第二章 国家という愚獣 終篇
第二章 終わりです
終篇
ザラシュストラは自分の胸部に右手を触れて治療するジョウドとの対話を続ける。
「じゃあ、その回収の為にキリアスに人造巨人ダロスとグラディウス艦隊を提供したのか…」
「ああ、そうだ。その対価と、実戦テストにガルヘントの叛乱を利用したまでの事」
ザラシュストラは(実戦テスト)というジョウドの言葉に怒りが灯る。そのテストのせいでガルヘント国内は荒れ、フィアがトンでもなく苦労したのだ。だが、今はそれをぶつけても意味はない。多くでも情報を聞き出す為に冷静に振舞う。
「それ程までして欲しい物なのか?」
「回収には大規模な動きを伴う。それを隠す協力者も欲しかった。国家なら最適だ」
ジョウドは微笑みながら右に頭を傾げ。
「聞きたい事はそれだけか?」
ザラシュストラはビックと体を萎縮させ(そうだよな。情報を聞き出そうとしていると普通は気づくよな)と押し黙った。
「なんだ。もう喋らないのか? つまらん」
とジョウドは眉を顰め
「しかし、情けない。エ(是)の力をヒトに齎す九つの契約の楔を転化して直ぐ、全てに契約者をつけたお陰で力の特性が全く無い。契約し過ぎるというのも考えモノだな。それでも構わないというなら話は別だが…」
ザラシュストラは苦悶を露にして
「お前に何が判る」
と投げ捨てる様にジョウドは肩を竦ませ
「そうだな。ヒトであると勘違いしている兄弟ならではの、考えなど私には判らんが、メリアスの思惑通り周辺問題にまんまと利用されているのは判る」
ザラシュストラはメリアスが情報を提供した理由をそれなりには推測していた考えを告げる。
「メリアスはキリアスのダロスやグラディウス所持の事実を前々から知っていたが、隣国であるキリアスを表立って追及出来ない。そこで俺達、北方のオメテオルに情報提供する事でキリアスとの戦争をして貰おうという魂胆と、更に上手く行けばキリアスがメリアスに救援を求め、それによりキリアスが保有するダロスが獲得出来るかもしれないと算段を考えていた」
ジョウドは瞳を大きく開き驚き。
「ほおお…なんだ。判っていたのか。正解だ! アハハハハハハ」
とジョウドは歓喜する。その様はあのガルヘントの時に見た獲物に喰い付き喜ぶ肉食獣の様と同じ凶悪で醜態な様である。
「では、どうする兄弟?」
ジョウドはザラシュストラの鼻先寸前までその凶悪な笑みを寄せ。
「キリアスがダロスを保有している事実を世界に祭り上げ戦争を起こすのか? それとも黙殺するのか?」
と囁くジョウド。
その問いにザラシュストラは押し黙る。確かにジョウドの言う通りの選択しかない。だが、どちらも選んでも茨の道。ダロス保有の事実により今からキリアスとの戦争。黙殺してもキリアスはダロスの事を隠し切れる筈も無く何時かは戦争。どちらも最悪な結果である。今になるか先に伸びるか、その程度しかない。
苦悩するザラシュストラにジョウドが耳打ちする。
「なあ、兄弟。もっと世界を楽しめ」
その言葉にザラシュストラの怒りが沸点を向え。
「キサマ!」
と、体が動くも激痛が全身を走り強制的に意識が朦朧となる。
ザラシュストラは項垂れる傍でジョウドは呟く。
「私と兄弟は、遥か超高次元、時間も力も世界も全てが一つになった超次元がヒト共の愚かに騒ぐ様を見物する為に、このヒトの精神、身体、魂と融合したエ(是)だ。目を覚ませ兄弟、楽になるぞ」
「断る。俺はザラシュストラ、ヤマタイ国王族の守護であった武人ツラシュストラの曾孫であり、そして…オメテオル共和帝国覇王ヴィルヘルム直下オメガ兵団の戦闘要員だ」
