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「へー、ココか…お邪魔しまーす、っと。お、元空き家にしてはだいぶ綺麗じゃねーの」



町の中心街から少し離れた一軒家の中に入ると柴田は床や壁を見ながら意外そうに言う。



「そりゃ掃除ぐらいするだろ」


「マジで!?お前家事とか出来んの!?」


「できん」


「出来ねぇのかよ!」



柴田が驚きながらの聞いてくるので隠すこともなく素直に答えるとツッコむように返された。



「じゃあ誰が掃除してんだ?やっぱり家政婦とか雇ってんのか?」


「いや、普通に俺の兵が。ほら」



柴田の疑問に俺はリビングのドアを開けて今も掃除中の兵士の姿を見せながら答える。



「兵って…家政婦じゃなくて?…お前、大丈夫か?」



柴田はせっせと掃除をしている兵士の姿を見るとヒいたように俺の状態を確認をした。



「は?」


「いや、普通わざわざ家事させるために傭兵とか兵士は雇わなくね?」


「…ああ、そういう事か」



俺は柴田のその発言で勘違いされている事に気がついた。



「コレはアレだ。俺のスキルで出した奴だ」


「スキル?あの神から貰った『固有スキル』の事か?」


「ああ」


「へー、便利なスキルもあったもんだな」



俺の言葉に柴田が確認して勘違いが解けたのか意外そうに呟く。



「…ちなみにお前の固有スキルってなんだった?」


「俺のは『人海戦術』つーやつ」


「人海戦術ぅ?なんだそれ」


「大量の雑魚を召喚する事ができるってだけよ」


「なんだそれ!チートじゃねぇか!おまっ!めちゃくちゃ当たりじゃねぇか!うわっ、めっちゃ羨ま…」



柴田の問いに答えると驚かれた後に羨ましがられた。



そして嫉妬をしたかのように睨んでくる。



「そんな良いもんでもないぞ。俺も最初はテンション上がったが…全くと言って良いほど戦闘向きじゃなかったし」


「はあ?戦いは数だろ。舐めたこと言ってんじゃねーぞ、このラッキーマンが」



俺が実際に使ってみた感想を言うも柴田は信じないかのように悪態を吐く。



「ソレが通じるのは戦略系のSLGとかSRPGだろ。アクションでもギリギリなのに…無双シリーズだと無意味だろーが」


「…確かに」


「どんだけ数を揃えようがただの雑魚じゃ範囲攻撃で一発よ。調子に乗った結果マジで死ぬかと思ったし」


「マジか。ごめん」



俺の話を聞いてまたしても柴田は勘違いしてた事に気がついたのか素直に謝る。



「お前のスキルを教えたら許してやる」


「俺の?俺のは『縛り』っつーくっそ使えねぇスキルよ」


「縛り?」


「ああ。自分のステータスの一つを使えなくして相手も同じ状態にするんだと」


「…まあ、その…なんだ。サポート向けじゃないか」



柴田の固有スキルを聞いて、俺のスキルのが大分マシだな。と内心安堵しつつちょっとフォローした。



「だと思うだろ?相手にデバフだけならまだしも自分もだぜ?『メンバーの枠を一つ埋めてまでも必要とする能力じゃない』だとよ」


「まあ、相手の防御力をゼロにしても自分の防御力もゼロだからな…守る手間を考えたら当然だな」


「ちっきしょう…なんで俺だけこんな使えねー外れスキルなんだよ!お前のと交換できねえ?」


「いや、無理だろ。出来たら『固有』の意味ねぇし」


「…だよな…」



柴田の提案に俺は内心とても嫌がりつつもなんとか却下する事に成功した。

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