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「金貨一億枚かー…さぞかし重いんだろうなー」



王子から金をたかる事に成功しての帰り道、藤原がにやけた顔で空を見上げながらさっき佐藤に言われた事を思い出して呟く。



「紙でも相当な重さだろうしな。硬貨だったら持ち運びできねーだろ」


「つーかなんでこの国は硬貨しかねーんだろうな?他の国にはちゃんと紙幣があるのに…」


「さあ?まあパッと見て直ぐに枚数が分かるぐらいだから必要ねーんじゃねーの?」



俺が現実的に考えて問題点を言うと柴田が今更な疑問を言ってきて藤原が適当に返した。




…それから数日後。




「あ、そういやさー…海原。『深山』って覚えてる?」


「深山?…あー、なんとなく覚えてるような…」



城での仕事中にバルコニーで暇してる俺の隣に来た佐藤が思い出したように聞いてきて、俺はそういやクラスの中でも特に可愛かったのがいたな…と思いながら返す。



「その深山さんなんだけど、今『クランチェスター』って国で聖女やってんの」


「へー、マジで?聖女?」


「マジマジ。こっちでもあっちでもイベントの時に何回か会ったし」


「ふーん」


「で、その深山さんって確か斉藤さんとか住吉さんと同じ中学で仲良かったんでしょ?」



俺がどうでも良さそうに話を聞いてると佐藤が意外なことを聞いてきた。



「マジで?初めて聞いたんだけど」


「そうなの?斉藤さん達と一緒に住んでるんじゃないの?」


「一緒にって言ってもシェアハウスみたいなもんだしな…そもそも俺ぁこの世界に来るまでクラスメイトなんて誰一人知らねー奴らばっかりだったし」


「えー!うそだー!柴田とか藤原とめっちゃ仲良いじゃん!乙女ゲーでも中々見ない関係だと思うけど!」


「…住吉から聞いてたけどお前マジでゲーマーなんだな」



俺が同棲の実情を話すも佐藤は信じられないと疑うように言うので俺はため息を吐きながら確認する。



「あ、ギルには内緒ね?乙女ゲーの知識で落としたなんてバレたら後が面倒だし」


「言っても理解できねーから問題ねーと思うけどな…まあ、んなくだらない事を言う気にもなれねーけど」



佐藤の口止めに俺は呆れながら了承した。




その夜。




「そーいや昼に佐藤から聞いたんだけど、深山が今どっかの国で『聖女』になってるらしーぜ」


「はあ?」


「聖女ぉ?」


「えっ!?」


「うそっ!海原ソレほんとの話!?」



俺が佐藤から聞いた事を話すと柴田と藤原は疑うような反応をするも斉藤と住吉が食いついてくる。



「マジマジ、佐藤が『深山は斉藤と住吉と仲良かったはずだから教えとく』って」


「…ミ…深山さんは元気なの?」


「佐藤ん話を聞く限りだと元気じゃね?結構な地位に居るらしいし」



心配したような斉藤の問いに俺は深山の現状を詳しくは知らないので適当な感じで返した。

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