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高校生神王の後日談  作者: ぺのじ(旧春瀬)
第4章 高校生神王の答え
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初代神王の全知

「……ふっ」


 まるで平面のように広がる暗闇のなかで、ひとつ、紫炎が灯った。

 ロウソクの明かりにも見えるようなそれは、ロウソクではない。目だ。

 燭台のうえで灯っているようにも見えるそれは、燭台ではない。顔だ。

 髑髏のようにも見えるそれは、髑髏であって、髑髏でない。初代神王の、顔だ。


「やはり、こうなったか」


 声は、闇から生じていた。闇が震えているのだ。

《神のみぞ知る》――すなわち、全知。それが、初代神王の神意。

 そう、すべては知っていたこと。わかっていたこと。

 恋子が眷属になり、エミステラが教育係となり、ライオウが選定され――真希凪まきなが神王となることは。

 すべては、そのためだったのだ。

 ライオウを天界から放ち、ふたりを襲わせたことも。

 あの夜、真実を真希凪に伝えたことも。

 すべては、真希凪を神王の座に据えるため。

 すべてが、思い通りに進んだ。

 当たり前だ、すべてを知っているのだから。

 それが、全知ということなのだから。

 しかし。


「あの未完成品が一〇〇日ゲームを勝ち抜くこと――それだけは、わからなかった」


 たしかに、自分の神意は、恋子が勝ち抜くことを知っていた。

 だが、そうはならなかった。


「……くく」


 音もなく、闇が揺れた。笑っているのだ。闇が。初代神王が。


「完成品に完成品は超えられない。だとすれば完成品を超えることができるのは、未完成かもしれんな。……見せてもらうぞ、まだ見ぬ貴様の可能性を。これから、たっぷりとな」


 唐突に、明かりが消えた。

 しかし動じることもなく、冷ややかな闇はふたたび、平静を取り戻す。

 そうあるのが普通だと、知っているかのように。


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