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ルーリーの都と魔の森

微エロ注意。

「ここが青の都ルーリー。グレイス・ターの終焉の地だ」


 山の麓、森の端にあるのは、鮮やかな青の都市だ。大きな建物はすべて青のタイルで鮮やかな幾何学模様の装飾されていて、小カザルの青の宮殿を思わせる。


青い川の向こうには、白い山が迫っている。


小カザルを出てから一ヶ月。やっとここまでたどりついた。


隊商の人たちとはここでお別れになる。彼らはここで珍しい東方の品を買い込んで、また小カザルに戻るそうだ。


「セリカに行くのなら草原の道はこっから北東だ。気候が変わるからちゃんと着込んで行けよ」


「ありがとうございます」「世話になった」「お世話になりました」「おじちゃんとバイバイいや」


「嬢ちゃんと別れるのは俺らも辛いけど、家族が待っているからな。こちらも、戦利品で結構儲けさせてもらった。良き旅を!」

「良き旅を」


 隊商と別れた由香里たちはちょっとだけ、バザールに寄ることにした。動くなら必ず補給と情報を仕入れてから動けと隊商のリーダーに教えられていたからだ。


隊商宿近くのバザールで最低限の買い物をしながら、隊商の人たちの話を聞いた。


「山を掠めて、草原の道に出るにはこのお守りがよく効くよ!」


と見せびらかされたのは、☆マークが書かれただけの木板だ。


「売ってもいいんだが、ばれたとき怖いし。山に行く隊商はみんな持っているから、彼らに付いていくといいよ」


 体格に似合わず小心者だな。


「や、山って魔王がいるんじゃないの?」


「は、魔王。 クンロンにはそんなものいないな。いらっしゃるのは神様だ」 


「わしら異国の者でもちゃんと信徒に加えて下さる。わしらの先祖様は迷っているとところ神様に助けてもらったんだ。そうやって神は気まぐれに我々を招く。以来、木札を受け取った者は子々孫々、この木札を大事にするんじゃ」


「ワシは神様見たことあるぞ」


「神様わりとはっきり姿見せるの?」


「この世の物とも思えん美しい耳と尻尾を持つ方じゃ」


「尻尾?」


「まあ、何にしても気をつけて行くんじゃな。木札には喚ばれる数が決められていてな、小さな隊商なら受け入れてくれる」


「私たちももちろんそのつもりです。どっか護衛を募集している隊商ってあります?」


「いくつか心当たりがあるが、子供連れとなるとなかなか難しいかもしれん」


「明後日までに心当たりの隊商に声をかけてくれると嬉しい。それと、ター天文台の場所を教えてくれるか?」


 若様は表示の値段よりも多目にお金をおっちゃんに握らせた。



「大魔術師にして精霊の友、最高位の律法師。君たちを召喚した魔法はおそらくターが作った物だろう。彼の天文台に行けば...」


「わざわざセリカに行かなくても、帰れる?」


都の郊外に天文台はある。入り口には大きな六芒星が飾られていて、青の壁画の正面にはにはそのぐれいすたーさんとおぼしき人の立ち姿が描かれていて、その回り鮮やかな絵がぐるっと ある人はの営みがかかれているようだ。ある者はひれ伏し、ある者は王と思われる男に弓を鋳掛ける。


 天井には星座が描かれている。壁の下部には書棚があり、書棚と書棚の間には人の背丈の小型のゴーレムがじっとこちらを見つめている。


『汝ら、世界を渡りしもの。勇者。ターの書を与える。世界を救うのだ』


「救うのだって言われても、私ら魔王には興味ないですし。」


ゴーレムが一冊の本を渡してくる。

由香里たちとは別の勇者たちが、魔王城を目指している。


ゴーレムから渡された本には、地図つきモンスター図鑑だった。


「あと、呪文もたくさん描いてある。オーロラ直せばいいの?」


ゴーレムはこくりとうなづいて、


「ちょっと、元の世界に戻る本とか無いの?」


『魔王...』

止まった。




「ママ、オーロラ」


 休憩を挟みつつお昼から夕方までかけて、タイトルに目を凝らしたり、気になる題名を手にとったりするが、『召喚術』の本があってもモンスターの召喚術や操り方の本だったりして、まったく役に立たなかった。


「オーロラってこんな所じゃ見えないでしょ?ちょっとだけ、森に入って北にいけばいいのね。んー。新しい隊商さん見つかればいいんだけれど」


「急がば回れ。一応、この付近の森で、一通り、戦闘してからの方が良い」



ルーリーの人たちの話によると、この森は『魔の森』と呼ばれていて、方向感覚を失いやすく、下手したら 魔王やセリカがどうのこうのより遭難する可能性が高い。険しい道のためか、はたまた魔の森の魔法か、少人数で入らないと、迷子になって元の場所に戻るか、永遠にさ迷って森を出られなくなるらしい。



アアア、アっ、

女性のあえぎ声。とりあえず、娘には、見せられない現場かも、知れない。が、聞かなかったことにするわけにはいかない。

いくら薄暗い森のなかだからといって、やっていいことと悪いことがあるでしょ。


「リズ」


 眉根を寄せた若様が、一言命令すると、リズはこくりとうなずいて、音も声のする方向に駆けていった。


「チチー!」

 

というリズの叫び声に由香里とクラウスは駆け出し...



「これってどっちを助ければいいの?つうかリズまで何やってるの?」

「おっと、気絶するな。もっと俺を楽しませろ」


 白地に黒の斑がキュートなホルスタイン種のミノタウロス(メス)が、男とリズに乳を揉みしだかれている。


「上質な乳がとれるんです。前に若が作ってくださった濃厚なバニラの風味のする最上級のアイスは最高でした」


「アイス!?」


 娘は単純に喜んでいるが、乳を揉まれて痙攣いるミノがあわれである。

 とりあえず、娘に目隠しをして、ちらっと隣の若様に目を向ける。


「俺は、市場で売っているのを買っただけで、こんなことはしていない」


 ミノはついに涙目で、男の下半身にキック。男がよろけた隙に顔にもキックをお見舞いして、スッゴい勢いで去っていった。

 「ちっ。待ちやがれ」「サクニュー!」


 ミノに追いすがろうとする、男とリズの前に都合よく雷が落ちた。


「最初に襲ってきたのはミノの方ではあったんだが・・・」


 青い髪の男が、頭を押さえていて、そのそばでは白ふわ髪のザ・巫女様がミノを押し倒していた男を汚物を見るような目で、睨んでいた。


「僕は、ルードリット、怪しい者じゃないって言ったって説得力ないか。もし道を知っていたのなら教えてくれないかな。隊商の人たちとはぐれてしまって、」


「え、ルーリーはすぐそこだけれど?」


 隊商と旅してた時のように、ルーリーの都でいつものように二泊した。その間に旅の疲れを癒しつつ、防寒具他、必需品を買いそろえて、ラバに積んで、準備万端、ルーリーの町を出発したのは一時間前だった。


『よそ者を入れると霧が出る』などと言われて、よい条件の隊商が見つからなかった。森を掠めるだけだし、次の村までさほど離れていないと油断したのがいけなかったのか・・・。

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