ジョウドは、ヤレヤレという感じで頭を左右に振り。
「そのヴィルヘルムは兄弟ではないのか…」
「そうさ。俺がヴィルヘルムだ。だから、俺は…北方を奪い取った償いとして、オメテオルを守り、シャンバラを、世界を守る! ジョウド、お前のような狂気な輩から俺の大切な人が暮らす世界を絶対に守護する」
ザラシュストラのオッドアイの瞳が輝いていた。
ジョウドは右手をザラシュストラの胸から離し
「もう…十分だ兄弟」
と、立ち上がるジョウドはザラシュストラに背を向け
「後は自身の急速回復でよかろう。私は私の勝手にさせて貰うが…。何れ気付く。我々はヒトでないと…。兄弟、その歓喜を確信しろ」
「そんな絶望には絶対に染まらない!」
と、ザラシュストラは突っぱねた。
ジョウドは「フン」と鼻で笑い一歩足を踏み出した瞬間、入口のドアの隙間から大量の漆黒の糸が溢れ出し、ジョウドの全身を絡め取った。
入口のドアに切断線が入り破壊され
「史上最強の美男子登場!」
と声を張って現れる流しの金髪ニクスは、漆黒の外套に胸元が開いたタキシードと両腕は、契約の力オルフェウス(無限鋼糸)を展開した状態である漆黒の糸を放出する重機のピストン状の機械が幾つも組み合わる手甲を装備していた。
「助けに来たぞザラシュストラ」
ニクスは部屋に入ると、オルフェスを展開した両腕の重機手甲のピストンから伸びる漆黒の糸に全身を絡め取られ、顔だけを露にするジョウドを発見するや否やその顔を指差し
「ここであったが六千五百万年ぶり、ニクス様の鉄拳制裁を受けて貰うぞ!」
ジョウドは呆然としながらも
「私はそんなに生きてもいないし、それ程に長寿でもない。ヒトの器と同じ程の寿命しかない。過去に何かあったのなら五百年前の先代の記憶を検索してみよう」
「違う! つまり、それ程お前を待ったという比喩表現だ!」
「ああ、すまん空気が読めなかった」
とジョウドは頭を下げる。
「違う! てか、まあ…あっているけど。でも、違う! 俺の顔に覚えがないか?」
ニクスは自分の顔をオルフェウスの右手で指差す。
「…すまん。私はエ・ルーネスト・ドッラークレス・レイコスになってもヒトの時にあったヒトの顔を全く覚えられないという、どうしようもない癖が治っていないので全く判らん」
ニクスの右ホホが釣りあがり。
「ガルヘントの叛乱の時にお前を拘束しているオルフェウスの糸で大量の擬態兵士人形を作り操作して陽動をやっていた男だ。そして、その時にお前が俺のこの美しい美顔に鉄拳をぶち込んだろうが!」
と一歩踏み出した。
ジョウドはニクスの顔を見詰め
「すまん。全く判らん」
「ふざけるな!」
ニクスは部屋を破壊するような勢いで思いっ切り叫んだ。
「ニクス…何でここに?」
と、ザラシュストラが会話に入ると、ニクスはザラシュストラの下に来て
「助けに来たんだよ。立てるか?」
ザラシュストラは呆然としていた。今までジョウドと緊迫した会話をしていたのにこの不思議な二人の会話に思考回路がついていけない。
「おい! 迷惑掛けんな」
とニクスが呆然とするザラシュストラのホホを軽く叩く。
「ああ、うん、立ってない」
「しゃあねえな」
とニクスはザラシュストラを背負い立ち上がると、ジョウドを睨み。
「お前、ホンとふざけたヤツだな。だが、それも今すぐに後悔に変わるぜ」
と告げた途端、オルフェウスのピストンが激しく上下運動を始め漆黒の糸を巻き上げると、ジョウドの全身を絡め取る漆黒の鋼鉄糸が絞まり始めた。
