?転移?させてくれるわけでしょ?」


 まあ、ガッコも楽しくないし大切な人がいるわけでもない、ちょっと本が読めなくなるのは嫌だけど、まあ夢だし。


 「よかった…そう、貴女の魂を、貴女から見た異世界に送るわ。だから、体と記憶は今の死んだ瞬間の貴女そのままになるわ。それと、これは言葉のあやで適切な言い方ではないかもしれないけど、運命のはずみで死にそうな人間のなかでも、せめて一番異世界転移に憧れを持つ人に死んでもらったの。」

 

 ほほーーまあ現実に未練がなくて異世界転移小説読み終わったばかりの私ほど適任な人もいるまい。


 「それで、あんまり大それたことはできないけど、ある程度の望みならできるだけ聞くわよ。」


 おおー定番のチート展開、う〜〜んこれはどうしよう。まあ夢だし適当でいっか。うん


 「最新の電子書籍タブレットがほしいよ女神様。この世の全ての本が読めるというあの伝説の神器がほしい。あと魔法とかあったら使いたい。」

 

 うん、まあもしかしたら現実でも父が買ってくれるかもしれない。半分おまじないだ。あの、電子書籍というのはすごいらしい。なんでも…図書館がうすいタブレットに入っているようなものだ、そんなものがあったらもうタブレットに住める。


 「わかったわ、地球の最新のタブレット、異世界特典ってことで私の世界の本も古代までなら全て使()()()ようにしておくわ。あと充電もしなくていいように便利な魔法パワーで充電不要に。あと、私のせかい魔物とか魔獣とかけっこう物騒だから絶対に壊れないようにしとくわね。魔法もかなり使えるようにしておくわ」

 

 おおー女神様気が利くじゃん、うん、異世界転移っぽい。

 

 「ありがとう女神様、ナイスな気遣いだよ。あと気になったんだけど私の死因って何にしたの?隕石でも落とした?」


 さあ私の夢、ここでもがんばれるか。矛盾で夢が終わるのか。どうなんだろう。


 「ああ、心臓発作よ、隕石なんて落としたら貴女の周りに住んでる人達の運命まで捻じ曲げちゃうじゃない。遺族には申し訳ないけど、それはまあ人は遅かれ早かれしぬわよねってことで。」


 ほう、なかなかな理由じゃないか、心臓発作、徹夜キメてたしワンチャンありえる、うん、私の夢及第点。なかなか楽しかった。異世界に飛ぶあたりで夢さめるやつだなこれは、つまりそろそろ異世界に飛ばされるはず。


 「楽しい第二の人生を楽しんで。貴女を最初に送る場所は遠い昔に地球の日本から転生させた人がいるのだけど彼と同じ場所だから、そして彼はなかなかの有名人だから多少は安心できるとおもうわ。じゃあ、送るわね」


 よしきた、おはよう世界、グッバイ夢の世界だ。

 

 「うん、ありがとう女神様、楽しい夢だったよ」

 

 そう言ったら体が透けてきて…徐々に透けて…意識も透けて消えた…。



「あの子、最後まで夢だと思ってらのかしら…」


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