第14話・家臣団との評定
天文16年(1547)6月12日
■甲斐国 山梨群 躑躅ヶ崎館 三郎私室
三郎の私室に家臣にした6人と、傅役の信房が集まっていた。
「皆に集まってもらったのは他でもない。いよいよ来月に出陣が決まった。それに合わせて私の元服もする」
「いよいよですな」
段蔵は嬉しそうに頷く。
「源四郎、兵の調子はどうだ?」
あらかじめ源四郎と祐長には先月集めた300を預けて鍛えてもらっていた。というか忠実で武田四天王だった2人に訓練される軍とかもはや最強…とは思いつつも頼んだのは自分とやり過ぎた感じかも知れないが強くなる事は悪い事ではない。
「はっ!私と祐長殿で300の兵を半分に分け模擬戦を繰り返し、また河原者など達と山で狩りなどを続け、戦いで使える程まで出来ました」
源四郎が自信たっぷりに言う。
やはり思った通りだ。この2人に任せたのが正解だった。先程も言った通り、後に名将になる人物なのでそのような者達に預ければ兵も自然と強くなるはずだ、1ヶ月足らずで兵を使える程にするとは驚きだ。
「これで私の兵が300、皆の兵はどれくらいだ?」
「では私から」
そう言って名乗り出たのが家臣筆頭であり三郎の傅役、信房だった。
「恥ずかしながら私は20騎なので120です」
確かに忠実では四天王の中で出世が遅かったからな。
「私ですが100騎ですので600です」
「私も源四郎殿と同じです」
源五郎が源四郎の言ったことに同意する。
「我々兄弟は私と弟で2騎、12です」
昌祐が祐長の分も一緒にいう。
「私は一人前の弟子が10名ほど、という事は11という事になりますな」
段蔵が答える。
「私は甲賀からのお付きの忍び10名ほどですので私も含めれば11名です」
千代女が恥ずかしそうに言った。
これで重臣全員の持っている兵の数がわかった。
三郎こと俺 300
馬場信房 120
飯富源四郎 600
春日源五郎 600
工藤昌祐、祐長兄弟 12
加藤段蔵 11
望月千代女 11
計1654人(騎馬数222)
「1654の兵でその内、騎馬が222か…。信房、これだけあれば一戦できるか?」
「辛うじて一戦出来るかと、恐らくですがお館様は援軍を着けてくださるでしょう。そうなれば2000は確実に越すでしょう」
「そうか。信房と工藤兄弟、お主の兵は少なすぎるゆえ俺の兵300の内200を信房、100を工藤兄弟に与える。工藤兄弟は戦の時はその兵で本陣を守る事する。段蔵と千代は忍びという役柄、今回は兵ではなく其方に専念して欲しい」
段蔵と千代女は頷く。
信房と工藤兄弟に至っては感激の余り口が開いていた。
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因みに騎馬に対して×5の兵です。