「へへ、俺の契約の力、オルフェウスの糸は俺の意思で自由自在に操れる。しかも、その強度は鋼以上だ」
とニクスはザラシュストラを背負って破壊されたドアの方へ移動し。
「俺は女子供には甘いが野郎には容赦しない。更に俺の美しい美顔に鉄拳をお見舞いした事を後悔しながら死にな…」
ニクスは勝利を確信した笑みをする。
「ニクス。多分、オルフェウスの黒糸ではジョウドを殺す事は出来ない」
とザラシュストラは告げる。
「はあ?」
ニクスが訝しげな表情をした次に、何十にも糸が寸断するブチブチと音が響いた。
その音源はジョウドである。両腕を手刀に変えて左右に広げ切り裂き、腕には千切れたオルフェウスの糸が付着する。ジョウドは手刀だけで鋼鉄以上の強度を誇る糸を切断したのだ。
「な…」と驚愕な表情を露にするニクス。
ジョウドは両腕に付着するオルフェウスの糸を払いながら
「この程度か…」
と、何処か寂しそうな表情で呟いた。
その時、地震とは違う振動と共に部屋の天井から巨大な金属の先端が突き出る。
ザラシュストラを背負うニクスとジョウドの間に入った金属の先端は再度、上昇して天井から消えた次に何か漆黒の塊が部屋に落ちる。
その塊は風のように素早くジョウドに接近して、何かをジョウドの首に突き付けた。
それは透明な刃である。刀身の部分の風景だけが少しだけ歪む透明度の高い刃、その刃を扱うのはトオベイである。
簡素な漆黒の鎧にタイトなズボンを纏う、素早い動きを優先とした格好のトオベイは契約の力、レガス(全物刀築)の一部の力である透明な刃を携えた漆黒の花弁型の金属が幾つも集まり形作る刀の柄を握り締める。
トオベイは後方にいるザラシュストラを背負うニクスを横目で一見し。
「流石だな、助けに行くと言い出しただけの事はある。俺は、この男に意趣返しをしたい為に行くと思っていたが…すまん。見くびっていた」
ニクスは項垂れた次に顔を思いっきり上げ
「おうよ! 当然だぜ」
と胸を張った。
トオベイの推測はあっていたが、ニクスは誤魔化した。
「動くな…」とトオベイはジョウドの首にレガスの透明な刃の切っ先を皮一枚に接触させる。
ジョウドはトオベイを見詰めながら。
「フフ…トオベイねぇ。元レムリア王親衛隊隊長ガルタニア・トロースド殿」
と告げて嘲笑をトオベイに向けた。
トオベイの表情が一気に変わる。その顔は、驚愕で引き攣っている。
「お、お前は…」
臆したトオベイに隙が現れた。
「トオベイ!」
とザラシュストラが呼び掛ける。
トオベイの表情に戦士の鋭さが戻るも遅かった。
ジョウドの両手が横に動き、あの強烈で見えない圧力がトオベイを紙切れのように吹き飛ばし、ザラシュストラを背負うニクスにも、その牙が襲い強大な圧力で吹き飛ばされた。
ニクスの背中から振り下ろされたザラシュストラは通路に転がる。
「ニクス。トオベイ」
とザラシュストラは自分かいた部屋の方を向くとジョウドが正面に立っていた。
「兄弟、面白いモノを見せてやる」
とジョウドはザラシュストラを右肩に担ぎ、部屋に戻りトオベイの来た天井の大穴の下に来る。天井の大穴は地下から地上までを貫通し、夜空を見せていた。
ジョウドは足を曲げ跳躍した。弾丸のような速度で一気にザラシュストラを抱えたまま地上に飛び出て、近くにメリンポス火山が一望出来る夜の上空に到達した。
地上から数百メータ程ある上空に到達したジョウドと右肩に抱えられるザラシュストラの二人の左には、同じ高度でグルファクシが静止していた。
