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…翌日。
いつも通り雑用の依頼を受けて金を稼いでいると柴田からの着信が。
なんでも『急いで来い!』と言われたので指定された場所へとのんびり向かう。
「おい、海。斉藤が魔獣にさらわれたらしいぜ!」
着くや否や藤原が駆け寄って来て問題が発生したかのような事を言う。
「斉藤?」
「クラスメイトの女子だよ!女子!」
「へー、で、さらわれたってのは?」
「魔獣が斉藤を捕まえて連れてったんだと」
「マジで?」
魔獣が人を誘拐する…なんて聞いた事ないので俺は半信半疑で確認する。
「マジだって!」
…ココで急に制服姿の女子が会話に乱入してきた。
「だから誰でも良いから早く斉藤を助けに行ってよ!」
「…コイツ誰だっけ?」
「住吉だって」
「あー、そういやそんな名前の女子が居たな」
結構な男勝り…もといボーイッシュな女子の焦ったようなお願いを聞いて俺はまず初めに名前を確認する事に。
「海原がこいつらのリーダーなんでしょ?お願い!」
「マジで?俺がリーダーでいいの?」
「良くない」
「良いわけあるか!」
住吉の発言に俺が二人に確認を取るも即否定的に返され却下された。
「まあお前がリーダーかどうかはさて置き…どうする?」
「どうする、ったってなぁ?クラスメイトを見殺しにするわけにもいかんし」
「じゃあ行くか」
「俺らが行ってどうにかなるもんなのか?」
そこら辺のパーティに任せた方が良くね?と、藤原はちょっと弱気な発言をする。
「んなもん行ってみねーと分からねぇだろ。なあ?」
「そだな」
「…じゃあ行くか」
柴田の確認に俺が頷くと藤原は不安そうにしつつも先頭に立って歩き出した。
「ん?そういや斉藤が居る場所とか分かんのか?」
馬車で町から離れて少ししたところで俺は疑問に思ったので二人に聞いてみる。
「海が来る前に住吉から聞いた。近くの洞窟のダンジョンだと」
「ダンジョン?ただの洞窟だろ?」
藤原の返答に俺は新たな疑問が浮かんできた。
「魔獣が居たらそれだけでダンジョン呼びになるらしいぜ」
「へー」
「海、お前もしかしてパーティに入った事ないのか?」
柴田の説明に俺が適当な感じで返すと若干驚いたように聞いてきた。