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『塵も積もれば山となる』



面倒で報酬が少ない依頼でも数をこなせばAランクとほぼ同じ額を稼ぐ事が出来るわけだ。



「お」



今日の分の依頼が無くなったので帰宅すると家の中は見違えるように綺麗になっていた。



「たでぇま~…あー腹減ったー」



俺が兵士達に夕飯を作らせていると出かけていたんだろう柴田が帰宅。



「おー、美味そう。…うまっ」



柴田は洗面所で手を洗った後に椅子に座るとテーブルの上に置かれた料理を直ぐに食べ始める。



「…そーいやよぉ、町ん中歩いてる最中にお前んとこの兵をめっちゃ見たんだけど…全部でどれくらい出せんの?」



飯を食ってる最中に柴田は思い出したかのように疑問を聞いてきた。



「さあな。出そうと思えばどこまでも出て来るから数えた事ねぇわ」


「おうおう便利便利」



俺の返答に羨ましそうに返して会話を打ち切る。



そして翌朝。



昨日の今日でどれくらいの依頼が溜まってるか…と思い、ギルドへと見に行くと…



やはり結構大きな町だからか直ぐに上限いっぱいにまで依頼が埋まっていた。



…FとEの依頼を片っ端から受けては大量の兵士を派遣して報酬を受け取る事、一週間。



「たでーまー」


「…本当に入っていいのか?」


「大丈夫だって」



…どうやら柴田が誰かを家に連れて来たようだ。



「お」


「あ」


「いやー、ちょっくら町で見かけてよお」



リビングに入って来た柴田の後ろからついてきた男の制服を見て俺がクラスメイトである事に気づくと柴田が連れて来た理由を話す。



「えーと、誰だっけ?」


「藤原」


「ああ、そういやそんな名前のがいたな」


「この家は海原のだ、ってさっき柴田から聞いたけど…マジ?」


「マジ。先週買った」



藤原の名前を聞いて思い出してると確認するように尋ねてきたので俺は肯定する。



「マジか…この前まで普通に空き家だったのに…よく買えたな」


「空き家は安いからな」


「コイツはギルドの雑用係だからな。意外と金持ってんだよ」


「…もしかして最近FとかEの依頼を鬼のように片っ端から受けて独占してる変わり者って…」


「そうそうコイツコイツ」



藤原の疑問に柴田がからかうように笑いながら俺を親指で指しながら答える。

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