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罠に勝るものは無い! 〜はろーはんと+オンライン〜  作者: 正夢
一章 『なん……だと?』
6/7

聖剣ワロス。



何がいかのように笑い物かと聞かれれば、こんな風にとしか言いようが無い。

そう、正にこんな感じ!



「ねぇ、どうしたの?勘違いで特攻して、挙げ句の果てに完全無力化されたような顔してるね。あっ、ごっめーん。本当にされたんだっけ、完全無力化?何それ超ウケるんでけどー?ギャハハハハハハハハハハッ!あれ?泣いちゃった?ねぇねぇ泣いちゃった?それともぉ〜怒っちゃったぁ?ねぇちょっと痛々しい中二魔法少女ちゃん『実力行使です!』とか言って、なんにもできなかった魔法少女ちゃん? NDK(ねぇ、どんなきもち)?」



「……」



「おーい聞いてる?聞こえてる?『罪科の呪術師(笑)』ちゃん聞こえてる?それとも何?存在しない心のバリアでも張っちゃってるの?ねぇねぇねぇ……」




ニッコリ満面の笑みで言葉攻め&羞恥攻め。少女改め中二魔法少女ちゃんはプルプルと震え耐えている。

こういう女子はいじりがいがあって、本当に面白い。

でもぉ、ちょっと可哀想(嘘)



現在進行形で俺達がお話ししているこの場所は『赤い帽子のおっさん亭』という酒場である(著作権大丈夫?)。亭主は、プレイヤーで名前は『マリオン』だ(もう一度言うけど、著作権大丈夫?)。

俺は、この酒場の亭主とパーティーを組んでいたこともあり、それなりに仲も良い。なので、割引してくれるかなぁ?と思っていたのだが……



「死ね」と言われて突っぱねられたため、普通に金を払うことになった。ちくせう。


「おい、その辺にしておけって……この姉ちゃん涙目になってるぞ」


俺の横に座るミタマがそんなことを言ってくるが……関係ないね!


俺は、この嬢ちゃんを虐めたいだけである。


「お前、最低だな……」


「おい、お前人の心を読めんの?」


「顔に書いてあるよ」


マジか、そんな最低でゲヘヘな顔をしていたのか。




閑話休題。




中二魔法少女ちゃんに事情を説明し終えて、今は夕方。


そろそろ、飯時になる。

この酒場で出される飯は、かなりの絶品だ。亭主自ら食料を狩ってきているので、凄く新鮮で捌くのも亭主がやっている。

そんな訳で、飯が出来上がるのを待っている訳なのだが……


「ミタマ、キング持ってる?」


「はっ。言う訳がねぇだろ」


「あ、持ってるのね。じゃあ失敬〜」


「なぁ!?」


「視線動かしすぎ、取って下さいと言ってるようなもんだぞ?」


「ッチィ!」


「ほれ、次は嬢ちゃんだぞ?」


俺達は、ババ抜きに熱中していた。

現在の戦績は、俺3勝、ミタマ0勝、嬢ちゃん1勝である。

いやぁ、ミタマは相変わらず騙しやすいですなぁ。


「あの……私、メアって言うんですけど……」


「へー。まぁいいや、早く続きやろうぜ」


「えっと、はい……って、ッババ引かされた!?」


「いちいち口に出して言うとか、律儀だなー」


「うっ」


あらま、嬢ちゃん……じゃなくてメアちゃんも騙しやすい。

ババ抜きを続けながら、それぞれの自己紹介的なことをする。

始まりの街では、新人の歓迎会などの場面でトランプを使って親睦を深める。

本当のことを言うと、それ以外にやることが無いだけなのだが……

まぁ、そんな感じである。


「角兎のシチューと、薬草と魔力草のサラダ3人前、おまち」


7戦終えた所で、亭主が料理を持ってきた。


「そう言えば、ジャノメ。お前、武器変えてないのか?」


「ん?」


持ってきたついでに話題も提供してきた。

この話題は振られたくなかったんだけどなぁ……

「あー。とりあえず、この『錆びた大剣』のステータス見てよ」

実はこの『錆びた大剣』にはスキル『偽装』を使っている。

『偽装』スキルを使えば、自分のステータス以外にも武器やアイテムの情報も、偽ることができる。スキル取得に2ヶ月かかった。

そのため、他の人間にはこう見える。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『錆びた大剣』

ATK:30

STR+10

DUR:0/0

効果:無し

【解説】

錆び付いて、使い物にならなくなった大剣。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「これが、どうした?」

「ただの雑魚武器だな」

「ですね」

亭主、ミタマ、メアと、三者三様な反応を示す。

まぁ、普通の反応だし予想通りの反応だ。

それじゃ、偽装を解くとしましょうか。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『朽ちた聖剣』(状態:完全破損)

ATK:30

STR+10

DUR:0/0

効果:〈朽チ果テル〉《復活》〈罰則〉〈無慈悲〉『装備解除不可』

【解説】

初代魔王を倒した勇者の使っていた聖剣。魔王の呪いにより、朽ちて使い物にならなくなっている。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「……」

「……」

「……」


皆、何も言葉を発さない。

うん、絶句ってこんな感じなんだな。

可視化したウィンドウを閉じると、俺は全員に向かってこう聞いた。







「どう思う?」

ヒロインだけど、影が薄い……

ねぇ、どう思う?

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