ザラシュストラは上空に来た事で地下に開いた大穴の全貌がハッキリした。その穴の形はグルファクシを垂直に突き刺した事による突貫だった。
ザラシュストラは呆れた。グルファクシは雨のように砲撃を数時間浴びても傷一つかない程の高強度を誇っているが、地面に突き刺すなど想定していない。大凡、船体の至る所に損傷と歪みが発生しているのは間違いない。
「全く、ムチャクチャだ…」とザラシュストラは呆れ気味に呟いた。
二人は地上へ降下する。地面から十数メータ程の高さでジョウドは左手を地面に振るうと、あの見えない圧力が地面に衝突し、下から上に向って吹き上げる上昇気流を発生させ、落下速度を相殺して軟着陸した。
ジョウドは右肩に抱えるザラシュストラを下ろすと、ザラシュストラはその場に立った。それがザラシュストラに取っては精一杯である。
その様子にジョウドは満足そうな笑みを浮かべ。
「良いぞ。もう少しで回復するな」
「なぜ、連れてきた?」
とザラシュストラは尋ねる。
ジョウドは両手を広げ、道化のように頭を左に傾げる様相は、まるで悪夢を誘いに来た夢魔のように金色の右眼が輝き
「キリアスの連中は私との約束を守る気などないのさ。私から提供されるダロスとグラディウス欲しさに色々と理由を付けて引き延ばしにしていた。キリアスの連中が兄弟を襲った理由も、兄弟が来たとなれば、私が何処かに消えるだろうと考え襲ったのさ。だが、兄弟が来た事でふっ切れた。勝手に欲しいモノを回収させて貰う」
と、ジョウドは告げた次に右足を軽く上げ
「きっと兄弟も気に入る」
右足を地面に振り下ろし大地を踏み締める。
微弱な地震が発生して、大地にヒビが入り地下から何かが突き上がる。
大地を食い破るモノ、それはグラディウスである。地下の巨大港からグラディウス達がその大剣形状の船体を行使して大地を突貫しながら次々と、地上に出現する。
ザラシュストラは驚愕を露に夜空を見上げる頃には、二十艦近いグラディウスの艦隊が夜空に鎮座した。
ジョウドは夜空を埋め尽くすグラディウスの艦隊に向け指揮者のように右手を振るう。
グラディウス艦隊の内に三艦がメリンポス火山に向う。
大剣形状であるグラディウスの三艦は、メリンポス火山中腹にその先端を突き刺した。
メリンポス火山が微かだった煙を激しく噴出させる。
火山の中腹に突き刺さる三艦のグラディウス達が山頂に向い山肌を切り裂きながら火口に到達する。火口の中から三艦のグラディウスの先端に挟まれて巨大で真っ白な円柱の物体が現れた。
ザラシュストラはその物体を凝視し。
「み、ミズアベハ(神の祭壇)」
とその巨大円柱物体の名称を叫ぶ。
ジョウドは一歩踏み出し右手をその物体に伸ばし。
「正解だ。兄弟! そう、私と兄弟をヒトからエ(是)へ転生させた超高次元とこの三次元世界を繋ぐ橋だ」
「お前はあんなモノで何をするつもりだ!」
ザラシュストラは声を張り上げる。
ジョウドはザラシュストラに振り向きあの肉食獣のような狂気な笑みを浮かべ。
「あんなモノ呼ばわりとは悲しいぞ兄弟。素晴らしい聖物ではないか!」
「災いを齎す物体など、あんなモノ呼ばわりで十分だ」
ジョウドはザラシュストラを見下し
「悲しい。情けない。今、この場で私は兄弟を叩きのめしたいと感じたが、偉大なる物を手に入れた事で上機嫌だ。だから、助け舟を出してやる」
ジョウドは右手で夜空を指差し
