竜の神様、昼寝する。
結局、午前中は私とオミさん、シキさんと蛇神様でチーム分けしてゲームに燃えた。そして負けた。
「‥蛇神様、普段もゲームするんですか?」
「無論じゃ!人間界の事は深く知っておかねばならんからな!!」
ふふんとドヤ顔する蛇神様。
流石です。
すっかり遊び疲れた頃に何故か届いた宅配ピザを開けて、皆で食べているけれど‥。いつの間に頼んだのだろう。そして神域であるこの場所に、どこから届けられたのだろう。謎だ。
オミさんは初めてのピザに目をキラキラさせてるし、伸びるチーズに面白そうな顔で食べている。可愛い。
「‥無自覚可愛い系」
「あ?」
「いえ、なんでもありません。あ、オミさんサイドのサラダも食べて下さいね」
サラダのカップを前に置くと、眉をしかめるけど蛇神様が「おんやぁああ??野菜も食べられないとかぁ??」と、煽りに煽ってくれたので、睨みながらもサラダを食べてくれた。なるほど、その手もあったか。
ピザを食べ、お腹いっぱいになったのか蛇神様は満足したらしい。
「そろそろ帰る!あ、ゲームは置いておくから好きに遊べ。あとフレンド登録したから、今度サバゲしよう!!」
「蛇神様、本当にすごい」
「うむ!!もっと褒めよ!!」
腕を組んで、ドヤ顔してるけど‥
ピザソースが口についてます!蛇神様。すかさずシキさんがササッと拭いてくれた。流石である。
シキさんがあっという間に片付けまでしてくれて、「大変お騒がせしました」と言いつつ、蛇神様を連れて帰ったけど‥。シキさんのポテンシャル凄いな。
急にシンと静かになったリビングに取り残された私とオミさんは思わず顔を見合わせる。
「‥なんか嵐のようでしたね」
「おう」
「どうします?もう一回ゲームします?」
「‥その前に、昼寝してぇ。疲れた」
「はは、確かに」
私がそう言うと、オミさんは私の手を突然握ったかと思うと大きなソファに一緒に寝転ぶ。
なぁああああああああ!!!!!??
何をするんだ!!!何を!!!
ガチッと氷のように私の体が固まって、後ろのオミさんをそろっと見る。‥なんかニヤニヤしてません?
「オミさん、昼寝は一人でして下さい」
「嫌だ。一緒に寝ようぜ」
「ええ、私は起きてたい‥」
「なんで?」
「なんでって‥。あの私は年頃の乙女なんですけど!」
「りんごだろ」
「お と め !!」
私が言うけれど、オミさんの太い腕が腰にシートベルトのように回されて、完全に寝の姿勢に入った。‥ダメだ、これは完全に寝るモードだな。
大変心臓がうるさいけど、どうやら耐えるしかないらしい。
仕方ない、夜と違って1時間か2時間の話だ。
そう思って体の力を抜いて目を閉じると、オミさんの寝息がもう聞こえてくる。え??もう寝たの??
でも、そういえばシキさんがものすごく大変な修行を蛇神様としてるって言ってた事を思い出した。‥やっぱり相当疲れてるのかな?あんまり昼寝をしている姿なんて見た事なかったもんなぁ。
私も目を閉じると、ふんわりと暖かい何かに包まれた。
あれ?力を使ったのかな??
寝てたんじゃなかったの?そう思いつつ、私はあっという間に眠ってしまった。
ストンと眠っていたはずなのに、ふわっと意識が戻る。
ああ、すっかり眠っちゃったのか。
それでも目を開けるには勿体無いくらい心地よくて、何かが髪を撫でる感触が気持ちよくて頬が緩む。
この手は誰だろう。
「‥‥オミさん」
小さく名前を呼ぶと、手の動きがピタッと止まる。
あれ?やっぱりオミさんだったの?
そういえばこれは現実なんだろうか、夢なんだろうか?目を開けようと思ったけど、夢から覚めたらもったいないかも。現実だったら、きっと撫でてくれないだろうし。
目を開けないでじっと待っていると、またそろっと大きな手が私の頭を撫でてくれた。
‥夢の中だな。これ。
現実のオミさんとは恋愛はできない。
せめて夢の中だけ姿は見えないけど、オミさんに撫でられていたい。そう思って、また眠りの中へ沈んでいった。




