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白烏と火鳥(転生)

「あれ、鳥」


 それに気づいたのは心愛だった。


「ちょ、大きくなったわよ。」


「こっちに近づいてくる?すごく燃えてない?」

「えっ。」


 燃える鳥が急降下してくる。


 ルードが氷の魔法を放ち、若様の精霊たちが水の幕で由香里たちを包む。


「ユキ!?」


 木の枝にで休憩していたユキの隣に降り立ち、体を寄せようとするが、ユキはぴょんと二回ほど跳ねて距離をとった。もう一回距離を詰めようとするが、ユキに別の枝に逃げられた。次はその炎の羽を広げて、ばさばさ火がうつる気配はないが


「あれ、求愛?」


 不意に赤いビーズのような目玉がこっちを見た。

 そう心愛を。

 ココアに狙いを定めた火の鳥が飛んでくる。


「ふ、ふえぇ~」


 幸い、くちばしが黄金虫の髪飾りをキャッチしただけで心愛の髪に火の粉が落ちることはなかった。


「またこのパターン?」


「あっつ~」


 羽根から飛び散った火の粉が由香里たちに一片、二片と舞落ちる。


「いたっ」


 火鳥の襲撃で娘の髪が数本ついでにむしり取られてしまったようだ。


「いたいのいたいの飛んでいけ」


 若様がすぐに魔法を使って心愛の頭を撫でる。


 ユキのそばにヒスイがころっと置かれる。受け取ったユキはヒスイを何度かつつき、火の鳥と互いのくちばしをつつき合った。まるでちゅーのように。


「ユキそれを返しなさい!」


 仕方ないわねという風にユキがヒスイを落とす。


 猛禽類のにらみがこちらみた。まずいまた被害に遇ってしまう。


「何か別の光るものえーと、」


 すっとリズがいつかの市場で買った螺鈿の髪飾りを地面に置いて距離をとると火の鳥はそれを持っていった。その後、ルードが放った氷の欠片までユキに持っていってプレゼントした。


「なんであの鳥いっぱいユキちゃんに物を運んでるの?」

「プロポーズの時の指輪みたいなもので」


 娘の問いに若様が答えてくれる。


「というか、あの髪飾り狙われたの三回目よ」


 蛙とカラスと火鳥。


 他のメンバーだって、カウリーと呼ばれるアクセサリーを持っているのに。

 一番小さい人間だから奪いやすかったのかもしれないが・・・子供にもしものことがあったりしたらどうするんだ。


「ママ、ユキちゃんの上にあの鳥さんのっかちゃってるけれど大丈夫?」 

「大丈夫じゃないかな~」


 自分がどん底な時は例え鳥だろうといらっとするようだ。


「ユキ~」


 ユキと火の鳥はなんか、飼い主の目の前でカップルになってしまった。


 ■


 《馬車の上で巣作りなんてどうかしているわ。糞を落とされたらどうするのよ!》


「それよりか燃やされないかが気がかりなんですけれど」


 めっちゃカーカー鳴くし。

 下手に巣のほうをじっと見ていると急降下してくるし。毎日の清潔魔法は欠かしていないが、やっぱりちょっと獣臭いし。


「飼い主さん。どうにかなりませんかね?」

「あははは、はあ」


 ~~~~~


 宵闇に赤の燐光が舞う。


「ようやく戻ってきたか」


 魔王がすっと手を出すと、火の鳥はその腕に止まった。


 だいたいのことは感覚共有で理解できた。途中予定外の事が起きて一旦共有を切らなければならなかったが。


「多少の事はとがめはせぬ。監視を続けろ...」


 魔王がそう告げると火の鳥は燐光を散らせて飛び立っていった。

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