第26話・石倉城……後の厩橋城!
天文16年1547年8月20日
■甲斐国 山梨群 躑躅ヶ崎館 信之私室
論功行賞が全て終わり信之は馬場信房、春日源五郎、飯富源四郎、工藤昌祐、工藤祐長を引き連れて私室に向かう。すると私室には与力となった上野衆の主な武将が集まっていた。
信之が上座に座り、右側の列が信房たち譜代衆が左側の列に上野衆が並んだ。
「まず集まっていただきありがとうございます。戦の論功行賞が終わり信濃の小諸城、上野の石倉城(後の厩橋城)を貰いました」
『おめでとうございます』
「それでなのだが…、長野賢忠殿!」
「はっ!ここに」
信之が呼ぶと上野衆の真ん中辺りに座る壮年の男性が返事をする。
「お主が石倉城城主だな?」
「はい、某が石倉城城主でございます」
「すまんな、石倉城を私にくれぬか?」
「石倉城を……ですか?」
「あぁ、無論ただとは言わん。賢忠お主を私の譜代衆に加え、代わりに信濃国・長窪城を与える。それと躑躅ヶ崎館の城下に屋敷も作っても良い。費用はこちらで持つ」
「誠でございますか?」
「あぁ、もし私の与力が嫌であれば父上、お館様に願い出て直臣として重臣の列に加わることを約束するが?」
賢忠は暫く下を向き考え込む。
「………分かりました。石倉城を信之様にお譲りいたしましょう。あと私は信之様の家臣で構いませぬ。長窪城の件も了解しました」
「すまない」
「さて上野衆を私が率いるにあたり裏切りは許さぬ。長野業正、賢忠お主達を上野衆の目付に任ずる。」
「「はっ!」」
天文16年(1547年)10月12日
■上野国 群馬群 石倉城
1ヶ月前に信之が上野国へ初入りした。
本拠地を領地としてもらった石倉城とすると信之は早速、石倉城を改修を開始した。
「ここ1月でここまでとは…」
まだ1ヶ月程しか経っていなかったが、空堀は既に完成しており所々、塀も完成しつつある。
本丸は天守閣にしたかったが資金があまり無いので躑躅ヶ崎館と同じように館にした。
「恐らく来月辺りには完成しているでしょうな」
普請を指揮している山本勘助がそう答える。
「流石だな。得意なことだけある」
「いやはや、信之様には敵いませんよ。私が知らない天守閣など聞いたことがありませんからな」
「資金がたまったら勘助殿また築城をお願いします」
「分かりました。某が生きているうちに作らなくては、ワッハハハ…。」
勘助は笑いながら頷くのであった。
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