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駆け出し勇者と白銀の魔王  作者: 砂糖人形
旅立ちの時
15/23

魔界

更新遅れてすみませんでした。

「......魔王様、いつになったら戻ってきてくださるのでしょう」


執事は今はいない魔王の部屋の中で静かに椅子に座ってそう呟いた。他の悪魔達の前では口に出せない為、こうして魔王の部屋に一人で来ては独り言をまるで愚痴をこぼすかのように呟いていた。


魔王シロの消息が絶ってから約半年が経った。執事であるベルゼブブはまだシロの不在を何とか隠し通せていた。まあ、ばれるのは時間の問題ではあるのだが。。。

ブブは今の現状を打開しようと様々な案を考えたが、どうにもいい案はひらめかなかった。下手に案を採用し、実行したものの失敗してしまえば魔界での内乱、下手をしたら勢力争いに発展し兼ねない。もしそうなればブブを含む魔王勢力は他の七つの大罪たちのいい標的にされるだろう。


「.............はぁ~~...............」


ブブは今日もまた深くため息をつき頭の中を巡る不安を一旦止め、再び仕事に戻ろうと重い腰を上げて部屋から出る。



そんなブブの胸ポケットには大量の精神安定剤と胃薬が常備されている事は誰も知らない。




~~~~七つの大罪・ルシファー側


ルシファーの城は外装からは想像もつかないほど広く美しい大聖堂のような内装である。これはルシファー自身が潔癖症であるからだ。

そして美しい大聖堂に一人、全くもって不釣り合いな悪の権化のような悪魔ルシファーが禍々しい大きな椅子に座っていた。誰もがハンサムと言うほど整った顔立ちではあるが、その頭には二本の角に、背中には黒い羽根と白い羽根が対照的に生えていた。隆起している筋肉は服の上からでも分かるほどでありルシファーの強さを表現しているかのようだ。


城の入り口から一人の老人にも似たゴブリンがやってきた。


「ルシファー様、最近、ある噂が魔王側では広まっているようでございます」


側近の一人であるゴブリンが膝をついて報告をした。


「ほう、その噂とはなんだ? もしつまらないようなことであるならば貴様の首をいただくとしよう」


「期待を裏切ることはないでしょう、この噂はあの魔王についてです」


ルシファーの耳がピクリと動いた。


「以前から全く仕事をしない悪戯好きで知られる魔王がめっきり騒動を起こさなくなったという事が続いております。魔王側にしてみればいいことではあるでしょうが、世界征服を遂行している最中に魔王の行動がここ数か月、誰にも知られていないのは不自然であり、一部の悪魔達の中では『魔王はどこかに消えたのでは』という噂にございます」


「あの魔王が消えたと、それは興味深いな」


ルシファーは心底楽しそうに笑みを浮かべて顎に手を添えていた。


「もしこれが本当であるならば魔王軍を倒す大きな機会になるでしょう。魔王がいなければ魔王城を攻め落とすことは容易かと思います」


「ふむ、確かにな。だがこれはあくまで噂、確信がない。それに俺から攻めれば不可侵の条約を破ることになり、逆に俺たちが他の大罪どもに袋たたきにあってしまう」


それに対しゴブリンは即座に対応策を考えつき発言する。

「ならば他の大罪の方々をこちら側の仲間にしてしまうのはどうでしょう」


「それはいい考えだが、かなり時間がかかるな」


「我々はその間、更に確信につながる情報を手にしルシファー様に報告できるよう精進する次第です」


「期待している」


そう言われゴブリンは感謝の言葉を述べてから退室した。

ルシファーは一人、これからの魔界の行く末を思考しながら微笑むのだった。


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