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阿吽

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

親とはいえ、他人であること。

最後は一人で戦わなきゃいけないこと。

物凄く手荒な方法で彼女の膿を取り除いた後の事、彼女は笑顔だけじゃなく、様々な表情をする様になった。哀愁漂う顔、泣き顔。その度に寄り添って、話を聞いていた。

「……この間来なかった事、怒ってませんか?」

「うん、全然。御礼はちゃんと来てしてくれるし、願い事ばかりじゃないからね」

何時ものように頭を撫でながら、長らく脅迫概念に犯されていた心を少しづつ溶かして行く。

幼い頃に甘えられなかったせいか、こうして頭やら顔やらに触れてやると、少しだけ落ち着いた様な顔をする。

少しだけ緊張が和らいだのだろう。彼女の口からポロリと本音が転げ落ちた。

「親ってね、意外と子供の顔とか、感情とか、見てないものなんですよ。だから皆がよく言う『普通気が付くだろ』っていうあれ、紛い物だと思うんです。親とはいえ、所詮他人ですしねぇ。へへへ。梅香の君の方が分かっていたり? はっ……」

彼女の中で、実の親の悪口を言うのは禁忌事項であるらしい。何時も言い終わった後、真っ青な顔をして、肩を震わせる。それはまるで叩かれるのを必死に堪えている様だった。

その様を見て、背中をさすってやる。長い戦いになりそうだった。

「私も君からして見たらただの他人だよ。だからこの間のように手荒な真似が出来るんだ。いいかい? 依存するなら自分だけに依存しなさい。支えてあげる事も、相談に乗る事も出来る。でも選ぶのは、立ち向かうのは何時だって君一人だ。そこだけは履き違えちゃいけない」

「……はい!!」


あの子が去った後、薄ぼんやりと考えるのは三人の精霊達だ。私は果たしてあの子達に的確な言葉を掛けてこの世を去ったのだろうか。

「飛梅様」

「なにかお悩み事が?」

強烈な梅の香りと爽やかな風と共に二人は現れた。両側を陣取る様にして、松風と紅梅は身を寄せる。両腕を広げて二人の頭を撫でてやると、より一層二人の香りが強く漂う。喜んでいるのだと思う。

「紅梅には私の身勝手で、長い旅路を飛ぶように願ってしまった。負担ではなかったかな?」

「いいえ、全く。あの御言葉がなければ私は辿り着けませんでした」

紅梅は甘える様に私の胴体にしがみつくと、離れない様に額を擦り寄せた。私が京を離れる時に、桜雫がしていた様に。やっぱり……寂しかったのだろうな……。

「松風の思いに気が付く事無く、『素っ気ない』と言ってしまった。紅梅と同じように遥々空を飛んだのに」

「……俺は無口ですので。そう思われても仕方がないと存じております」

松風は紅梅のように抱き着いては来なかった。ただ寄り添う様に僅かに頭を凭れさせてきただけ。それは遠慮深い彼が、少し離れた土地で根を下ろしたのを連想させた。

「もっとよく見ないといけないね。でも……私の想いから生まれた子供といえ、全てを理解し、接する事は難しいんだ。何時も通り、口に出してくれると助かる」

「承知しております」

「承知しております」

阿吽の呼吸でそう言って、これまた阿吽の呼吸で抱き着いて、裾を握った。

「願わくば、未来永劫、貴方様にお仕えしとう存じます」

「願わくば、未来永劫、貴方様にお仕えしとう存じます」

まずはタイトルに着いて、『阿吽の呼吸』から来てます。

話してなくても全部伝わる。分かってる。

故、今回は皮肉を込めてこのタイトルです。


さて、解読始めます。(長いので飛ばして戴いて)


大きなテーマとなった。

『親とは言え他人。感情とか表情とかは見ないもの』

毒親表現のあるゲームの感想を見ていて思った事です。

親って意外と見ませんよ。子供の表情とか感情とか。

無理して笑っていても、笑っているからこそ、油断して細かく観察しないんです。

んでもって、突然泣き出して現状に気が付くという。

それは親に限らず、友人、恋人にもきっとある事です。


梅香の君のモデルとなった方も、松に対して『素っ気ない』と言ってしまった事で、後を追う様になったくらいですし。

※能楽の話を元ネタに話をしてます。


故タイトルの皮肉として、

親であっても他人。言わなきゃ分からない。

となりました。


『選ぶのは、立ち向かうのは君一人だ』

お読み戴くと分かる通り、相手ちゃん少し依存してます。

今まで受け入れてくれなかった故に、そうなるのもご最も。

でもこれ、依存する側も、される側も危険な行為。

利用方法間違ったら、カルトになりかねません。

それ故に、梅香の君はあえて釘を刺してます。

これ、昨日の話に続くのですが


神様を崇拝しても、支配はされるな。


崇拝はされないと存在意義に関わる。

でも私という存在に支配されて、私が言った事を全て鵜呑みにするのは毒にしかならない。

だから、最後にはきちんと自分で判断して行動しなさい。

という意味です。


二つのテーマを無理矢理捩じ込んだので、読んでいるとズレが見えてくると思います。

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