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駆け出し勇者と白銀の魔王  作者: 砂糖人形
旅立ちの時
2/23

物語の始まり

鳥のさえずり。

牛の鳴き声。

小川の流れる音。

風が草木を撫でるように通り過ぎ、音を立てる。

野原に気持ち良さそうに寝転んでいる金色の髪をした少年がいた。綺麗な紫色の瞳で青い空に浮かぶ雲の形を観察して、休みのひと時を過ごしているようだ。



ーーー俺はここの農家の一人息子の"アーサー"だ。

父の仕事を継ぐため毎日父の仕事の手伝いをしている。仕事自体は大変だがやり甲斐のある仕事だったから俺自身、満足していた。

今は昼休み中で俺は晴れた日の下で日向ぼっこをしてゆったりとしていた。


すると、遠くから


「おーい、アーサー」


父の声だった。俺は体を起こし


「どーしたー」


と大きな声で叫んだ。


「仕事に戻るぞー、帰ってこーい!」


「おー!」


俺は立ち上がり父の元へと駆けて行った。




午後は麓の街へ行き、野菜や乳製品などを売っていた。


売買をしていると嫌でも聞こえてくるのが世間話というものだ。大抵、俺たち農家にとってはあまり関係のない事が多いが今日の話題は違った。


それは「魔王が帝都を滅ぼした」と言う噂話だ。事実、そんな事があれば世界征服をしたのと変わらない。なんせ、帝都は人間が暮らす場所として絶対安全と言われているほどの都だからだ。かつて、勇者が守り抜いた都であるという伝記もあるほど、歴史ある大都市である。そのため軍事力は他の都と比較しても群を抜いている。そうやすやすと攻略されるわけがない。


だが、最近では俺たちの周りでも悪魔騒動が相次いでいた。俺たちの街は魔王城とは正反対に位置しその真ん中あたりに帝都が存在している。帝都は悪魔を退けるものであり、悪魔が俺たちの街までやってくることは滅多にない。

そのため、誰が聞いても真っ赤な嘘だと丸わかりな噂でも信じてしまいたくなってしまうものが人間の性というものなのだろう。


午後の仕事も終わり俺と父は帰路についた。


母は俺が幼い頃に亡くなって、父と俺の二人で暮らしていた。

夕食後、今日の牛当番である俺が牛小屋に向かう途中、ふと空を見上げた時、流れ星を見た。


「あ、」

そう思った時にはもうその光は消えていた。何か良いことでもあるのかなぁ〜と呑気なことをその時は考えていた。


その光が一体何であったのか、あの時の俺はまだ知らなかった。これが勇者と魔王の最初の出会いであったことを。


最後まで読んでくれてありがとうございます。

良かったらポイント評価お願いします。m(_ _)m

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