それぞれの想い
「ところで、貴様たちは何が目的でここにやって来たのだ?」
セトは唐突に質問してきた。
「俺たちはゴミ砂漠の湖にある聖剣を探しに来たんです」
「貴様はなぜそれを欲すのだ?」
「俺には力が必要なんです。みんなを、世界を守るために」
「...そうか。貴様が本当にそう思っているかは定かではないが、一つだけ忠告はしておこう。あの聖剣を手にするには、貴様の覚悟を示さなければならないことを覚えておくことだ」
セトの言った言葉の意味を理解することはできなかったが、アーサーには全くもって不安はなかった。
その時、また大きな地震が起こった。さっき起こった地震よりも大きかった。突然の出来事に三人は辺りを警戒した。次第に地震はおさまり三人は警戒を解く。
「さっきもそうだが一体何なんだ?地震が二回も、それもこの短時間で起こるなんて...」
「.....まさか!」
セトは何か知っているような素振りを見せるとともにアーサーとシロの二人の方を見る。
「貴様たちに言っておかなくてはならないことが二つある。まず一つ目は今、ゴミ砂漠ではちょっとした問題が起こっている。それは神同士が揉め合っているということだ。まあ、これは我の勝手な憶測ではあるが、さっきの地震は神同士が力と力をぶつけ合ったことによって発生したのだろう。ここで地震が起こるなんてことは滅多にないからな。そして最後はその神同士のいざこざのせいで聖剣が封印してある湖、ヌトの聖湖にはたどり着くことができない事だ。」
セトは二人に説明し、シロは難しい顔をしている。
「でもどうしてそれだけのことで私たちが湖に行けないの~?」
「あの湖は上位神たちの結界によって何重にも守護されている。貴様たちといえど、そうやすやすと破ることはできないだろう。それに加え、あそこを守護しているのは上位神たち、その中でも最強であるアテムがいる。結界を破る前にアテムに殺されるのが落ちだ」
「そう言うことね~、それは不味いな~、アハハ...」
セトの話を聞いて、シロの乾いた笑いが響く。アーサーにはよくは分からなかったがシロの自信のなさを感じさせる笑いを聞いて相当ヤバいことは感じ取れた。
流石のシロもお手上げ状態だった。それでも何とか打開策を見出そうと試行錯誤するが頭が痛くなるだけで全くいい策は浮かんでこない。
そこにセトが救いの手を差し伸べた。
「貴様たちよ、どうだ、我と手を組まぬか?」
「悪くはない提案だけど、メリットは~?」
「一つは戦力の増強、二つは湖までの道案内ができる。最後は我がいることで他の神たちに攻撃される事はなくなるだろう。つまりは我が他の神たちへの抑止力になるということだ」
「フムフム、なるほどなるほど~。でもそれだけじゃないよね、言いたいことは~」
セトは少し驚いた表情を見せた。
「ほう、やはり見透かされていたか、さすがだな。そうだ、我は貴様たちに頼みたいことがある。それは我の妹、ネフティスを守ってほしい」
アーサーはそれを聞いてセトに聞き返す。
「なんで俺たちがネフティスを守らなくてはいけないのですか?セト一人でも守ることはできるはず...」
「違うよアーサー、問題はそこじゃない」
意外にもアーサーに意見したのはシロだった。
「そうだ、問題は我一人では神同士を止めることはできないことだ。それとネフティスは今、ヌトの元で治療を受けているのだ。心配でならん、だから我は貴様たちと手を組もうと考えたのだ」
ーーーやっぱりこいつ、シスコンだ...
二人は同じことを思った。
「え、それって俺たちも神同士の仲裁に入らなくてはならないんじゃあ...」
アーサーが恐る恐る聞いた。
「そうだね~」「そうだな」
二人はやる気満々だ。
ーーーまあ、今現状この方法しか考えられないだろうから仕方ない、やるしかないか...
アーサーは妥協した。
「そうと決まれば早速行動開始だな」
アーサーもやる気を出して意気込んだが、、、
「お腹空いたから腹ごしらえしてからにしようよ~」
アーサーのやる気を無視してシロはそう言った。
ーーー全く、俺のさっきまでのやる気を返せ!
アーサーは口には出さなかったが、心の中でそう言った。
「でも、食料はあんまり無いよ。食べるとしたらいったん街へ戻らなきゃだけど、金銭的にもそれは避けたいところだし、てか、高額すぎてまともの物は食えないだろうな...」
二人は落胆していたがセトは悠々と話しかけてきた。
「では、我の宮殿で休むとよい。我の力でここからなら一瞬で移動できる。それに食い物ならたくさんあるぞ」
セトはそう言って二人を説得し自分の城に招待した。
「おお、神よ、我らを救っていただけるとは何たる幸せ~!。ぜひとも食料を恵んでください!!」
二人は目の色を変えてセトを見つめていた。
しかし、、、
その後、セトは後悔した。セトが貯蔵していた食料の半分がシロとアーサーの二人(主にシロ)によって消えたからだ。
ーーーもうこいつらに食い物はやらん!絶対にだ!!
セトはそう心に決めたのだった。
「おかわり~!!」
「こっちも!!」
二人は遠慮なく食って食って食いまくった。




