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　一方でそよはというと、帰社後も余韻に浸っていた。他の同僚からは特に何も聞かれなかったものの、「飯森さん、何かいいことあったんじゃないの？」と思われているのは間違いないくらい幸せそうなオーラが出ていたかと思う。そよの手の中には2人と握手したときの感覚が残っていた。ニコラスのグローブ越しの大きな手と、ジャッキーの華奢な長い指の感覚をそよの手は覚えてしまっていたのだ。グローブ越しとはいっても、指先だけは出ているデザインだったけれど。

　そよは帰りの電車で、ニコラスからTikTokのダイレクトメールに届いていたメッセージへ返信する。TikTokのダイレクトメールでは写真が送れない仕様になっていたので、Instagramのダイレクトメールへ写真を送ることにした。

「大阪であなたとジャッキーに会えて良かった！　ところでジャッキーにも写真送りたいんだけど、ジャッキーのインスタのアカウント知ってる？」

その後、そよはニコラスにジャッキーのInstagramのアカウントを教えてもらう。そこで2人にお礼のメッセージと写真を送ることにした。