「今、この夜空には私がキリアスに提供した全てのグラディウス艦隊とダロス達がある。これを全て破壊すれば、オメテオルとキリアスの戦争が勃発する意義を無くす。更に…」
ジョウドの右手の人差し指から光が夜空に放たれた。
「更に、兄弟が三年前の北方覇王戦争時に味わった周辺殲滅プログラム・ヴァイラザも入れて置いた。これで心置きなくドッラークレス(超龍)で殲滅出来る」
「ふざけるな!」
ザラシュストラは罵声をジョウドに浴びせた。
ジョウドはその姿に満悦な笑みで
「うんうん。それ程までに喜んでくれるなど、感嘆の極みだ。楽しんでくれよ。またな兄弟…」
とジョウドは夜空に跳躍すると、流星のように輝くエイツラーを身の回りに周回させて装備したレミが現れてジョウドを回収し、メリンポス火山から取り出したミズアベハ(神の祭壇)を収容したグラディウスに乗り込み、グラディウスの噴射口から爆炎が噴出して加速し、数秒の間に遠くへ去ってしまった。
夜空に鎮座するグラディウス艦隊が全て同じ方向に先端を向ける。その先は、近隣にある都市である。グラディウス艦隊は噴射口に火を入れ都市に向う。
グラディウス艦専用の戦術プログラムで最も、最悪である周辺殲滅プログラム
『ヴァイラザ』
男女老人子供及び人工物と判別出来る物体の全てを活動停止まで完全粉砕し続ける命令プログラムである。
ザラシュストラは上空のグラディウス艦隊を睨む。
脳裏に三年前の北方覇王戦争が過ぎる。
燃え上がる町、炎の中で逃げ惑う人々、女性や子供達、一般市民をダロス達がプログラム『ヴァイザラ』の動かされるまま無差別に残酷に屠っていたあの時、あの瞬間
「アアアアアア!」
ザラシュストラはその時と同じく慟哭する。あの時と同じく全身に絶望と悲壮、怒りが巡る。そして、あの時と同じく青い右眼が輝き、全身を閃光と変え空に昇る。
閃光となったザラシュストラは雲と同じ高さに到達した瞬間、ザラシュストラの閃光を中心として漆黒の円環が構築された次に、漆黒の円環から漆黒の歪な結晶が噴出し、ザラシュストラの閃光を飲み込み、漆黒の天を突き抜けるドッラークレス(超龍)は、巨大な龍脚に備わった青い炎の如き光沢を持つ金属の翼を羽ばたかせる。
ザラシュストラはドッラークレス(超龍)へ変貌した。
ザラシュストラのドッラークレス(超龍)は、ゴオオオオオと周辺に地震を齎す破壊力を含んだ雄叫びを轟かせグラディウス艦隊へ降下する。
上空から降下するドッラークレス(超龍)の躯体に下敷きにされ、四艦が粉砕された。
三千メータクラスのドッラークレス(超龍)はその巨大な漆黒の龍腕を振るいながら正面に残っているグラディウス艦隊へ突進する。ドッラークレス(超龍)の龍腕の攻撃は一振りするだけで大気を歪め衝撃波を発生させる。だが、それだけでは威力が収まらずその衝撃は、周辺の大地を根こそぎ地平の彼方まで消滅させる。ドッラークレス(超龍)の攻撃は大地を作り変える。龍腕の一振り一振りが、地平の彼方まで大地を軋ませ、無数の頂を作る。千メータクラスの船体のグラディウス艦隊は、世界さえ変える破壊力のドッラークレス(超龍)により、完全大破した船体を大地に沈める。
やがて、一時間前後のグラディウス艦隊の墓場が広がる大地に朝日が昇る。
グラディウスの残骸が広がった大地に佇むドッラークレス(超龍)に朝日が当たる様子は、その威圧的な様相とは裏腹に何処か悲哀に暮れているように静かだった
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