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「へー、まさか噂の奴がクラスメイトだったとは」
「そういや海原。コイツもさっきパーティ追い出されて行くとこ無いんだと」
この家に泊めてやってもいいんじゃね?と柴田は藤原の現状を説明して提案してきた。
「ああ、良いんじゃね?部屋は余ってるし」
「マジで!?良いの!?」
「良かったな」
「ありがとう海原!柴田サンキューな!」
…こうして居候が更に一人増える事に。
「そういや藤原…だっけ?はどんなスキル持ってんの?」
「スキル?ああ固有スキルの事か?」
「おう」
「…とんでもねー外れスキルだった。おかげでやっとこさ入ったパーティも直ぐに追い出されるし」
俺の問いに藤原は嫌そうな顔をしながら返す。
「マジで!?俺のも使えねーやつだったけど、どんなスキルよ?」
「『決闘』っていう、強制的に一対一の状況を作り出すスキル」
「強制的にタイマンに持ち込むんなら敵が多い時に便利じゃねーの?」
「ヤンキーじゃないんだからバフ無しで敵とのタイマンに持ち込めても勝てるわけねーだろ」
俺の問いに藤原は呆れたように感想を告げる。
「で、お前達のスキルは?」
「俺は『縛り』っつー相手と自分にデバフをかけるやつ」
「うわ…お前のもなかなかの外れスキルだな…」
藤原の問いに柴田が先に教えると同情した様子で若干ヒき気味に呟く。
「んで、海原のは?」
「俺のは『人海戦術』大量の雑魚を召喚するだけ、だな」
「なんだってー!当たりじゃねぇか!俺のと交換しろ!交換!」
藤原は俺のスキルを知ると怒ったように無茶な要求をしてくる。
「いやいや、藤原。アイツのってマジで数が多いだけのただの雑魚だぜ?日常生活ではチートだけどよ」
「戦いは数だろうが!」
「あ、俺も同じ事言った」
柴田が宥めにかかるも藤原はこの前の柴田と同じ事を言いながら憤るように叫ぶ。
「いくら数が多くても雑魚ばっかりじゃ範囲攻撃一発でおしまいだろーが」
「んなの柴田のスキルで縛ればいいだろうが!ふざけんなよ、このチート野郎が!」
「「あ」」
「え」
俺が呆れたように返すと藤原はまさかの欠点を埋めるような対策案を出してきた。
「…柴田、お前そんな事出来んの?」
「知らん。てか範囲攻撃とか縛れんのか?」
「今度やってみよーぜ」
「そだな」
藤原の案をありがたく受け入れて柴田と話し合い次の機会に試してみる事に。