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  2 密やかに

見ていた冒険者達は時間的になのか数は少なかったが

「お前、新人何だよな、凄いな」

そういわれ

「いや、まだ新人にもなっていない登録をする前に絡まれたんで、でもこれは偶然の賜物だと思う」

「そんな事は無いだろう、見事だったぞ、彼奴は今迄この街で一番強い事を鼻に懸けて、ああやって見かけない顔を見ると因縁をつけるんだが、強い事は間違いないので誰にも止められなかったんだが、お前さんは凄いよ」

「全然まぐれだけど、嫌な奴にお仕置きが出来て良かったって事か」

「そう言う事、奴はもうでかい面をして街を歩けないだろう、奴は執念深いから何をするか分からん気をつけろよ」

親切にそう言ってくれた

「気をつけます、ありがとうございます」

何故かこの世界でのおれは相当強い事が分かったが、俺が現実と思っていても全てが夢の中だったという事も考えられる、余りの自分の強さに現実感が薄れ夢の中かもと不安になっている、だが悩んでいてもしょうがないなるようにしかならないから

「しかし目立つとろくな事が無いような気がする、例え夢としても今後は控え目にしよう」

どっちにしてもまだこの世界と言うものがが何も分かっていない、この世界の権力者や貴族がどう言うものか分からないから、目をつけられないよう気をつけなければ

カウンターに行き

「冒険者登録をお願いしたいのですが」

そう言うと

「とんでもない新人が現れたものね、はい、分かりました、ではこれに名前を記入してください」

「名前だけで良いのですか」

「はい、後はこれに手を翳して貰えば」

はい、出ました水晶玉、ギルドの受付には必ずと言って良い程あるとされるものだ、書類に名前を記入して渡すと

「では、これに手を翳してください、魔力とスキル、過去の犯罪の有無が出ますが、本人以外耳せる事はありませんのでご安心を」

流石魔法の世界だ犯罪歴まで分かるとは恐れ入ります、受付嬢が怪訝そうな顔をしている、そして

「過去の犯罪歴は無いので良いのですが、魔力がゼロそれに伴ってスキルがある筈が無いわけで」

此の世界の生まれでも育ちでもないので、俺としてはそれは当然の事だと思ったが

「この世界は小さな虫でさえ魔力をもっているし、植物でさえ僅かにあるのに、貴方は魔力ゼロで良く生きていますね、例え生きているとしても良く動けてますよね、普通の人は魔力がなくなれば気絶してしまいます、魔力の欠乏が長く続けば死んでしまうのに貴方は平気なのですか、見たところ平気なのですよね、あんな凄い格闘をするほど動けているし、平気な顔をしているんですものね」

夢ではなくやはり現実なのだ、転生者の存在がどう思われるかが分からない、言い訳の仕方も分からない

「何故か分からないけど平気です」

「特殊な体質をお持ちなのですね、何万人にか一人そう言う方いると聞いた事があります、以上で登録は終わりです、今後ともよろしくお願いいたします」

「こちらこそよろしくお願いします」

絡んできた冒険者はゴルドと言うそうだが、自分のこの世界での力を知れたのだから感謝すべきかもしれないが、青の態度は許せるものではない、目立ってしまったが後々不幸につながるかが心配だが、今後の事を判断は出来ない無事に冒険者登録が出来たので良しとしよう、帰るとケインさんはまだ仕事から帰ってはいなかったがエレンさんがいた

「どうだった」

そう聞かれ

「ええ、無事に冒険者になれましたが俺は何万人に一人と言う体質だそうです」

「それってどういう事なの」

「魔力がゼロだそうです」

「えっ、それで何ともないの、良く生きていられるわね」

やっぱそう来るか

「ええ、何とも無いですよ」

「だったら良いんだけど、魔力ゼロ何て心配になっちゃうわ」

「でも何万人に一人くらいいるらしいですよ」

何万人に一人は俺と同じ転生者じゃないのか、ふとそう思った

「そうなんだ良かったぁ」

我が事のように心配してくれ喜んでくれる、何て良い人達なんだろう


俺は武器無しで戦闘能力が高い事が分かったが、奢る事なく初めての依頼は初心者としての定番らしい薬草採取を受ける事にした、ギルドから採取用の袋を借りて教えてもらった場所に向かった、薬草の見本と絵を見せて貰い覚えたのだが、その際も不思議な事が起きた、見せて貰った薬草の特徴が全部頭に記憶出来たのだ

「俺って、こんなにあたまがよかったっけ」

自分ながら驚いたがはっきり覚えたという確信があるのだ、だから現場に着いく直ぐに薬草が見つかった、見つけた薬草を端から採取して行くとすぐに採取袋がいっぱいになってしまった

