『ゴブ』リン『キ』ング『君』
え?
これ、ヤバくね?
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 死にたくないぃぃぃぃぃ!」
レイラがなんか叫んでいるが、これマジでなんなの?
3本のHPバーの隣に『ゴブリンキング Lv23』の文字が浮かんでいる。
あー、うん。
モンスター討伐ね。
どう見てボスモンスなんだけど見間違いかな?
……ちょっと、俺のステータス確認(現実逃避)
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名前『ジャノメ』
性別:男
種族:人族
職業:罠師
レベル:1
HP:100
MP:100
STR:0
DEF:0
VIT:0
DEX:140(×2)
AGI:0
INT:0
BP:0
スキル
『罠制作Lv1』『罠設置Lv1』『隠密Lv1』『誘導Lv1』『極振り(DEX)』
称号
《異世界人》《自殺志願者》
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死にたくないから称号《異世界人》をONにして……
あれ?知らない称号が増えている。
どれどれ。
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《自殺志願者》
自ら死のうとしていると思われるステータス設定を行った証。
称号《異世界人》を無効化する。
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……うわぁ。
ひでぇ。
「グギャァァァァァァァァ!」
あ、ゴブリンキング忘れてた。
現実逃避した先でも、打ちのめされて……
もう、どうしろと?
「ははっ」
何これ、笑える。
ウザ。
運営さん頭イッちゃってるんですか?
完璧に殺しにかかってやがる。
あーやだやだ。
もう本当に……
スキルブースト『罠制作』発動
スキルチェイン『罠設置』
スキルチェイン『罠制作』
スキルチェイン『罠設置』
スキルチェイン『罠制作』
スキルチェイン『罠設置』
スキルチェイン『罠制作』
スキルチェイン『罠設置』
「……死ね」
スキルチェイン『誘導』
「グギャ!」
ゴブリンキング……もうゴブキ君でいいや。ゴブキ君がさびた大剣を構えてこちらへと突進する……が、
『ドゴッ!』
ゴブキ君の足下が突然崩れ、地面が陥没する。
俺の作成した『簡易落とし罠』である。
ゴブキ君は、腰まで地面に埋まっている。
そして更に……
「ギャァァァァァ!?」
同位置に仕掛けてあった『電撃罠』『激痛罠』が発動、ゴブキ君のHPの七割を削り取る。材料は、初心の長剣だ。
〆は『業火罠』
ゴブキ君が燃え上がり、残り三割のHPを消し飛ばした。
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『簡易落とし罠』
レア度:★×1
効果:罠上に物体、又は生物がいるとき、自動的に下に落とす。
素材:土
設置方法:ワンタッチ
『罠設置』
『電撃罠』
レア度:★×2
効果:罠上の物体、及び生物に電撃を浴びせる。
素材:鉄
設置方法:『罠設置』
『激痛罠』
レア度:★×2
効果:罠上の生物に刺さり激痛を与える。
素材:鉄
設置方法:『罠設置』
『業火罠』
レア度:★×3
効果:罠上の敵を燃やす。
素材:魔力
設置方法:『罠設置』
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ボスモンスター『ゴブリンキング』を討伐しました。
入手アイテム:ゴブリンキングの『さびた大剣』
報酬:100BP
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ゴブキ君のドロップアイテムは大剣だった。
錆びているので、使えそうにないが一応貰っておきたい。
「えっと、これでチュートリアルは終了です。『はろーはんと+オンライン』を楽しんで下さい」
レイラが手元を操作すると、新しい画面が俺の目の前に出てきた。
『チュートリアルを終了します』
ふっと意識が遠くなり、気付くと巨大な噴水のある広場にいた。
「ワオ」
今現在はその一言に尽きる。
グラフィックが凄い。
現実より現実味がある。
元々、この『はろーはんと+オンライン』、通称『はろはん』は、グラフィックと自由さがウリのゲームだ。当然と言えば当然なのだが……流石に、度肝を抜かれた。感覚にも差し障りは無く、体も自由に動く。
周りを見回すとちらほらと人が見えたりするのだが……
「少ないな」
そう、少ない。
見た感じ、30人いるかどうか……
確か、初回スロットは20000程だった。予測に過ぎないが、殆どのプレイヤーは、混乱してキャラクター設定すらやっていないのだろう。
さて、とりまステータス確認でもしましょうか。
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名前『ジャノメ』
性別:男
種族:人族
職業:罠師
レベル:4
HP:400
MP:210
STR:0
DEF:0
VIT:0
DEX:140(×2)
AGI:0
INT:0
BP:119
スキル
『罠制作Lv2』『罠設置Lv2』『隠密Lv1』『誘導Lv1』『極振り(DEX)』
称号
《異世界人》《極振り》
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………。
………………。
………………………。
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っしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
《自殺志願者》が消えてる!
これで、死ぬ心配は無くなる。
あー。えがった。
しかも、新しい称号が……ナニコレ?
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《極振り》
たった一つに、全てのBPを注ぎ込んだ証。
可能性の塊。
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意味が分からないけど……まぁいいか。
んじゃ、《異世界人》をONにして……よっし。
狩りに行くとしましょうか!