第10話・千代女の気持ち
天文16年5月18日
■甲斐国 山梨郡 躑躅ヶ崎館 廊下
・望月千代女
宿敵とも言える武田家、それも家臣だったらわかる、だけど武田家当主の三男、三郎殿から突然告白された。主家の敵である武田氏の本拠地躑躅ヶ﨑館に侍女の見習いとして入り潜入に成功した。甲州乱波の警戒を潜り抜けるのは大変だった。侍女見習いを始めてわかった事がある。彼の周りにはあの鳶加藤こと加藤段蔵殿の配下の者までいるのだ。それと何故殿をつけるかって?それは望月氏や海野氏を滅ぼした晴信には罪があるが、その子供には罪はないだから殿と呼んでいる。そこまで私は腐ってはいない。
話が逸れてしまったが三男の三郎殿が突然海野氏の再興といったのだ。しかも告白までされてしまった…
信濃では武田氏は侵略者の代名詞であり野獣の如きなどと揶揄され恐れられているのからその当主の子供も当然同じだと思っていた。嫡男の太郎殿は三郎殿と性格は真逆で全然違う。
でも三郎殿はお優しい。女の身である私、ましてや色仕掛けをかける私ですら結婚してもいいな、と思う気持ちもある。三郎殿と結婚すれば海野氏の再興を確実にしてくれるかもしれない。そう言い切れる根拠は次男の、二郎殿は盲目なので跡継ぎにはなれない。そうなると普通は嫡男の太郎殿なのだが、太郎殿はどうやら晴信から嫌われている。このままでは跡継ぎになるのは三郎殿かもしれない。三郎殿が当主となれば武田は良くなると思うし、先程言った通り海野氏も再興できる。ともあれ恥ずかしくて部屋を出てしまったので返事をするのを忘れていた……。
どうしよう……。
千代女は廊下を行ったり来たりしても悶え苦しんでいた。
と…取り敢えず、返事をしなくては…。一刻でも早く再興してもらわないと…。
で…でも、なんて言ったら良いか…。
廊下では1人の侍女が1刻ほど悶え苦しんでいた光景があった。
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