「これを薬草ごとに分類して十本ごとの束にして」

最後に十本に足りない薬草を採取して回り十本の束にすると、まだ日が高いうちにギルドに戻った

「採取完了しました、依頼分以上ある場合はどうすれば良いですか」

「全て買い取理が出来ますが、それでよろしいですか」

「はい、じゃあ全部お願いします

俺が買い取りカウンターに採取してきた薬草の束を並べると、受付嬢の雰囲気が変わった俺の顔を見ているがものを言わなくなった、暫くすると

「ハヤトさんでしたっけ、あなた一人でこれだけの薬草を」

「ええ、俺一人ですよ、誰にも手伝ってもらってはいません、まだそんな知り合いもいませんし」

「この数は普通の人の十人分、いやもっとかな、あるのです、しかもこんな短時間で」

「いや、見つけた薬草を採取して袋がいっぱいになったので、分別し束にして持って来ましたが何か間違っていますか」

「間違っているかどうかは鑑定して見なければ分りませんが」

そんな話をしている間も買取の係の人が鑑定してくれていた、そして

「終わりました、全て間違いありません完璧です、それと種類が十種類以上ありますが、良くこれだけの種類が分かりましたね、今日が初めてと聞きましたが薬草採取はどこかで経験が」

「ありません」

「其れにしては高級な薬草を良く見分けられましたね」

そう言って五束ばかりの薬草を選んで出して見せてくれた、それが高級種に分類されるという事だろう

「ああ、それらは他の草の陰で見え難かったけど、なんとか少数だけど採取出来ました」

「少ないのは当然です、この五束は他の物と違って高価な薬草なのです、ですからそれなりの金額になりました、合計で金貨三十二枚になります」

「えっ、そんなに~」

悲鳴のような声が上がったが俺ではなく受付嬢の声だ

「Cクラスの冒険者の稼ぎ一ヶ月金貨三枚になるかならないかよ、その半年分より多いわよ」

「えっ、そんな事・・・・・」

今度は俺が驚きの声を上げた、まだこの世界の貨幣の価値が分からなかったので

「思ったより多いな」

くらいには思っていたがCクラスと言えば一人前の冒険者だ、俺は冒険者になったばかりのEクラス、二階級上の人の半年分を一日もかからずに稼いだ事になるのだ

「貴方何者なの、魔力ゼロって言うだけでも驚いたけど、初仕事でこんな事を出来るなんて驚きを通り越して不審に思っちゃう、常識じゃない事ばかりやって」

「いや、そう言われても俺は普通にしているつもりなので、どうしようもないですよ」

「普通にしているつもりって、まぁ良いわ、分かった、でも気をつける事ねこの事を他に人に知られたら命も危険よ、採取場所を知るためには何をされるか分からない、薬草採取だけで命懸けで魔物を相手にする人の十倍以上も稼げるなんて、反則だもの」

「いや、反則って」

「とにかく気を付けてね、ギルドでは伏せておきますから」

怒ったような言い方だったが言う事に一理ある

「ありがとうございます、気をつけます」

帰ると今日はケインさんも帰っていた

「どうだった、初仕事は」

「それがですね」

ギルドでの出来事を話した、入った途端絡まれた事、薬草採取で稼ぎ過ぎと言われた事を

「ゴルドをやってしまったのか、凄いな、彼奴は確かBランクだぞ、Eランクのお前にのされたとなったらBランクの面目丸潰れだ、当分街も歩けないだろう、恨まれるのは覚悟しておいた方が良いぞ」

「ええ、注意は怠らないようにします」

「そうしろ」

「それでですが思わぬ金が入ったので、これを受け取ってください住まわせて貰っている居候代です」

俺が金貨二十枚を差し出すと

「おい冗談じゃないぞ、何枚ある」

「二十枚です」

「馬鹿な俺の給料の半年分だぞ、気持ちは分かるが貰えない」

ケインさんの給料ってCランク冒険者より安いんだ、考えたら冒険者のように命を懸けるような仕事じゃないからかな

「受け取ってください、俺には使い道が無いので」

「金はいくらあっても邪魔にはならないのだが、お前の気持ちを考えたら無下に断るのもな、じゃあ、お前が気兼ねなく此処に居られるように、その金で部屋を建て増ししよう、土地も余裕があるから」

「そう、其れが良いわね」

「じゃあ、一応貰って置くが、そう言う事だ、今後はそんな気を使うんじゃないぞ」

「分かりました」

何と優しい夫婦なんだと涙が出そうになった、色々あった一日が終わり布団に入り改めて今日の出来事を考えてみた、俺の体と身の周りに異変が起きている事は確かだと思う、全てが良い方向にだが異変が起きている

「いやいや、こんな事が続く筈がない」

目立たないように行動は控えめにを心がけよう、そう思いながら何時の間にか眠ってしまった


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